パフォーマンスはiPhoneシリーズで最高?
徹底レビュー:「iPhone SE」 “安くて小さいだけ”と思う人が見落とす、買うべき3つの理由とは(2/2 ページ)
カメラ
既に述べたように、iPhone SEの背面カメラは、iPhone 6sと同じ裏面照射型1200万画素イメージセンサーを搭載しており、iPhone 5sのイメージセンサーと比べると、大幅にグレードアップされている。
古いiPhone 4sやiPhone 5sから機種変更した場合、まず気が付くことの1つは、カメラのフォーカスが速くなり、すぐにスナップショットを撮れるようになっていることだろう。絞り値f/2.2のレンズと1200万画素のセンサーの組み合わせのおかげで、細部まで鮮明な写真を撮影できる。その写真のサイズは、トリミングしてもなおフルスクリーンディスプレイへの表示や印刷に耐えられるほど大きい。色彩の精密さもすばらしい。これには、Appleの「True Toneフラッシュ」機能がかなり大きな役割を果たしている。さまざまな色の光が複雑に混ざり合った環境で撮影しているのでない限り、正確なホワイトバランスで写真を撮ることができる。
iPhone SEで最高のカメラ機能といえるのは、ほぼ間違いなく30fpsの4Kビデオ撮影のサポートだろう。これが目玉機能である真の理由は、4Kビデオの撮影中に、800万画素(3840×2160ピクセル)の写真を撮影できるようになっているからだ。
確かに、800万画素のイメージ品質は、4Kビデオから得られるイメージとしてはノイズフリーとは言いがたく、1200万画素の静止画像ほど詳細でもない。しかし、一度しかない瞬間の静止画像とビデオを撮りたい場合、4Kビデオを撮影してそこから静止画像を取得できるのはうれしいはずだ。
当然ながら、iPhoneを使って4Kビデオを撮影しようと考えているなら、ストレージ容量が64GBのモデルを買う必要がある。16GBモデルの場合、何分もビデオを撮影する機会がきたとしても、そのときには容量がいっぱいだろうからだ。
iPhone SE正面のFaceTime HDカメラのイメージセンサーは、iPhone 6sの500万画素からグレードが下がっており、旧式の120万画素だ。とはいえ、720p HDのビデオ通話をするには全く十分な性能がある。また、120万画素は、FaceTimeカメラで髪形や化粧をチェックするのに十分な解像度といえる。ただ、この低解像度の正面カメラで細部まで鮮明な自撮り写真が撮れるとは思わないことだ。
ソフトウェアと機能
もちろん、ユーザーがiPhoneを購入する大きな理由の1つは、Appleの「iOS」の信頼性だろう。iPhone SEには「iOS 9.3」がインストールされている。iOS 9.3については、別の記事(徹底レビュー: iPhoneに“快適”という魔法を掛ける「iOS 9」、Appleの本気をまじまじと見る)で詳細にレビューしているので、そちらを参照されたい。iPhone SEはいずれのモデルにも、AppleのFaceTime、「Safari」「iCloud Drive」「Apple Watch」アプリなど、33のアプリがプリインストールされている。64GBモデルの場合はさらに、「iMovie」「Pages」「Keynote」「Numbers」「iTunes U」「GarageBand」「Apple Store」「Trailers(※)」「Remote」「Music Memos」がプリインストールされている。
※ Trailersは日本向けモデルではプリインストールされていない。
「App Store」でサードパーティーのアプリが豊富に提供されているメリット以外にiOSを選ぶ唯一最大のメリットは、ブロートウェア(使用頻度が低いわりにコンピュータリソースを圧迫するソフトウェア)が含まれていないことだ。多くのAndroidスマートフォンにはブロートウェアが含まれているが、iPhoneの場合は、通信事業者独自の不要なアプリがプリインストールされていても、ユーザーが簡単にアンインストールできる。
バッテリー
TechTargetでは、iPhone SEについて、iPhone 6sよりもバッテリー持続時間が短いのではないかという懸念を抱いていた。というのも、iPhone SEはiPhone 6sと同じプロセッサを使用しているが、バッテリーが物理的に小さく、合計容量が少ないからだ(iPhone SEが1624mAhであるのに対し、iPhone 6sは1810mAh)。
しかし、驚くべきことに、iPhone SEとiPhone 6sのバッテリー持続時間はほとんど同じである。iPhone SEはディスプレイが小さく、解像度も低いため、電力消費量が少ないからだろう。Primate Labsのバッテリー持続時間のベンチマーク「GeekBench 3」を実施したところ、iPhone SEのバッテリーは5時間32分持続した。これは、iPhone 6sの結果より約16分長いが、Samsungの昔の製品「Galaxy S6」の結果(6時間49分)と比べると、感動するほどでもない。
Appleによれば、iPhone SEに搭載されている取り外し不可のリチウムイオンバッテリーの持続時間は、3Gネットワークにつないだ状態の連続待ち受け時間が最大240時間、連続通話時間が最大14時間である。また、iPhoneをきれいな「iPod」として使っているだけの場合、最大50時間のオーディオ再生が可能だとしている。
結論
TechTargetでは最初、iPhone SEの実力をかなり疑っていた。確かに、小型のボディーに最新機能を詰め込んだ低価格のiPhoneを欲しがる人はいる。しかし、解像度の低いディスプレイや古臭い外装デザインは、高級品でありステータスシンボルとなる、プレミアムなスマートフォンとして、市場における地位を固めていたiPhoneの方向性に逆行するように見える。
本稿執筆時点における最新の四半期業績発表の場で、AppleのCEOティム・クック氏は、iPhone SEに想像を超える「圧倒的な需要」があり、製造が追い付かないと述べていた。実際、数年前にも新作iPhoneが供給不足に陥ったことがあった。品薄こそ、それがヒット製品であることの最高の指標といえよう。
iPhone SEの唯一最大の強みはコストが低いことだ。デザインと部品の合計コストの点だけでなく、高パフォーマンスなスマートフォンをストレージ1GB当たりのコストを抑えて実現している。
スマートフォンがあらゆる面で最高級の性能を持っていなくてもよいことが少なくない。iPhone SEは、パフォーマンスの高さとお手頃感は両立し得ることを証明している。
検討すべき3つの理由
- パフォーマンスが高い
- バッテリー持続時間が長い
- iPhoneとしては、1GB当たりの価格が最も安い
短所
- ディスプレイの見栄えが悪い
- iPhone 5Sと外観が同じ
- 音声通話品質にムラがある
- ストレージの選択肢は16GBの次が64GB。32GBモデルがない
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