「SAS/SATA接続型SSD」など3種の利点と課題を整理
SSDで“爆速サーバ”誕生? サーバを速くする「フラッシュストレージ」3選
サーバで利用できるフラッシュストレージが充実してきた。本稿では、現在利用できる種サーバ向けフラッシュストレージを3種取り上げ、その長所と短所を解説する。
アプリケーションサーバにフラッシュストレージを組み込んでパフォーマンスの向上を図る決断をするのは比較的簡単だ。だが導入するフラッシュストレージの種類を選ぶ作業は、そこまで簡単ではない。主なフラッシュストレージの種類は3つで、それぞれ長所が異なる。
本稿では、「Serial Attached SCSI(SAS)/Serial ATA(SATA)接続型ソリッドステートドライブ(SSD)」「PCIeフラッシュカード」「メモリバスフラッシュ」について解説する。それぞれに最適な用途も紹介しよう。
SAS/SATA接続型SSD
SAS接続型SSDとSATA接続型SSDは、USBメモリの次に誕生したフラッシュストレージだ。最初のうちはフォームファクター(規格や形状)が同じであるHDDの代替として使用され、取り付け先はサーバとストレージアレイだった。現在、数百Gバイトから1Tバイト以上とさまざまなサイズがあるものの、大容量のエンタープライズSSDでは800Gバイトが主流になっているようだ。
SATA接続型SSDは、最も簡単に取り付けることができるフラッシュストレージである。必要な作業は、ディスクを取り付ける既存のドライブベイに差し込むだけだ。
もう1つの大きな長所は、1Gバイト当たりの価格の安さだろう。SATA接続型SSDの用途は、サーバ/クライアントPCの起動ドライブ、簡単に実装できるシングルサーバのキャッシュ/階層化システムなどだ。ただし、SATAのスロットに空きがあることが使用条件となる。
PCIeフラッシュカード
高性能なフラッシュストレージ製品で一般的になっているのは、PCI Express(PCIe)カードにフラッシュメモリを搭載したPCIeフラッシュカードだ。その理由は、SAS/SATAインタフェースよりも高速なPCIeバスを利用できるからである。PCIeカードはハーフサイズとフルサイズがある。容量は数百Gバイトから数Tバイトまでと幅がある。
PCIeフラッシュカードはキャッシュソフトウェアが利用できる。また、特定のアプリケーションのパフォーマンス、効率、統合を向上するための高度なフラッシュコントローラーも利用可能だ。これらは、高性能、大容量という特性を備えた理想的なシステムの実現に貢献している。
欠点もある。PCIeフラッシュカードはSASやSATAなどストレージの標準規格に基づいたものではなく、ドライバーが必要になることが多い。多くの用途でホットスワップが可能なSATA接続型SSDと比べると、取り付けとドライブの入れ替えも複雑だ。またPCIeスロットが必要になるものの、小型のPCIカード規格である「ロープロファイルPCI」採用のサーバにはPCIeスロットがない可能性がある。さらに、SATA接続型SSDよりも高額だ。
メモリバスフラッシュ
3種類目のエンタープライズサーバ向けフラッシュストレージは、一般的なメモリモジュール規格であるDIMM(Dual Inline Memory Module)スロットに差し込むメモリバスフラッシュだ。
メモリバスフラッシュの最も一般的な用途は起動ドライブである。加えて、より多くのフラッシュストレージ容量が必要であり、かつPCIeスロットやSATAドライブの空きスロットがない場合に使用されることもある。
米Viking Technologyが数年前にリリースした製品では、電源にDDR3メモリスロットを使用していたものの、メモリバス経由では接続していなかった。代わりにケーブルを使用して、マザーボードの空いているSATAヘッダに接続していた。
一方、最新のメモリバスフラッシュはメモリバスを使用している。そのため、全てのフラッシュストレージの中で待ち時間は最も短い。ホストのドライバーとオンボードのASICにより、CPUはメモリ領域との間でデータをやりとりし、ガベージコレクションといったフラッシュストレージ固有のタスクを管理できる。
カナダDiablo Technologiesは、このテクノロジーを「Memory Channel Storage」(MCS)と呼んでいる。開発は、米SanDiskなどとパートナー契約を結んで行っている。MCSにより、フラッシュストレージがシステムメモリとして利用できる。フラッシュストレージはダイナミックRAM(DRAM)と比較するとかなり安い。
多くのサーバにはDDR3メモリスロットに複数の空きがある現状を踏まえると、MCSはサーバのメモリ容量をTバイト規模に増やす可能性を秘めている。Tバイト規模のメモリが実現すれば、さらに大規模なインメモリデータベースアプリケーションも夢ではない。
PCIeフラッシュカードやSAS/SATA接続型SSDと同じく、MCSが別のストレージ領域のように見えるようにするドライバーも別途用意する。このドライバーを使用すると、キャッシュソフトウェアや階層化ソフトウェアなどでMCSを利用できるようになる。
DDR3メモリスロットを使用する大きなメリットは、SATA/PCIeスロットに空きがないサーバでもフラッシュストレージを拡張できることだ。また、ドライブスロットを使用しない起動ドライブを提供できるというメリットもある。現在利用可能なメモリバスフラッシュの最大容量は、1モジュール当たり480Gバイトだ。
サーバ向けフラッシュストレージは、さまざまな用途で使用されるようになっている。例えば、起動ドライブやシステムのメモリ拡張だ。フォームファクタや接続方法は複数ある。そのため、システムの制限事項と用途のニーズに最適な方法を選ぶことができる。
待ち時間の短さ、価格の安さ、取り付けの簡単さ、機能の高度さ(例えば、オンボードキャッシュ、階層化、アプリケーション認識)など、さまざまなニーズがあるだろう。市場には、ほとんどのパフォーマンス要件に応えるフラッシュストレージが出回っている。最後に主要なサーバ向けフラッシュストレージの長所をまとめた。
- SAS/SATA接続型SSD:最も簡単に実装できて、1Gバイト当たりの価格が最も安い
- PCIeフラッシュカード:SAS/SATA SSDよりもパフォーマンスが高い。通信速度が速く、複数のオンボードCPUと高度な使用事例をサポートできる
- メモリバスフラッシュ:最もパフォーマンスが高く、サーバのメモリ補強という可能性を秘めている
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