UXを考慮しないアプリは必ず失敗する
使う気を本当になくすモバイルアプリ“4つのUXデザイン”
アプリを生かすも殺すもユーザーエクスペリエンス(UX)だ。強力なモバイルUXデザインは、今日のエンタープライズ開発チームにとって最も重要なテーマである。
エンタープライズアプリの成否を決定する最大の要因は、何にもましてモバイルUXデザインだ。
コンシューマライゼーションの時代、従業員たちのアプリに対する期待度は高い。エンタープライズアプリが使いにくかったり、複雑だったりすると、すぐに使うのを止めてしまう。そして、コンシューマーの視点に立ったクリーンなデザインで、効率的なワークフローを提供する別のアプリに乗り換える。一方でエンタープライズアプリを使い続ける律義な人たちは、その非生産性に苦労することになる。
エンタープライズアプリを間違った方向へ向かわせないように、ここではユーザーエクスペリエンス(UX)に関する一般的な4つの失敗について考える。それらは、不適切なモバイルアプリが生まれる原因にもなり得る。
1. ユーザーニーズを忘れる
モバイルUXの設計プロセスで、ユーザーのウォンツ(欲求)やニーズ(必要性)を十分考慮せずに失敗するケースが少なくない。開発チームはしばしば長く待機し過ぎてユーザーの視点を考慮できなくなり、その視点を完全に忘れてしまうこともある。むしろ、ソフトウェアエンジニアやプロダクトマネジャーたちは、ユーザーの求めているものを勝手な思い込みで推測し、その推測に基づいてモバイルアプリのUXを設計してしまうのだ。
開発サイドの人々は、ユーザーがどのように仕事をして、何を必要としているかを十分理解する努力をしなければならない。ただ、「言うはやすく行うは難し」である。ユーザーはコンシューマーアプリと同様の、直観的な機能性を有したツールを求めているが、特定のニーズを伝えることはなかなか容易ではなく、開発者や設計者が利用する言語やプロセスに直面したときは、特にその難しさを感じる。
調査、フォーカスグループ、その他の手法を用いて、ターゲットの利用者を完全に理解するために必要な分析を行う責任は、開発チームにある。いったん開発者がそれを理解できれば、モバイルアプリUXを改善するために役立たせることが可能だ。
2. 明確な目的を打ち立てない
何らかのアプリを使って仕事をするとき、ユーザーはそのアプリの用途とワークフロー、そして既存システムとの接続性を素早く、かつ簡単に理解できなければならない。日常業務をシンプルにして、作業効率を改善するアプリの仕組みが実感できる必要がある。効率的なアプリはユーザーの要求を予想し、必要なときに必要な機能やデータを提供するが、決してでしゃばらない。
アプリは現行のワークフローに完全に統合されなければならないが、同時に、そのプロセスを合理化することも重要だ。モバイルUXデザインには、ユーザーがオンスクリーン機能とどのようにやりとりするかだけでなく、社内環境の他システムとの統合性という視点も欠かせない。セキュリティ、認証、信頼性、アクセス性もまた、メニューオプションやボタン類と同様、UXの重要な検討事項となる。
3. ユーザビリティで失敗する
ユーザーは複雑でもなく、作り込み過ぎでもないインタフェースを求めている。それは習得に数カ月も必要とせず、すぐに使いこなせるミニマリスト(最小主義)アプリである。
そのために開発者は、ファイルのオープンや画面ナビゲーションなどで、見たこともないような構成要素や予測できない動作は入れず、デフォルトで業界標準の操作性を提供すべきである。モバイルアプリは、明らかにUXが強化されている場合を除き、設計者や開発者が各自の技能を披露する場所ではあってはならない。
エンタープライズアプリに、あれば便利だからという理由だけで不必要な機能を何でもかんでも盛り込んではならない。そうした機能は混乱を呼び、複雑さを増すだけであり、不要なオーバーヘッドはパフォーマンスの低下を招く。
ユーザーに最高のエクスペリエンスを提供するために、複雑なプロセスは小さなタスクに分解し、それらをさらにシンプルで直観的なステップに分割する必要がある。モバイルアプリはデスクトップアプリの模倣であってはならない。場合によっては、機能をたくさん詰め込んだ単一のアプリよりも、複数のアプリに分散した方がよいこともある。
4. デバイスの機能や要求を無視する
スマートフォンやタブレットのネイティブ機能であるGPS機能や内蔵カメラなどは、モバイルアプリUXを大幅に改善してくれる可能性がある。例えば、開発者がカメラを利用してスキャニング機能を実装すれば、ユーザーは外部のソースからの情報をいちいち手作業で入力する必要がなくなる。
一方、アプリは他のアプリケーションやデバイスに悪影響を与えるようなことがあってはならない。開発者は作成したアプリをさまざまな条件下で徹底的にテストして、サポートを予定しているデバイスやプラットフォームとの互換性を確認する必要がある。ユーザーはモバイルアプリに、何の引っ掛かりもなく手早くインストールしたり、読み込んだりでき、全ての機能とデータが必要なときにすぐ利用できることを期待している。
アプリをユーザーに配布した後も、開発チームはパフォーマンスを常に監視して、信頼性を維持し、期待通り稼働していることを確認しなければならない。
モバイルアプリUXの重要性
UXを考慮しないエンタープライズアプリは必ず失敗する。強力なモバイルUXデザインがなければ、アプリの生産性は低下し、ユーザーはアプリを即座に拒絶するだろう。ユーザーエクスペリエンスが優れている方がユーザーのアプリ利用率は高まり、作業の効率化とともに、投資に大きな見返りがもたらされるはずだ。
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