誰も使わないモバイルアプリを生まないために
IT部門が嘆く「モバイル市場の変化に付いていけない」、解決策は?
モバイルの変化の速さに付いていけない――。そのようなIT部門を抱える組織は今後、後れを取ることになる。そうした現状を打破するにはどうしたらいいのだろうか。
ITコンシューマライゼーションによる変化の速さは、企業のモバイル対応にますます多くの課題を生み出している。そして、その流れはさらに速くなっているのである。
IT専門家らがその変化の速さに追い付いていくには、単にエンドユーザーからニーズを聞き出すだけでなく、エンドユーザー自身にテストをしてもらうなどモバイルプロジェクトへの参加が重要である、と米オーランドで開催の「Gartner Digital Workplace Summit」でアナリストらが指摘した。
モバイル分野の製品サイクルがますます速くなっている中、IT部門は製品リリースの管理方法を見直す必要もある。主要なモバイルOSのリリースサイクルは今後、10カ月から6カ月に、モバイル端末は10カ月から8カ月に短縮されるようになる、と米調査会社のGartnerは予測している。アプリケーションのアップデートサイクルは、4カ月から2カ月へと半分の期間になるという。
IT部門はアップデートサイクルを遅らせ、エンドユーザーからコントロールを取り戻したいと考えているかもしれない。だが、それは得策ではないとGartnerのアナリストらは指摘する。
「コンシューマライゼーションについてそういう見方しかできないのであれば、それは負け戦だ」とGartnerで調査担当副社長を務めるブライアン・プレンティス氏は話す。
企業は、ITコンシューマライゼーションをコストやリスク管理の問題と見なすかもしれない。だがその一方で、効率性とイノベーションに関する新たな“学習手法”を身に付けるためのチャンスとなり得る、とプレンティス氏は語る。
IT部門は安定性の確保に努めるかもしれない。しかし、モバイル分野における安定性は、その変化の速度を見ると過大に扱われている、とGartnerで調査担当副社長を務めるヴァン・L・ベイカー氏は指摘する。
実際、技術に明るい従業員に業務で使用するモバイルツールを試してもらうことが良策となり得る。
「彼らの技術に対する知識やノウハウをうまく活用することで、組織にイノベーションをもたらすことができる。“使ってはいけない”と規制するのではダメだ」(ベイカー氏)
欧州のある大手保険会社では、デスクトップ環境とモバイル環境の垣根を取り払いたいと考えている。そして、その取り組みの大部分は、アプリケーションをモバイル時代に即したものに最適化することである。
「社内で使っている数多くのアプリは、2000年代末に導入したものだ。複数のフォームファクターに適合するには、アプリケーションの作成方法を見直す必要がある」と同社IT部門の担当責任者は話す。
IT部門は、コンシューマー向けアプリにも引けを取らないモバイル体験をエンドユーザーに提供できるよう取り組むべきである。
「スマートフォンアプリでの業務処理に15分もかかるようでは、モバイルに対するエンドユーザーの期待を裏切ってしまうだろう」(ベイカー氏)
保険会社のIT部門担当責任者は、同社のモバイルアプリがユーザーニーズに基づいて開発されることを望んでいるとともに、Gartnerのメッセージは同氏のモバイルに関する認識をより説得力のあるものにすると述べた。
「エンドユーザーが本当に必要としているものを見極めて、ITとビジネスの視座から戦略的に結び付けなければならない。これは全面的な価値の変化であり、単に直感的なエンドユーザーデザインになるだけというものではない」
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