監視するだけがIoTではない
期待のIoT(モノのインターネット)が思ったほど急速に普及しない理由
センサーやインターネット接続デバイスは一部の業界では、何年も前から活用されている。今まで、IoTはどのような活用され、今後どのように広がるのだろうか。
「IoT(モノのインターネット)」デバイスは重要な情報を収集し共有するための絶好の機会を提供する。難しいのは、そうしたデータをいかに有効活用するかだ。
米調査会社Sepharim Researchの最高研究責任者ボブ・イーガン氏によれば、「どんな難題があろうと、IoTの価値はそれを大きく上回る」という。実際、エネルギーや輸送、通信などの業界では既にIoTデバイスが具体的なメリットをもたらしている。
IoTのユースケースや解決すべき問題、企業のIT管理者にもたらす影響などについて、イーガン氏に話を聞いた。
――昨今のモバイル化についてどうお考えですか。
イーガン氏 ユーザーと同じくらいに機敏なインフラストラクチャを基盤としたソリューションを提供することが重要となります。
――IoTは新しい概念なのでしょうか。
イーガン氏 全く違います。センサーは長年、多くの工業用途で使われています。IoTの可能性を狭めるのは過剰な宣伝ではなく私たちの想像力です。アイデア次第で可能性はいくらでも広がります。
――既にIoTデバイスを活用しているのはどのような企業ですか。
イーガン氏 エネルギー分野では、パイプライン圧力や酸化/腐食レベルなどの遠隔監視にセンサーが使われています。電気通信分野では、電力測定にセンサーが使われ、輸送業界では、荷物の追跡から車両の追跡まであらゆる用途に遠隔監視が使われています。
例えば、トラックが州をまたいで走行する場合、課金額を算出するためにデータを収集する必要があります。有料道路の料金所を米国版ETCの「E-ZPass」を使って通過するのも1つの例です。地方自治体や州政府はそうしたデータから交通パターンを把握できます。
IoTはデータを監視して終わり、というわけではありません。センサーとしてさまざまな状況を把握するのも重要ですが、人々が判断を下し、行動に移す手助けとなるように、分析のためのシステムを構築する必要があります。
――IoTの広範な採用を妨げる最大の障害は何でしょうか。
イーガン氏 IoT分野では目下、標準化団体や企業による標準規格策定の取り組みよりも、さまざまな企業による市場争奪戦が活発に繰り広げられています。関係者間の合意に基づく標準規格を策定することは、極めて重要なことです。標準規格がなければ、相互運用性の問題が生じ、成長を遂げることはできなくなります。
――IoTデバイスの理想的なユースケースはどのようなものですか。
イーガン氏 この先、ヘルスケアやスマートシティーなどの分野では、非常に魅力的なユースケースが確立されるでしょう。消費者分野では、より効率的な家庭用エネルギー管理システム(HEMS)が巨大市場を形成するはずです。産業界では、IoT技術をより低いコストで広く活用できるようになるでしょう。
――IoTは企業のIT担当者にどのような影響をもたらすでしょうか。
イーガン氏 インフラを流れるデータが急増することになります。そうしたデータを保管し、分析する必要があります。ビッグデータを小さなデータに変換し、何かしらのアクションにつなげなければ、ビッグデータ自体に価値はありません。消費者の行動を理解や観察し、収益につなげ、従業員の生産性を高めるためのインフラを構築しなければ、企業は時代を勝ち抜くことはできないでしょう。
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