MacBookも採用の「USB Type-C」が後押し?
消えたはずの「ドッキングステーション」が“熱い製品”として帰ってきた理由(3/3 ページ)
ドッキングステーションの“帰還”
映画『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』ほど壮大ではないかもしれないが、消費者向け電子デバイスにドッキングステーションが戻ってきたのは、何年も前に大々的に隅に追いやられたものが再び取り入れられるという点で似ている(本稿は消費者向け市場に関する記事であり、ドッキングステーションの人気に衰えのない企業向け市場に関する記事ではないことに注意してほしい)。
先述のHUAWEI MateBookや、Samsung Electronicsの「Galaxy TabPro S」のような、デザイン重視でUSB Type-C端子が1つのみのデバイスを購入する場合は、古き良きドッキングステーションによって物理的に端子を増やす選択肢を検討することになる。
業界では、ドッキングステーションに再び関心を寄せている。大きな理由は、ドッキングステーションが売り上げ向上につながるからだ。2-in-1デバイスや高価格デバイスメーカーのほとんどは、自社ブランドのドッキングステーションを販売している。非純正品も人気が高い。
なお、メーカーブランドのドッキングステーションだとしても、他社のUSB Type-Cデバイスでも利用できるものが少なくない。幾つか例を紹介しよう。
Huawei「HUAWEI MateDock」
89ドル(国内税別価格9800円、以下同じ)。
HP「HP Elite USB-Cドッキングステーション」
149ドル(2万5000円)。
Dell「Dell Dock WD15」
200ドル(2万2500円)。
Acer「Acer USB Type-C Dock」
180ドル(日本未発売)。
予測と結論
「『これしかないMacBookはかえって不便』──USB Type-Cの普及を阻むPCベンダーの勘違い」で述べたように、USB Type-Cの採用はゆっくりで、現在のUSB Standard-Aのように普及するには何年もかかる。そのため、今すぐUSB Type-C対応デバイスを用意しなくても問題ないのは確かだ。現在USB Type-Cにネイティブで対応しているデバイスの数は非常に少ないため、USB Type-C端子があっても、既存のデバイスとの間の溝を埋めるためにアダプター(またはドッキングステーション)の購入が必要になる可能性が高い。とはいえ、USB-Cが万能であることを考えれば、非常に薄型のデバイスが欲しい場合には必要な犠牲だといえる。これは必要悪なのだろうか。違うだろう。必要な端子がそろった分厚いデバイスは既に販売されている。しかし、消費者向け市場は必ずしも実用的な方向に進んでいるわけではないのだ。
USB Type-Cは、非常に高速なデータ転送速度を実現するUSB 3.1とThunderbolt 3という2つの技術の発表と同時にリリースされた。USB Type-Cには、いずれかの技術と組み合わせると、メーカー独自のドッキングステーションに取って代わるだけの潜在的な可能性がある。というのも、独自のドッキングステーションが存在するそもそもの理由の1つが、既存の端子のデータ転送速度に制限があったからだ。そのため、USB Type-Cベースのドッキングステーションが好まれるようになると、専用ドッキングステーションは姿を消すのではないかと予測する。その状況は、消費者向けデバイスで既に多かれ少なかれ発生している。同じことが企業向け市場に波及するのも時間の問題だろう。
最後に予測をもう1つ。デバイスに何かを接続するニーズはこれからも常に存在する。あらゆるものがワイヤレスの状況では、PCを簡単にセットアップできる(ただし電源を除く。将来的には電源もワイヤレスになる可能性もある)。問題は、外出先で何らかのデバイスに接続する必要がある場合、そのデバイスでワイヤレス接続ができるかどうか分からないことだ。ワイヤレス対応している保証はないし、ワイヤレス対応デバイスの普及によって有線専用デバイスがなくなるまでは油断できない。ディスプレイなどの一部のデバイスは、ワイヤレスよりも有線の方が数多く販売されている。全てがワイヤレスになるのに非常に長い時間がかかることは間違いない。事実上、デバイスを物理的に接続するニーズは永久になくならない。そのため、USB Type-C端子しかない超薄型デバイスを選択する場合には、ドッキングステーションを購入するために予算を少し多めに用意する必要があるだろう。
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