「Windows Server 2016」を控え、激変する技術環境
Linuxとコンテナを受け入れるMicrosoft、Windows管理者は頭を抱えることに?(3/3 ページ)
マイケル・スタンプ氏
MicrosoftがコンテナとLinuxを受け入れたことで、古くからのWindowsシステム管理者の多くは頭を抱えているが、これには正当な理由がある。
コンテナはデータセンターとクラウドに取って代わる。一方でx86プロセッサの仮想化などの旧来のテクノロジーは21世紀のメインフレームになると2013年ごろから言われ続けてきた。つまり、ソフトウェア定義のデータセンターの構築にどのハイパーバイザーを採用したとしても、必ず混乱が生じるということだ。ただし、VMwareとMicrosoftは、すぐに自社製のハイパーバイザーをエンタープライズ向けのコンテナに最適なプラットフォームとして位置付けた。
Microsoftは最も話題になっているコンテナシステムをWindowsプラットフォームに導入するため、2014年10月にDockerとパートナーシップを結んだ。そして、Windowsコンテナの1つである「Hyper-Vコンテナ」とNano Serverを発表した。また、Dockerが管理するVMをアプリケーションマーケット「Azure Marketplace」から展開できるようになり、Azureもこのパートナーシップに関わるようになった。突如としてMicrosoftは、自社の運命をコンテナに賭けているように見え始めた。また、クラウドネイティブのアプリケーションはIT界における新たな「第一級市民」となった。
多くの企業ユーザーは、「Windows Server 2003」のサポート終了などに不安を覚えながらも、クラウド戦略を立て、そしてコンテナを完全に無視しながら、地道に歩んできた。それには、もっともな理由もある。それは、データセンターの物理/仮想インフラストラクチャに多大な投資をしている企業ユーザーは、コラボレーションプラットフォーム「Microsoft Exchange Server」などをさらに速く稼働させる方法を求めてはいないからだ。コンテナが解決するのは、ほとんどの企業が現在抱えていない問題である。
Microsoftが素晴らしいのは、今日の問題を解決しようとしていないことだ。将来の問題の解決に望ましいプラットフォームを目指していることは称賛に値する。WindowsコンテナやNano Serverなどのソリューションのサポートが追加されるからといって、昔ながらのやり方が終わるわけではない。Windowsシステム管理者はしばらく、「サーバーマネージャー」や、なじみのある「Microsoft管理コンソール」の「コンピューターの管理」のようなツールを使い続けることができるだろう。事実Windows Server 2016は、管理者と開発者が円満に共存することが可能だ。管理者はイベントログを確認してパッチを展開し、開発者は多数の一時的な小規模VMに対してコマンドを実行できる。
Microsoftが、今後リリースするWindows Serverのコア機能としてコンテナを積極的に売り込んでいることもあり、コンテナはいずれ企業で使用されるようになるだろう。だが今のところ少なくとも、一世代~三世代前のOSを使用しているユーザーにコンテナが普及すると考えるのは時期尚早だ。
ティム・ワーナー氏
LinuxやOSS扱った経験がないWindowsシステム管理者が、Dockerコンテナの概念に不安を覚えるのも無理はない。だが詳しく見てみれば、コンテナ化はアプリケーション仮想化と多くの点で似ている。
例えば、多くのWindowsシステム管理者は、個々のアプリケーション仮想化するためにMicrosoftの「Microsoft Application Virtualization」、Citrix Systemsの「Citrix XenApp」、VMwareの「VMware ThinApp」などのツールを使用している。
例えば全てのユーザーをWindows 10にアップグレードしたばかりの企業について考えてみよう。基幹業務のWebアプリケーションがMicrosoftの「Microsoft Edge」ブラウザで動かないという憂き目に遭う。だがここでアプリケーション仮想化を使用すれば、管理者はクライアントPCでMicrosoft Edgeと完全に互換性のないアプリケーションを使用しているユーザーに「Internet Explorer 8」の仮想化インスタンスを配布できる。
Dockerコンテナがあれば誰でも分離されたアプリケーションを素早く展開できる。Microsoftは、今後リリースされるWindows Server 2016にWindowsコンテナを含めることで、Dockerコンテナの概念をさらに広げようとしている。
Linuxベースのコンテナをほぼ独占的に使用しているのは、開発環境を素早く構築して解体する必要があるアプリケーション開発者だ。一方Windows Server 2016では、コンテナ化された(つまり分離された)Windows Server 2016インスタンスを素早くリリースするためにコンテナを使用できる。
Windows Serverのコンテナは、間違いなくHyper-VやVMwareのVMよりずっと軽量で機敏性が高い。Microsoftの未来の構想を知るためには、Nano Serverを見てみるとよい。Nano Serverは非常に軽量なWindows Serverのインストールオプションで、ディスクのフットプリントは650MB強しかない。つまり、可能な限り薄型のOS/ハイバーバイザー層を持ち、どれも等しくマイクロVMやコンテナを展開しているサーバがデータセンターでホストされるようになる。そんな未来をMicrosoftは描いているのだ。
Nano Serverオプションは特に興味深い。物理ホストを立ち上げて、Hyper-Vサーバとコンテナパッケージを含め、Nano Serverをインストールしたら、VMwareの「VMware ESXi」よりも薄型のハイパーバイザー層が誕生することになる。このNano ServerのHyper-Vホストはビジネスニーズに応じて、厚いVM層も薄型のWindows Serverコンテナも管理できる。
要するに、流れに乗り遅れたくないWindowsシステム管理者は既にWindows PowerShell、Dockerコンテナ化、DevOps方法論を習得するために努力しているように個人的には感じる。テクノロジーの進化は速く、あっという間に取り残されることになるからだ。
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