拡大するサーバ内蔵SSD
HDDをSSDに置き換えない理由はない――“速くて安い”で急速に普及(1/3 ページ)
サーバ内蔵SSDの時代が来ている。多くの場合、SSDの導入によってサーバの新規購入が抑制できるため、SSDの購入費用は回収できる。サーバのストレージをHDDからSSDに移行しない理由はもうない。
2016年には、サーバ分野でもHDDの出番がなくなっていきそうだ。
SSD(ソリッドステートドライブ)が飛躍の時を迎えているからだ。従来の回転式HDDと比べて、SSDはレイテンシがはるかに低く、IOPS(1秒当たりのI/O)が1000倍に達し、スループットも3~5倍に上る。価格競争力も同等以上になっていることから、サーバ内蔵SSDは早ければ2016年にも、内蔵ストレージとしてHDDに急速に取って代わる可能性がある。
内蔵ストレージとしてSSDを採用したサーバの方が、HDDを搭載するサーバよりも高速に(多くの場合、はるかに高速に)動作するのは疑いの余地がない。これは、同じワークロードをより少ないサーバでこなすことができ、大幅にコストを抑えられるということだ。また、SSDの搭載によって既存サーバを高速化し、耐用年数を伸ばすこともできる。だが、HDDを全てSSDに切り替える必要はない。階層化ソフトウェアによって、アクセス頻度の低いデータをSSDからHDDに移動できるからだ。実際、SSDを2~4基だけ追加し、HDDをバルクストレージ(テープを使用した大容量ストレージシステム)に転換した場合でも、HDDだけで構成されていた元のストレージを上回るパフォーマンスが得られる。
SSDのメリットは、費用の節約とパフォーマンスの向上だけではない。以前は非常に困難だったが、SSDでは簡単にできるタスクもある。例えば、動画を編集しながら高速にスキャンするには、レイテンシが十分に低い高速な大規模RAIDアレイ(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)が必要だった。今では、SSDを搭載するワークステーションでこのタスクに対応できる。データベース検索も、SSDでは極めて高速に実行できる(ただし、このタスクで究極のパフォーマンスが得られるのは、インメモリのアプローチだ)。金融分野でも、SSDを使ってアクセスのレイテンシを大きく短縮できる。トランザクションコストは1秒当たりでも膨大な金額となるため、SSDに掛かる費用は短期間で回収できることになる。
サーバ内蔵SSDはクラウドにも恩恵を与える。クラウドコンピューティングでは当初から、レイテンシとストレージインフラのI/Oレートが課題となっていた。現在では、クラウド初期のステートレスサーバに代わって、リソースを大量に使用するアプリケーションが幅を利かせている。これらのアプリケーションはGPU(Graphical Processing Unit)と大量のメモリを利用し、仮想サーバ内のローカルドライブにデータを格納している。メガクラウドでは、大規模なワークロードをサポートするためにHDDが試されてきたが、SSDは格段に高いI/Oレートを実現できる。
サーバフラッシュに賭ける
このことは平均的なデータセンターにとって何を意味するのだろうか。以前からAmazon Web Services(AWS)やGoogleのようなメガクラウドサービスプロバイダーは、従来のサーバベンダーを切り、Super Micro Computer(Supermicro)、Lenovo、Mitac International、QuantaのようなODM(Original Design Manufacturer:製品の設計から生産までを行う企業)から製品を直接購入している。2016年には、一般企業のデータセンター管理者も追随し始めるだろう。
ODMは従来の大手ベンダーとは異なり、特別なインタフェースやドライバで独自性を打ち出すのではなく、自社のシステムにノーブランドのSSDを搭載できるようにしている。TB単価が300ドルクラスのSSDは、例えば、Dellが700ドルで販売するSAS(Serial Attached SCSI)対応の1TBドライブと比べて優位にある(Dellが960GBのSSDを533ドルで販売していることも注目に値する。これは、SSDが同等容量のエンタープライズHDDよりも安い場合があるということだ)。
この価格比較は、「SSDはHDDよりも高価」という長年の通説に疑問を投げ掛ける。この通説は事実だが、それはアレイベンダーが設定している価格にのみ当てはまる事実だ。アレイベンダーの製品では、SSDは当該のアレイでのみ機能するように手を加えられている。同じ(ただしノーブランドの)製品をインターネットで購入すれば、価格の高低は逆転する。
SSDに関するもう1つの通説は、「フラッシュは寿命が短い」というものだ。現在、フラッシュドライブは通常、5年間酷使すると寿命を迎える。当初のMLC(Multi Level Cell)フラッシュは、ライトな使い方で寿命が4年だったのと比べると、大きく改善されている。サーバの更新サイクルを36カ月と想定すると、ほとんどのフラッシュ製品は、システム全体の予想寿命よりもかなりゆとりをもって使えることになる。サーバのプライマリストレージをSSDに切り替えない理由はますますなくなっている。
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