堅牢なインフラを設計するために
フラッシュメモリでIoT分析がやっぱり正解な理由
IoT(モノのインターネット)に寄せられる高い期待に応えるため、クラウドベースの各種サービスが成熟化しつつある。だが、新たな課題も生まれている。
IoT(モノのインターネット)には、相互に関連するコンピューティングデバイスや機械、モノ、動物、人に関する大量のデータの収集および分析を通じて、産業変革を進めるとの期待が寄せられている。この壮大なシナリオの実現に向けて、クラウドベースの各種サービスが成熟化を始め、果たしてIoTはクラウドで開花できるのかという懐疑的な見方を払拭しつつある。
クラウドはIoTにとって土台となるべきものだ。クラウドサービス事業者には、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)の革新的なソリューションを推進できるようIoTの運用環境を整え、IoTデータの保存と分析、セキュリティのための場を提供することが求められている。
今日のクラウドアーキテクトは、新たな課題に直面している。稼働中のIoTの持続的処理や帯域幅およびストレージ要件に耐えられるような、堅牢なインフラを設計するという課題だ。そのためには、効率的で信頼性の高い結果を大規模に提供するエンドツーエンドの包括的なソリューションが必要となる。
IoTにはなぜフラッシュストレージが必要か
そこで、フラッシュストレージの出番だ。フラッシュメモリは現在、IoTのさまざまなタッチポイントに採用されている。エッジにフラッシュを採用しなければ、モバイルデバイスやその他各種のIoTエンドポイントは今のような計算性能を達成することもできなければ、アナリティクスに必要となるデータ量を保存することもできないだろう。だが、フラッシュの影響はこれだけにとどまらない。フラッシュは、アナログデジタル変換を実行するエッジのデータ処理拠点にも配備される。クラウドインフラをサポートする集中型データセンターにおいても、フラッシュは極めて重要な存在だ。
フラッシュメモリがクラウドベースの新しいアプリケーションをけん引している状況について、最近ある報告書が公開された。この報告書において、調査会社IDCはフラッシュメモリ大手SanDiskと共同でIoTエコシステムの複雑さを論じ、「とりわけこうした計算およびデータ処理集約型システムは大量データの保存と分析をサポートしなければならない」と指摘している。さらに報告書は「ライフサイクルの長期化、温度変化、現場でのプログラミング性」などの点から、IoTエンドポイントにフラッシュメモリを採用する重要性を説いている。最大限の価値を提供するためには、フラッシュメモリは「産業グレードで信頼性が高くセキュアで、なおかつ最大限の耐久性を備え、IoTデバイスとプロセスに対する迅速な洞察と制御を提供できなければならない」という。
IoTデータのアナリティクスには、中央集中型のデータセンターインフラが必要となる。すなわち、永続データ用のNoSQLデータベース、データレイク内のIoTアーカイブデータ、イベントストリーム処理だ。こうしたインフラは、クラスタベースの分散型アプリケーションアーキテクチャで構成し、計算リソースとストレージリソースのスケーリングは別々に行う必要があるかもしれない。クラウドサービス事業者は、IoTサービスに分散型ラックのアプローチを採用することで、CAPEX(設備投資コスト)と、OPEX(設備維持コスト)の効率化を図れる。
フラッシュは、こうしたデータセンターのパフォーマンス階層に最適な選択肢とされている。IoTが生成する膨大なデータに対するアナリティクスの提供に役立つからだ。フラッシュストレージは、データレイク内のヒストリカルなIoTアーカイブデータに加え、NoSQLデータベースの永続ストアで大量に同時発生する小さなファイルの読み取りにも必要だ。フラッシュストレージを使えば、クラウドベースのIoTサービスを大きな規模で実行しながら、Hadoopによるタイムリーなバッチ処理を行い、なおかつNoSQLの読み取りおよび書き込みI/Oの性能要件を満たすことができる。
今後の展開
IoTの分野は間違いなく、向こう数年でますます活発化していくだろう。IDCは、2015年の“第3のプラットフォーム”に関する報告書において、「2020年までに20万種類の新しいIoTアプリケーションおよびサービスが開発され、IoTデバイスは約300億台に達する」と予測している。今後ますます多くのモノがオンラインに接続するようになる中、企業は新しいサービスモデルを十分に活用してリアルタイムの顧客洞察から恩恵を受けるための独自の方法を模索し続けることになるだろう。
この先、データをデータ収集ポイントの近くに置く必要性から、場合によっては、ストレージとアナリティクスがエッジデバイスに移動することもあるだろう。だが、IoTアプリケーションの複雑化に伴い、クラウドサービス事業者にとっては今後もより深い分析と計算が有意義な課題となりそうだ。
クラウドアーキテクトにとって、既にゲームは進行している。この競争の激しい急成長中の市場において今後も競争力を維持したければ、企業はクラウドインフラを活用して“記述的で予測的で処方的なIoTアナリティクス”を実現する能力を顧客に提供する必要があるだろう。さもなければ、競争の最前線から脱落することになりかねない。
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