パフォーマンスはiPhoneシリーズで最高?
徹底レビュー:「iPhone SE」 “安くて小さいだけ”と思う人が見落とす、買うべき3つの理由とは(1/2 ページ)
Appleから、ついにAndroid端末に直接競合する端末「iPhone SE」が発売された。小型で旧式iPhoneのような外見だが、機能強化も施されている。iPhone SEをお勧めする理由を紹介する。
2016年3月31日に発売されたAppleのスマートフォン「iPhone SE」は、可もなく不可もなく、少し懐かしい感じがする。とはいうものの、4万7800円(税別)で購入できるiPhone SEは、ここ3年間にリリースされたiPhoneシリーズのうちで最も重要な製品の1つといえる。新機能と低価格を完璧に兼ね備えて、ついに登場した魅力的な新型iPhoneは、アップグレードのタイミングをとっくに過ぎた旧型iPhoneを使い続けているユーザーにとっては垂ぜんものだろう。より端的に言えば、350ドル~500ドルで販売されているGoogle「Android」を搭載したスマートフォンと直接競合するiPhoneがついに登場したのだ。
iPhone SEは小型で、旧式のiPhoneのような外見をしているが、幾つかの秀逸な機能強化が施されている。次に買うスマートフォンとして、長いバッテリー持続時間、軽快なパフォーマンス、豊富なストレージ容量を兼ね備えた手頃な価格のものを探しているのなら、iPhone SEはその候補となるだろう。本稿ではiPhone SEをお勧めする3つの理由を紹介していく。
構造とデザイン
2013年発売の「iPhone 5s」と2016年発売のiPhone SEの違いをあれこれ探してしまっても無理はない。実際のところ、iPhone SEはコストを抑えるために、既存のiPhone 5sの筐体を利用して作られているのだ。はっきりとした違いは、用意されている外装のカラーバリエーションが異なる点だけ。iPhone SEのカラーは、シルバー、スペースグレイ、ゴールドの他に、従来のホワイトに代わってローズゴールドが加わった。
iPhone SEは「iPhone 5」やiPhone 5sと変わらず、アルミフレームが使われ、角は面取りされている。重さはiPhone SEが113グラムでiPhone 5/5sがほぼ同一の112グラム、寸法はいずれも123.8ミリ(高さ)×58.6ミリ(幅)×7.6ミリ(奥行き)である。
iPhone SEでもホームボタンが4インチディスプレイの下に用意されている。ホームボタンは統合指紋センサー機能を備えており、Appleの「Touch ID」を使用したパスワード認証とAppleの「Apple Pay」の両方に使用できる。iPhone SEの背面部分に関しては、メインの「iSight」カメラにちょっとしたアップグレードが施されている。搭載のイメージセンサーは1200万画素に、フラッシュは「True Tone」となり、30fpsの4Kビデオが撮影できるようになっている。
ディスプレイ
iPhone SEのディスプレイは、解像度1136×640ピクセルで、LEDバックライト搭載、マルチタッチ対応の4インチワイドスクリーンディスプレイだ。これは、専門用語では326ppiの「Retinaディスプレイ」と呼ばれている。しかし、視覚的なインパクトは、Samsung Electronicsの「Galaxy S7 edge」などに採用されている高解像度AMOLEDディスプレイには及ばない。
このディスプレイについては悪い面もあるが良い面もある。iPhone SEは小さいため、Galaxy S7 edgeよりも片手で操作しやすい。また、既に述べたように、解像度の低いRetinaディスプレイはコストがあまりかからない。それでも文字は鮮明だし、写真と動画はどちらも小さな画面できれいに表示される。さらに、タッチスクリーンの応答性は非常に高く、正確だ。
同梱物
iPhone SEには、標準的な5W USB電源アダプター、Lightning/USB変換ケーブル、イヤフォンが同梱されている。イヤフォンは、Appleの象徴であるEarPodsで、直列リモコンとマイクが付いている。箱には、それ以外に(iPhone SE本体を除いて)何も含まれていない。しかし、最低限のアクセサリーしか同梱しないというこれまでのAppleの実績を考えれば、驚くことではないだろう。
パフォーマンス
