拡大するサーバ内蔵SSD
HDDをSSDに置き換えない理由はない――“速くて安い”で急速に普及(3/3 ページ)
フラッシュドライブはどこへ向かうのか
HDDの分野は2つに分かれている。SAS接続のエンタープライズドライブと、SATA(Serial ATA)接続で大容量のコンシューマーモデルだ。SSDの分野では、エンタープライズドライブの考え方はあまり明確に定義されていない。デュアルインタフェースポートを持つSAS SSDは、サーバ向けではほとんど価値が認められていない。エンタープライズ環境ではサーバは仮想化され、障害回復は、別のサーバで新しいインスタンスを起動することで実現されるからだ。
サーバ内蔵SSDは今後、2つの陣営に分かれると予想される。PCIe(PCI Express)インタフェースを備え、極めて負荷の高いタスクに適用されるNVMe(NVM Express)ドライブと、それ以外のタスク向けのSATAドライブだ。実のところ、SATA-Expressインタフェースによって、両タイプのドライブは同じコネクタ経由でホストと通信できる。その場合、SATAドライブはエンタープライズドライブとは限らなくなっている。今では、一部の例外を除いて、全てのSSDがサーバで必要な機能を搭載しているからだ。その中には、スーパーキャップバックアップ機能(書き込みキャッシュが停電時にフラッシュメモリにフラッシュされる)、高い書き込み耐久性、優れた内部エラー修正機能などが含まれる。
SSDの価格は全体的に、新しい技術の普及とともに低下を続けそうだ。3次元(3D)NANDフラッシュについて見ると、チップを多層化できるこの技術は、完成度が上がるにつれて値下がりが進む見通しだ。業界では、大容量ストレージ向けの4ビット/セルQLC(Quadruple Level Cell)フラッシュもリリースが近づいている。この製品は2017年にはTバイト当たり30ドルクラスの価格で販売されると予想される
SSD業界にインパクトを与えそうなもう1つの大きな変化として、最大容量のHDDをも上回る容量のSSDの登場が挙げられる。HDDベンダーは物理学の限界に直面している。ヘリウム充填HDDやシングル磁気記録(SMR:Shingled Magnetic Recording)によって10TBドライブが実現されたが、さらに大容量化するためには、熱アシスト磁気記録(HAMR:Heat Assisted Magnetic Recording)か、あるいはビットごとにピットが分離されたプリフォーマットディスクが必要になる。熱アシスト磁気記録は、レーザー光による加熱で磁気メディアの記録層の保磁力を瞬間的に弱めて、磁気記録する仕組みだ。この2つの技術が製品化されるのは、いずれも数年後になる見通しだ。一方、既に16TBのSSDが発表されており、2020年には、SSDの容量は30TBに達することが期待できる。
もう1つ注目されるのが、IntelとMicronが2016年に予定する「3D XPoint」メモリのリリースだ。このタイプのメモリは、極めて高速なストレージを要求するアプリケーションでNVMeフラッシュに対抗することになる。だが、3D XPointメモリが真価を発揮するには、サーバとシステムソフトウェアの変更が必要になる。このため、このメモリの普及が進むのは2017年以降だろう。
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