ガートナーの提言
自社に適した「賢いPaaS選択」 どれを選べばいいの?(2/2 ページ)
2.PaaSの選択肢
次にPaaSを選択する際のポイントを考えてみる。
まず、「単一機能PaaS」か「多機能PaaS」かを検討する必要がある。単一機能PaaSとは、フレームワーク上に1つの機能だけを持つPaaSで、代表的なサービスには、iPaaS単体の機能を持つDellの「Boomi」、apiPaaS単体の機能を持つRestletの「APISpark」がある。一方、PaaSフレームワーク上にiPaaS、aPaaS、dbPaaS、xPaaSと複数の機能を持つのが多機能PaaSで、代表的なサービスがOpenShift、「IBM Bluemix」だ。このように、PaaSには専門指向のものからスイート指向のものまでさまざまな種類がある。もちろん、複数の単一機能PaaSを束ねて利用することも1つの方法だ。
次に、(図2のアクセラレーターに当たる)生産性向上の要素にもさまざまな特色があり、この点からもPaaSを選択できる。事前構築されたコンポーネントを提供しているか、テンプレートを提供しているか、アプリケーション、APIを提供しているかがポイントだ。
例えば、Salesforce.comは1000以上のコンポーネントを「AppExchange」で提供している。ユーザーはこれらを組み合わせることで、望むアプリケーションを作り上げることができる。mendixは「App Store」を通じて中小企業の利用に適したテンプレートを提供している。テンプレートを使うことで、アプリケーションを迅速に構築することが可能だ。保険業種に特化したテンプレートも用意している。
マルチテナント性、弾力性のあるアーキテクチャかどうかもチェックすべきポイントだ。Cloud Foundryでは、PaaSフレームワーク上にコンテナイメージを積み上げていく。より生産性を求めるなら、自分でコンテナイメージを用意しなくていいforce.comの方が合っているだろう。また、クラウドネイティブなPaaSでは、隣のテナントがたくさんのリソースを消費していると、自分のテナントのパフォーマンスに悪影響を及ぼす場合がある。コンテナであれば全てが切り分けられているので、隣のリソースの影響を受けることはない。求めるものによってPaaSの選択肢は変わる。
3.PaaS選択の考慮点
PaaSの選択に当たっては、「何を実現したいのか」という目的を具体化することが必要となる。
目的が運用管理負荷の低減ならパブリックPaaSまたはIaaSを選択すべきである。アジリティが目的なら、アクセラレーター付きの高生産性PaaS。Webスケールが目的なら、IaaS+または高コントロールPaaSを選択すべきだろう。
スタッフのプログラミングスキルも選択に大きく影響する。初級、中級、上級のスキルごとに選択すべきPaaSが変わるので、自社のスタッフレベルを把握しておく必要がある。
価格も重要な選択要素だ。Salesforce.comの主な課金モデルはユーザー単位である。Herokuを買収したのは異なる課金モデルが必要になると考えたからだろう。Googleはリソース単位で課金し、Boomiはアプリケーションの接続単位で課金し、Appianはユーザー単位課金とアプリケーション単位課金の両方をカバーしている。それぞれ制約が異なる上、課金単位によって価格も当然異なる。自社に最適な課金モデルを見つけることをお勧めする。
もちろん、ベンダーのビジョン、実行力も重要な選択肢である。Gartnerではベンダーの市場での位置付けを紹介するマジック・クアドラントを発表しているが、この顔ぶれ、位置付けは1年間で大きく変化する。特にPaaSは驚くべき変化が起こる市場である。長期的な契約は結ばない方がいいだろう。
以上、PaaSのアーキテクチャ、PaaS選択のポイントを紹介した。PaaSは非常に魅力的だ。すぐにPaaSを採用するべきである。
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