iPhone SEは“小型で安価な「iPhone 6s」”と言いたいところだが、これは正確な表現ではない。iPhone 6sと「iPhone 6s Plus」の方が高性能なAppleの「FaceTime」正面カメラを搭載しており、いずれも「3D Touch」に対応している。この2つは、iPhone SEにはない機能だ。また、標高を測る気圧計もiPhone SEには組み込まれていない。
とはいうものの、パフォーマンスそのものに関しては、iPhone SEはiPhone 6sと多くの類似点を持つ。いずれもAppleの64ビット「A9」プロセッサと、組み込み型「M9」モーションコプロセッサを持ち、システムRAMを2GB搭載している。A9プロセッサは1.84GHzで動作し、最新のLTEとWi-Fi標準をサポートしている。要するに、主力機種並みの処理速度を持ったスマートフォンが、手頃な価格で手に入るということなのだ。
iPhone SEに対してPrimate Labsのベンチマークテスト「GeekBench 3」を実施したところ、シングルコアのスコアは2539、マルチコアのスコアは4420だった。これらのスコアはiPhone 6sのスコアをわずかに上回っている。ただし、iPhone SEは最新のiOS 9アップデートを使用していたこと、画面解像度が低いためにGeekbenchのレンダリング関連のテストでの負荷が恐らく低かったことを差し引いて考えて欲しい。なお、iPhone SEのシングルコアスコアはGalaxy S7 edgeのシングルコアスコアを上回っていたが、マルチコアスコアはGalaxy S7 edgeには及ばなかった。
パフォーマンスに関して言及しておかなければならない不満が2つだけある。1つ目は、iPhone SEのエントリーモデルはストレージ容量が16GBしかなく、本稿執筆時点でストレージを32GBに増やすオプションが存在しないことだ。16GB以上のストレージが欲しい場合、64GBストレージモデルを購入しなければならない。32GBは最低容量と最高容量の間に必ず用意されて然るべき中間の容量といえる。それがラインアップされていないのは、Appleのあからさまな金もうけ策ではないだろうか。
2つ目は、iPhone SEの音声通話の品質が、iPhone 6s、iPhone 5、もっとさかのぼって「iPhone 4s」と比べて明らかに劣っていることだ。確かに、スマートフォンであまり音声通話を利用しないユーザーの割合は増加を続けている。しかし、デバイスの名前に“Phone”が含まれていれば、通話機能に期待するのではないだろうか。iPhone SEでは、スピーカーモードに設定しないと相手に声が届かないという問題が頻繁に発生した。これは、10年前のVerizonユーザーが「聞こえている?」と頻繁にたずねなければならなかったことを思い起こさせる。
端子、センサー、接続性
iPhoneシリーズは端子の数が非常に少ない。iPhone SEもその例外ではない。右側にあるのはnano-SIM用のスロットだけ。右上隅には、電源オン/オフ/スリープ/スリープ解除用の物理ボタンが1つ、左側には着信/サイレントスイッチと音量ボタンがある。
iPhone SEには幾つか、搭載されていない要素がある。大きなものは、最新のGoogleのAndroid OS搭載の主力スマートフォンには組み込まれている追加のセンサー類と、購入後に内蔵ストレージを拡張するためのmicroSDカードスロットだ。例えば、先述のGalaxy S7 edgeなどの背面パネルに組み込まれている心拍計はiPhone SEでは利用できない。また、内蔵ストレージ容量が64GBのiPhone SEモデルを購入しない場合は、16GBのストレージ容量をまたたく間に使い果たしてしまうだろう。
携帯電話/ワイヤレス接続オプションは、購入するiPhone SEのモデル(A1662またはA1723)によって異なるが、どちらのモデルも802.11a/b/g/n/ac Wi-Fi、Bluetooth 4.2、NFCをサポートしている。セルラーオプションは、LTE、TD-LTE、TD-SCDMA、CDMA EV-DO、UMTS/HSPA+/DC-HSDPA、GSM/EDGEなど、多岐にわたる。
位置情報サービスは、GPS、GLONASS、デジタルコンパス、Wi-Fi、携帯電話通信、Appleの「iBeacon」マイクロロケーションがサポートされている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー