【連載】IT部門のためのアナリティクス入門 第1回
データ分析がビジネス課題の解決に生かせていない本当の理由(2/3 ページ)
「リアクティブ」と「プロアクティブ」
まず1つ目が、「リアクティブな意思決定」じゃ。ここで行われるのが、BIなどによる「見える化」じゃ。主に、定型/非定型レポート、OLAP、さらにはアラートや通知、ダッシュボードなど、一般的なBIツールが提供している機能がこれに該当する。データから、過去と現在の状況を可視化し、計画値との比較により現状と課題を把握し、対処するのが目的じゃ。これにより、起きたことを見て、どの商品、地域、業務プロセスに問題があるかなど、改善ポイントを把握し、PDCAを回すことができる。
最近では、「セルフサービス型」のBIが注目を集めておるな。セルフサービスBIの概念自体は、古くは「エンドユーザーコンピューティング」などとも称されてきたが、ここにきてBIツール自体の進化により、キーワードとして定着しつつある。企業が提供するサービス・商品が多様化し、また顧客も多様化する中、個々のサービスの立ち上げから終了までのスピードは革新的に速くなっている。そうした中でもはや、情報システム部門の「レポート開発」が追い付かなくなっていることも背景にある。
2つ目が、「プロアクティブな意思決定」。統計解析による網羅的で詳細な課題の深堀や、データマイニング/テキストマイニング/時系列予測/機械学習などによる「将来予測」、そして次に取るべき最適な行動を指示する「最適化」がこれじゃ。当然ながら、アドバンスドアナリティクスと呼ばれる高度な分析を行える環境が必要になってくる。
データから発見した傾向やパターンを数式化した「予測モデル」を使用して将来を予測することで、事実に基づいたより良い意思決定が可能となり、収益の最大化やコスト削減、リスクの最小化といったビジネス課題の解決を目的に活用されておる。
「起きたことに対して対処する」リアクティブな意思決定に対して、プロアクティブな意思決定は「将来何が起こりそうかを予測し、より企業の業績に貢献しそうなアクションを選択する」というわけですね。
データから事実を理解し、将来予測に基づきプロアクティブに最適な意思決定を行うことを「アナリティクス(Analytics)」と呼ぶ。「分析」を意味する「アナリシス(Analysis)」という英単語と似ているが、アナリティクスは単なる分析にはとどまらないことに注意するんじゃぞ。
アナリティクスを行うためにはデータから洞察を導き出すことが必要であり、今まで見てきたさまざまなデータ分析を行うわけじゃが、大事なのはより良い意思決定、つまり実際の行動に結び付け、ビジネス課題を解決することなんじゃ。
つまり、アナリティクスのスタートは「データ」ではなく、「ビジネス課題」であるというわけですね。
その通り。データ分析そのものを目的化してしまうと、「データ分析をしたのにビジネスに生かせない」という残念な状況に陥ったり、「データ分析の結果でどのように周囲を説得するか」というところにとどまってしまい、データやアナリティクスの価値を過小評価することになりかねないので気を付ける必要がある。
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IT部門のためのアナリティクス入門
ビッグデータアナリティクスのビジネス活用において、IT部門が果たす役割とは何か。アナリティクスの本質と必要なツールについて、分かりやすく解説します。
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