200GバイトのmicroSDXCカードも登場
HDDよさらば システムが「SSD一色」になる日は近い
HDDの先行きは日ごとに厳しくなっている。SSDストレージが高密度化し、RAIDアルゴリズムが時代遅れになり、高速な相互接続によってフラッシュの優位性が高まっていることが要因だ。
最近の調査によると、従来のHDDにもいくらかの進展は見られるものの、SSDストレージの人気・密度・信頼性は右肩上がりであるという。
2010年代の前半に開催されたカンファレンスで、あるストレージベンダーのローミングビデオチームから、HDDの将来をどのように考えているかという質問を受けた。「データセンターはフラッシュ一色になるだろう」とHDDに未来がないことを伝えると、ショックを受けているようだった。これは当然の反応だろう。
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その理由は実に明白だ。ストレージはコンピュータにとって足かせだった。米Intelの最新CPU「Intel E5-2699 v3」は2.3GHzで動作するコアを18基搭載している。つまり、1秒間に414億回のクロックサイクルで動作する。だが、CPUで処理する対象がなくなって、ストレージからデータを読み込む必要がある場合や安全のためにストレージにデータを書き込む必要がある場合には、どのようなことが起こるだろうか。RAMへのアクセス速度は100ナノ秒と比較的高速だが、従来のHDDの読み込みには20ミリ秒を要する。これはRAMと比較した場合には桁違いの時間だ。CPUの処理が停止してHDDへのアクセスを待つ間に8億2800万回のクロックサイクルを無駄にすることになる。
ソリッドステートドライブ(SSD)ではアクセス時間が1ミリ秒まで短縮される。つまり、無駄になるのは4100万回のクロックサイクルだけだ。このパフォーマンスの差はアプリケーションとユーザーにとって無視できない。そして、この無駄をさらに削減する動きもある。RAIDコントローラー、待機アルゴリズム、キャッシュ機構は、いずれもその役割を終えようとしている。具体的には、データセンターへのSSD導入が加速していることが原因で、これらは完全な見直し対象となっている。
ドライブの規模を考慮すると、RAIDアルゴリズムは回復不能な読み取りエラーに対する保護対策にはならなくなっている。またSSDは非常に高速なので、RAIDの裏で計算処理を行いボトルネックを避けるには高性能なCPUが必要になる。さらにRAIDを用いると価格と複雑さが増す。そのためほとんどのストレージベンダーはRAIDを利用しなくなっているのが実情だ。代わりに、各ブロックのコピーを複数保存してイレージャーコーディングのような新しい手法を利用するようになっている。
磁気ディスクよ、さようなら
RAIDを放棄するというのなら、SCSIプロトコルは必要なのだろうか。ハードウェアベンダーはSCSIプロトコルが必要だとは考えていない。これは、ハードウェアベンダーがこの数年間、PCIe直結型のフラッシュドライブを提供してきていることから見て取れる。例えば米Dellは、2Uサーバにホットプラグ可能な1.6TバイトのPCIeフラッシュモジュールを4台搭載している。また、5Tバイト以上のPCIeフラッシュカードも実装可能だ。PCIeと言えば、RAIDとSCSIは、IntelのOptical PCIeのようなテクノロジーでは最適なプロトコルにはならない。Optical PCIeは、データセンター全体でPCI Expressバスを拡張し、100Gbps以上でデータを伝送することで、「丸ごとフラッシュ」化したストレージアレイを実現する。
ストレージ密度は、HDDが依然として優位性を保持していた点の1つだった。だが、最近では、6Tバイト、8Tバイト、10TバイトのドライブがSSD市場で利用できるようになっている。また、米SanDiskが200GバイトのmicroSDXCカードを発表し、ストレージ密度においてHDDをトップの座から引きずり下ろした。microSDXCの規格は、縦15ミリ×横11ミリ×厚さ1ミリで、その大きさは爪の先ほどだ。従来の3.5インチHDDの体積は、microSDXCカードの2200倍以上だ。つまり、容量という観点では、1つのドライブベイに450TバイトのSSDを設置できることになる。データセンターの2Uサーバに5.4Pバイトのフラッシュが内蔵されていることを想像してほしい。
筆者の頭の中では諸経費については説明できていない。またSanDiskのmicroSDXCカードは一般消費者向けの製品だ。だが、企業向けの製品が登場する日はそう遠くないだろう。自動階層化によって、データセンターではSSDの採用が進んでいる。その結果、書き込み性能の高いフラッシュで書き込みの大部分に対応し、読み取りに最適化された安価なフラッシュで大容量ストレージを実現することが可能になっている。オールフラッシュアレイの重複排除と圧縮によって、使用率は押し上げられる。目指すのは、5Pバイトを内蔵した2Uサーバ筐体で標準的な4対1の重複排除率を実現することだ。
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