AWSに対して存在感を増すライバルたち
Appleの「iCloud」がGoogleクラウドを選んだ理由(2/2 ページ)
トップに君臨するAWSと地位を高めるライバル
MicrosoftとGoogleは、AWSに対する2大挑戦者として位置付けられている。だが、IBMは大規模な投資を継続し、このAWSのライバル2社に追従し、変化する顧客の需要にも応えている。IBMは同社の「IBM SoftLayer」を利用してサービスの強化を続けている。その一方で、クラウドアプリケーションやコンサルティング会社の買収を継続することで、顧客のニーズも満たしている。直近の買収は2016年3月のBluewolfだ。
クラウド市場の勢力図は、独自のクラウドサービスを提供している企業が参入することでも変化している。その最たる例が、2015年に「Predix」クラウドプラットフォームをリリースしたGEだ。GEは、「インダストリアルIoT」(IIoT)向けのクラウドサービスをリードするプロバイダーとなるべく、Predixを開発している。それと同時に、同社の内部データセンターの管理もAWSへと移行している。GEの最高情報責任者(CIO)を務めるジム・ファウラー氏は次のように述べている。「弊社は34あるデータセンターを4つまで削減し、機密度の高いデータをAWSに移行する予定だ」
また、Appleは同社の「iCloud」ストレージサービスの一部をGoogleのGCPに移行することを決定している。このことも、Appleのサービスの大部分を保有していたAWSにとって大きな打撃になると思われる。だが、AppleがAWSからの移行を決めた原動力には、他に2つの要因があるようだ。まず、同社は過度にAWSに依存することを避けようとしている。エンターテインメントの分野では、図らずもAmazon.comがAppleの大きなライバルになっている。もう1つは、Appleが独自のクラウドサービス配信システムを構築する中で、AWSとGoogleがどのようにクラウドシステムを配信しているかを学び、同社のシステムと手順にベストプラクティスを組み込むことができるからだ。
クラウド市場が成熟するにつれ、競争の激化は避けられない。AWSの成長率は大数の法則によって低下しているかもしれない。だが、2014年に2億4000万ドルだった利益は2015年には6億8700万ドルと、およそ3倍になっている。また、ライバルの成長にかかわらず、価格の引き下げや高額な資本投入を継続している。この状況を考えれば、AWSがライバルに抜かれるのは当分先のことだろう。
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