Vmwareにも影響か
巨大ベンダーDell EMCに寄せられる期待と懸念、製品ラインアップはどうなる?(2/2 ページ)
製品と人員体制に言及なし
経営陣は電話会見で、製品やレイオフに関する質問に対して抽象的な回答にほぼ終始した。ゴールデン氏は、Dell EMCの事業目的は、従来のアプリケーションとともにクラウドネイティブアプリケーションを活用する方法を顧客に提供することと語った。この事業目的は主に、ハイブリッドクラウド戦略と新しい製品、例えばフラッシュストレージ、ハイパーコンバージド、ソフトウェア定義型スケールアウトNAS、オブジェクトストレージなどによって実現できるという。
Dellの最高財務責任者(CFO)を務めるトム・スウィート氏は、DellとEMCのラインアップが重複している問題に対し、「Dell EMCはそれぞれの製品ラインアップを受け入れている」と答えた。Dellは十分考えて将来における製品の方向性を決定するが、「当面は、現在のラインアップを全てサポートしつつ、前へ進もうとしていることを、あらためて顧客に約束したい」と、スウィート氏は説明している。
「VirtustreamとVMwareのクラウド技術はいずれかを統合するのか」という具体的な質問に対しても、Dellは「そうした計画はない」と答えた。
DellとEMCのラインアップは主にストレージ分野で重複しているが、電話会見では、個別の製品に対する具体的な言及はなかった。だが、Dell EMCの公式ブログに、EMCのコアテクノロジー担当プレジデントとしてガイ・チャーチワード氏が9月7日午前に投稿した記事では、Dell EMCが、今後も「EMC Unity」と「Dell SC Series」(Compellent)の両方をサポートすることに100%同意していると書いている。
チャーチワード氏は、SC Seriesが中小企業向けの「バリュー志向」シリーズであり、主にDellサーバを購入した顧客が使っていると説明した。一方、Unityについては、オールフラッシュ、コンバージド、ハイブリッド、仮想デプロイを想定したブロック、ファイル、及びユニファイドワークロード向けの汎用(はんよう)ミドルレンジラインアップと述べている。Unityでは、数週間以内にオールフラッシュデータサービスを追加する予定であることも明らかにした。一方で、同じミドルレンジラインアップの「Dell PS」(EqualLogic)や「EMC VNX」には言及していない。
もう1つの興味深い重複分野がハイパーコンバージド製品だ。DellとEMCはいずれも、VMwareのハイパーコンバージドソフトウェア「Virtual SAN」(VSAN)を搭載したシステムを販売しており、Dellは、VSANと競合するNutanixのソフトウェアを搭載したアプライアンスも販売している。
DellとEMCの取引は、EMCがVMwareを傘下に置いていたことも相まって、かなりの割合のIT部門に影響を与える。2016年8月末~9月初めに開催したVMworldの参加者は、「Dell Technologiesは、買収で拡大した製品ポートフォリオの将来像を明確にしてほしい」と話していた。
VMware User Group(VMUG)のCEOを務めるブラッド・トンプキンズ氏は、DellのEMC買収はVMUGメンバーの間で、最大の懸念事項の1つとなっていると語った。
「懸念なのは先行きが不透明だからだ。これからどうなるか心配だという声がある」(トンプキンズ氏)
だがトンプキンズ氏は、VMworldにマイケル・デル氏が登壇してくれてよかったとも語った。特に、同氏がVMwareのオープンエコシステムを維持すると約束したことを評価する。
「デル氏は、VMwareがこの買収で最も重要な目的の1つだったと語った。彼は私よりずっと賢いし、自分が何をやっているか分かっている。いずれにしても、VMUGをサポートする姿勢を打ち出してもらえるのはうれしい。顧客に少しでも不安があると、競合ベンダーが恐怖(Fear)、不安(Uncertainty)、疑念(Doubt)をあおる『FUD』戦術で取り込もうとするものだ。今回のように後押しの姿勢を示してくれれば、ユーザーは安心できる」(トンプキンズ氏)
VMwareの顧客である「Sugar Creek Packing」のシニアシステムアーキテクトを務めるマイケル・ヌーン氏は、VMwareの顧客に対する姿勢ができるだけ変わらないことを望んでいる。「買収の感想はよく分からないが、できれば、現状のまま物事がこれまでと同じように動いていってほしい。だが、間違った方向に行ってしまうことや、何か問題が起こることは常にあり得る。とはいえ、VMwareが大きく変わるとは想像できない。これがEqualLogicやCompellentの顧客だったら、もっと心配だろう」(ヌーン氏)
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