キーワードはIoTやセキュリティだけじゃない
2016年市場予測、スマートフォンは「コンパニオン」になる?
5人の業界専門家は予想する。モノのインターネット(IoT)、モバイルアプリのセキュリティ、そして、そこそこ便利で快適な「黒子のようなコンピューティング」が2016年のコンピュータ業界のキーワードになる、と。
2015年は、エンタープライズアプリケーションのモバイル対応と包括的管理戦略の構築に注目が集まった。そして、幾つか有望なデバイスの開発と大型の企業買収があった。
では、間もなくやってくる2016年は、果たして何が話題となるだろうか。モノのインターネット(IoT)デバイスは普及するのか。モバイルセキュリティ関連の事件は増加するだろうか。業界専門家たちに意見を聞いた。
Sepharim Researchチーフリサーチ担当役員、ボブ・イーガン氏のコメント
最も注目されるのは、モバイルセキュリティに関する全てだろう。最新のデスクトップは、実際にはデスクトップではなく、その瞬間にふさわしい体験だ。多くの企業にとって起こりそうな動きの1つは、デバイスの安全性を図るのではなく、むしろ情報の安全性を実現するアーキテクチャの強化である。
2016年、われわれは仕事のための、あるいは何かを行うためのアプリケーションに強くフォーカスする時代に入る。従業員の健康増進や維持のためのものにせよ、病院のトリアージや治療、リハビリテーションを支援するためのものにせよ、それらはIoTに強く結びついているだろう。
J. Gold Associates主席アナリスト、ジャック・ゴールド氏のコメント
「アプリケーションは何か、ユーザーにどう届けるか?」という問いは変わっていくだろう。これまでも企業はモバイルアプリを作ってきた。開発に半年から1年をかけ、繰り返される作業に膨大な時間と労力を費やしてきた。そして開発者不足から、実際に開発に着手するためのリソースをなかなか確保できないのが現状だ。今後は迅速かつ安価に導入でき、限られたリソースで効率的に開発できる、そこそこのレベルのアプリケーションに注目が集まるだろう。
今は誰もがIoTを話題にする。モノは来つつある。そのとき、その扱い方を知らない企業は市場から敗退するだろう。
TECHnalysis Research社長、ボブ・オドネル氏のコメント
われわれは“コンパニオンアプリ”の台頭を見ることになるだろう。コンパニオンアプリは従来のデスクトップアプリケーションでできる全てを取り込んだものでもなければ、複製でもない。人々はこれまで、必要に応じてデスクトップアプリをモバイルへ単純に移行させてきた。しかし、モバイルが唯一の選択肢ではなく、幾つかあるオプションの1つにすぎないという前提に立てば、もっと意味のあるアプリケーションの構築が可能になるだろう。なぜなら、データ入力やデータ収集、遠隔作業など、適切な領域だけをモバイル化するといったことも考えられるからだ。
Core Competence社長、リサ・ファイファー氏のコメント
全世界が「Windows」というモノカルチャー(単一文化)の時代へ入り、大規模かつ緻密な手口で一斉攻撃を仕掛けることが可能となったため、サイバー犯罪が日常茶飯事になった。最近、スマートフォンに限らず、固定およびモバイルでインターネット接続された“モノ”へ「Android」の導入が進んでいる。このトレンドによって、IT部門の目の及ばないところや管理不可能なデバイスにおいて、攻撃を受ける面の拡大や一様性の広がりが懸念される。IoTデバイスに欠陥や脆弱性が見つかったとき、それらを修正することは非常に困難であるからだ。被害を食い止めるために脆弱なデバイスを大量にオフラインにすることも大変なコストが掛かり、事実上不可能だろう。
Palador社長、ベンジャミン・ロビンズ氏のコメント
(2大トレンドは)“モビリティ・アズ・ア・プライマリコンピュートプラットフォーム”(主要コンピュータ基盤としてのモバイル対応)と“デバイスのバックグラウンド化”だ。ワークライフバランスというよりも、むしろワークライフ統合化の概念といえる。それがバックグラウンド化の意味するところだ。デバイスはあらゆる場所で統合化される。クルマに乗り込んで何かを起動し、オフィスに入って別のタスクを立ち上げ、会議室に移動してさらに仕事を続ける。別の言い方をすれば、快適なコンピューティングというところだろうか。モバイルで快適に、いつも通り物事が進んでいく。もはやそれは驚くことではない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[ネットアップ合同会社] 金融庁ガイドラインから読み解く、「次世代データレジリエンス」の在り方 -
製品資料
[ネットアップ合同会社] 製造DXでデータ活用ニーズが拡大 分散データ活用とAI活用をどう実践する? -
製品レビュー
[ネットアップ合同会社] AIで使いたいデータが内外に点在、研究におけるAI活用を阻む“真の課題”とは -
製品資料
[株式会社kickflow] 稟議・承認作業の「脱オンプレ・脱Excel・ペーパーレス化」を一気に進める方法 -
製品レビュー
[株式会社kickflow] ワークフローシステムのクラウド化 “みんなが不幸になる”事態を避けるには?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ人はいるのにDXが進まない? ライオンも直面した“老害”レガシーシステム
-
2
「エージェントを作るな、スキルを作れ?」 Anthropicが提唱するAI運用の勘所
-
3
障害対応に「余裕なし」が9割超 運用担当316人調査で見えた「運用赤字」
-
4
シャトレーゼを悩ませる偽メール 混乱なしでBIMI導入とDMARC強化を実現した方法
-
5
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
6
いまIBM iエンジニアが直面する「5つの技術的課題」とその解決策
-
7
Microsoft月例パッチ1400件超で過去最多 「限界点」を迎えたパッチ管理
-
8
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
9
「年1回の外部診断」が限界に 大手小売が脆弱性管理を内製化・一元化した方法
-
10
みずほ証券が「液冷サーバ」を採用 1日3.6億件の計算を支えるための要件
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー