ガートナーが予測
ユニファイドコミュニケーションで社内の“壁”を撤廃、今後は仮想秘書が付く時代に?(2/3 ページ)
クラウドで変わるUC製品
オンプレミスからクラウドへの移行は、近年のUC製品における特徴的な動きだという。UC基盤「Skype for Business」を取り込んだ日本マイクロソフトの「Office 365」や、クラウド活用を通じてスマートフォン対応に積極的に取り組むNECの「StarOffice」などのオンライングループウェアからも、その動きは見て取れる。クラウドはイニシャルコストが極めて安価だ。ベンダー各社がUC製品のクラウド移行を急ぐのは、ユーザー企業がオンプレミスのシステムをリプレースする際のコスト削減が狙いとして挙げられるが、理由はそれだけでもなさそうだ。
「クラウドの何よりのメリットは、技術革新の速さから、オンプレミスと比べユーザー企業の要望をより迅速に機能に反映できることです」と志賀氏は説明する。例えばOffice 365の社内用SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)「Yammer」は、他の従業員のスケジュールまで確認できる。またチャットによってメールや電話よりもはるかに気軽に従業員間で連絡が取れる。「これにより意見交換のさらなる活性化を促すことができるわけです」
2016年6月半ばには、Microsoftが約260億ドルでビジネス向けSNS大手LinkedInの買収を発表。これも、クラウドの機能強化にかじを切る業界の動きの一環と捉えることができる。
企業活動のグローバル化も普及の追い風に
もっとも、UC製品は導入効果が定量的に測定しづらいことが長らく普及の足かせとなっていた。だが、ここにきて状況は大きく変わりつつあるようだ。2015年のガートナーの調査では、従業員2000人以上の企業でのUC製品の導入率は2012年に約10%、2015年には20%を突破。3年以内の利用予定を含めると35%を越えると同社は予想する。
UC製品導入の原動力は、企業活動のグローバル化に伴い、企業が慢性的に抱えていたコミュニケーションの課題を解消したいという機運が高まっていることだ。市場の動向が各国で異なり、グローバルでの事業活動の最適化のためにも密な情報共有が極めて重要になっていることが、その背景にある。
日本語でも他の言語でも、文字だけだと文脈によって意味を複数に解釈できるため、誤解が発生してしまう可能性がある。これに対して「映像と音声を加味したUC製品であれば、お互いに顔を見ながら話すことが可能で、相手の表情やしぐさを基に、言葉の意味をより正確にくみ取ることができます」と志賀氏は語る。グローバル化で、海外拠点と日に複数回会議する企業も少なくないだろう。そうした企業にとって、誤解のない情報共有をするためにもUC製品は重要になる。
グローバル化を進めているかどうかにかかわらず、従来のメールを使った連絡に対して、作成の煩雑さや表現の限界を体感している人も多いことだろう。最近のUC製品に備わるチャット機能を使って短文でメッセージをやりとりできるようにすれば、従業員同士の連絡頻度を増やして密な情報共有を実現し、従業員の間にある考えの“溝”を即座に埋めやすくすることが可能だ。
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