Windowsアプリも利用可能に
「iPad」か「Android」タブレットか モバイルVDIに最適なデバイスを選ぶ(2/2 ページ)
アプリケーション単位での配信が可能に
デスクトップではなくアプリケーションを配信する「公開アプリケーション」機能をサポートするVDI製品が増えたことも、大きな変化の1つだ。Citrixの仮想化プラットフォーム「XenApp」は何年も前から、この機能を搭載している。VMwareは2014年、VDIサービス「Horizon View」に公開アプリケーション機能を追加した。同社が包括的なVDIサービス「Horizon 6」で新たに導入した「Remote Desktop Session Host」(RDSH)機能を使えば、IT部門はアプリケーションを共有して使う「アプリケーションプール」を作成し、デスクトップを丸ごと配信する代わりにアプリケーションを個別に公開して配信できる。
公開アプリケーション機能は、ParallelsのVDIサービス「Parallels Remote Application Server」など、先ほどの2社以外の製品でも利用できる。あるいはMicrosoftのアプリケーション配信サービス「Azure RemoteApp」を使って、公開したアプリケーションをクラウドから配信することも可能だ。
モバイルデバイス、特にスマートフォンには、仮想デスクトップを丸ごと配信するよりもアプリケーション単位で配信する方が向いている。大半のモバイルデバイスは複数のアプリケーションをウィンドウ表示するのではなく、1種類のアプリケーションをフルスクリーンモードで実行するからだ。そのため、モバイルユーザーインタフェースではアプリケーションを1つ起動する方がはるかに快適だ。モバイルデバイスで利用したい仮想アプリケーションが1~2個程度の場合は、特にこの方法が有用だ。
MDMでセキュリティを強化
例えばCitrixとVMwareがどちらもiOSとAndroid向けにクライアントアプリケーションを提供しているように、VDIソフトウェアの多くはモバイルデバイスをサポートする。だがVDIプラットフォームはもともとクライアントPCからのアクセスを想定して設計されたものだ。企業のモバイル活用が進む中、多くのIT部門は既にモバイルデバイス管理(MDM)製品を使い、社員の私物デバイスを管理している。VDIプラットフォームとMDM製品を併用すれば、より強固なセキュリティを実現できる。
MDMを導入すれば、ユーザーのモバイルデバイスは「一定レベルのセキュリティ対策を備えた信頼できるモバイルエンドポイント」となる。MDM製品には、セキュアなネットワークアクセスを提供するものもある。そのような場合は事実上、社内アプリケーションのそれぞれに対し、仮想プライベートネットワーク(VPN)ポータルサイトを作成できる。この方法であれば、仮想デスクトップを丸ごと配信しなくても、それなりに安全な方法で公開アプリケーションを個別に配信することが可能だ。
Windowsアプリケーションに関してはまだ課題も
スマートフォンやタブレットでVDIを利用する大きな理由の1つは、Windowsのレガシーデスクトップアプリケーション(Windowsアプリケーション)にリモートアクセスで私用することにある。ただしだからといって、そうしたWindowsアプリケーションが常にうまく動作するとは限らない。
大半のモバイルデバイスはタッチスクリーンインタフェースでの使用を想定しているが、Windowsアプリケーションは主にマウスとキーボードでの操作が前提となっている。モバイルデバイスでWindowsアプリケーションを使用する体験が快適にいかないのは、このズレがあるからだ。キーボードとマウスをタブレットに追加することもできるが、周辺機器を加えれば当然、モバイルデバイスの携帯性は損なわれる。
さらにモバイルデバイスからのVDI利用をめぐるマイナス要素として、モバイルOS向けのクライアントソフトウェアに大きな改善がみられないことが挙げられる。また、Windowsアプリケーションを自動的に「リファクタリング」(変換)してタッチスクリーンに合わせるための機能もほとんど改善されていない。
モバイルデバイスからのVDI利用には依然として妥協が必要だといって差し支えない。ただしモバイル接続には多くの場合、あらゆるマイナス面を補って余りあるほどの価値がある。スマートフォンのカメラを支持する人たちの間ではよく、「気軽に持ち歩けるカメラこそが最高のカメラ」だという。VDIクライアントについても、欠点はあっても「ポケットに入れてどこにでも持ち運べるものこそが最高のVDIクライアント」ということかもしれない。
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