CIOがビジネス向けモバイルアプリ開発で留意すべきこと
“モバイルファースト”バブルに踊らされないための4つのルール
IT企業の最高情報責任者(CIO)は、“モバイルファースト”指向の企業に広がる熱狂的な動きに踊らされることなく、モバイルアプリ開発にはバランスのとれたアプローチをとるべきだ。
IT企業の社員が「当社は“モバイルファースト”戦略を追求しています」といった営業の電話を掛けてくる。ベンダーが「当社をお選びいただければ、至高のモバイルアプリを提供します」といったメールを、頼んでもいないのに送ってくる。今度同じようなことがあれば、筆者は叫びながらオフィスを駆け出しまうかもしれない。
分かっている。モバイルは非常に重要だし、喫緊の課題だ。優先事項のなかでもトップに据えるべきだろう。人生を変えるようなモバイルビジネスアプリがひらめくよう、チームの創造性を解き放つべきだ。それから、それから……、分かっているとも。
だが、深みにはまる前に、ビジネス向けモバイルアプリについて、ある程度バランスの取れたアプローチを採用する方法を考えたい。
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「バランスの取れた」というのはつまり、モバイルアプリ開発のアプローチにおいて、大げさだったり切迫していたりする要素を除いて考えるということだ。筆者はつい、ネットバブルの狂乱を思いだしてしまう。読者の皆さんの気分を害するつもりはないが、例えば米Pets.comのようなWebビジネスを作ることに大きな意味があると、一体誰が考えただろうか。5キロの猫砂をオンラインで注文して国内の遠隔地から取り寄せる必要のある人はそれほど多かったとは思えない。
モバイルの未来を作る4つの指針
ビジネス向けモバイルアプリ開発にバランスの取れた慎重なアプローチが求められていることには同意していただけると思うので、以下で4つのヒントを紹介したい。
1.未来を見据えた設計
まず第1に、モバイルアプリには大きな希望があると筆者は考えている。ワイヤレステクノロジーが進化するにつれて速度は向上する。その結果、今日ではそこまで優れていない操作性が、時間とともに改善するだろう。実際、有線接続はいずれワイヤレスネットワークに置き換えられるようになるだろう。そのため、モバイルの操作性は将来完璧になることを最初に想定しておかなければならない。この完全な未来を今の計画で見込んでも、将来再考する必要はない。
2.機能で形を決める
2番目に、作業や行動の中には、まだモバイル操作に対応できていないものがある。数カ月前、筆者は「ネイティブなモバイルショッピングアプリを開発する」というプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。筆者は何でもスマートフォンから行おうとするイマドキの若者ではないし、これからもそうなることはない。だが、こう考えている人間は少なくない。モバイルデバイスから購入する消費者はわずかであることが調査で明らかになっている。消費者はスマートフォンで買い物をするかもしれないが、形状からみても、快適な状態で買い物をするのはなかなか難しい。そのため、筆者は、ネイティブなモバイルアプリを開発するのではなく、当社のWebアプリにアクセスする応答性の高いフロントエンドを開発することにした。
3.ネットワークセキュリティはないものと思え
2番目の指針でモバイルのトランザクション処理を取り上げたが、3番目の指針として、データのセキュリティについて考えなければならない。あらゆるモバイルテクノロジーがそうであるように、データのセキュリティは向上するだろう。だが、データのセキュリティが向上するまでは、本当に必要なデータのみを利用し、データは暗号化すべきである。通常、モバイルのトランザクションにはセキュリティが脆弱(ぜいじゃく)なワイヤレスネットワークを使用する。そのため、アプリの設計では、ネットワークのセキュリティが確保されていないことを前提とし、アプリの設計によるセキュリティに頼らなければならない。アプリデータの流出には注意が必要だ。世の中に多くのモバイルビジネスが誕生しているからこそ、モノを管理する方法を考えなければならない。自社のモバイルエンジニアが何をすればいいか分からないなら、モバイルのセキュリティで実績のある人物の助けを得ると良い。
4.目指すは単純化
最後に、ビジネス向けモバイルアプリの設計について述べたい。完璧なモバイルアプリは、気品すら感じるシンプルさを備えていると筆者は考える。これまでの経験から言えば、コードを書く前にターゲット顧客を交えながら、何度も設計の見直しを行う必要がある。モバイルの画面は限られている。そのため、設計とフロー(つまり、操作性)は非常に重要なものだ。設計が適切であれば、搭載ツールも建設的な方法で使用できる。設計スキルが不足しているなら、設計に詳しい人物を探せば良いだろう。
最近、筆者は優秀なモバイルアプリによって最高の技術的な成功を収めたので、モバイルアプリの可能性を信じている。それと同時に、脆弱なモバイルアプリによって最悪の技術的な困難にも直面しているので、本稿で紹介した4つの指針を信じている。
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