ガートナーが予測
ユニファイドコミュニケーションで社内の“壁”を撤廃、今後は仮想秘書が付く時代に?(3/3 ページ)
活用の広がりを受け高機能なサービスへの移行が進展
UC製品の利用は広がりつつあるものの、市場規模は前年比で約1割の伸びにとどまっているようだ。理由として、グーグルのオンライングループウェア「Google Apps for Work」といった機能がシンプルかつ低廉なサービスが選ばれることの多さなどが挙げられ、この傾向は特に中堅・中小企業で顕著のようだ。
しかしUC製品の利用の活性化により「シンプルさよりもカスタマイズ性がより重視されるようになる」というのが、志賀氏の見立てだ。比較的安価なUC製品、特にクラウド形式のUCサービスは機能がシンプルで使いやすいものの、企業ごとのカスタマイズが困難なことが多い。その点、高価格帯のUC製品は機能やユーザーインタフェースなど幅広い要素をカスタマイズ可能にしていることが一般的だ。「UC製品の活用が進むにつれ、金銭的な余力のある企業は、多様な社内ニーズにカスタマイズで対応できる高価格帯の製品を選んでいくと見込んでいます」と志賀氏は語る。
今後UCはどのような進化を遂げるのか。そこで志賀氏が真っ先に挙げるのが「AI」(人工知能)だ。UCにAIを活用すれば、例えば会議をする際に、職位の高い人を優先して会議時間を押さえたり、メールなどの文面解析によって急を要する案件について、担当者に即座に通知したりする使い方が代表的な活用法である。いわばAIが各従業員の秘書の役割を務めるわけだ。
出張時の最適なルート選択などAIの機能をUC製品で実現することは、今でも十分に可能だ。例えばUC製品のチャット機能を使って他のシステムとの連係を可能にするAPIと、そのAPI を組み込んだ自動制御プログラム「ボット」を活用すれば、こうした機能を実現できる。「APIとボットをどこまで進化させられるのかが、今後のベンダー各社の腕の見せ所になるでしょう」と志賀氏は語る。既にシスコシステムズのコラボレーションサービス「Cisco Spark」は、サイボウズのグループウェア「サイボウズ ガルーン」との連係によって、Cisco Sparkのボット機能が会議室を自動的に予約する機能を実現している。
とはいえ、今後のUC製品の普及に向けては課題もある。中でも悩ましいのが長らく指摘されてきた「人の問題」だ。例えばUC製品の導入で在宅勤務が可能になったとしても、「在宅勤務によって、会社や上司、さらに他の社員とのつながりが薄れることを危惧する傾向が、特に日本企業では強い」と志賀氏は語る。
AI機能の活用でも、文面解析で会社にメールが見張られていると感じる従業員もいるだろう。こうした人の問題を解決するには「究極的には従業員と会社のより良い関係性の醸成しか方法がないと言えます」と志賀氏は指摘する。
技術がいくら進化しても、利用するのは人である。UCの真価を発揮させるためにも、この古くからの課題に対する真摯(しんし)な取り組みが今後も求められそうだ。
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