IT業界の戦略図はどう変わる
DellがEMCを巨額買収、一番喜ぶのは誰?(1/2 ページ)
米Dellは2015年10月12日(現地時間)、米EMCの買収を正式発表した。果たしてこの買収はユーザーにとってメリットをもたらすものになるのだろうか。
米Dellが米EMCとその傘下の米VMwareを買収したことは、企業顧客に戦略的メリットをもたらす可能性があると同時にリスクも伴う。
何週間にもわたって買収の臆測が飛び交った末に、DellはIT企業の買収として史上最高額となる約670億ドルでEMCを買収することを正式発表した。
米調査会社Pund-IT社長のチャールズ・キング氏は、この買収は明らかにDellに有利だと話す。Dellは中堅・中小企業向け市場で業績を上げてきたが、大企業対象には苦戦してきたと同氏は言う。一方、EMCは大企業に強く、エンタープライズ分野のニーズに特化したハードウェアとソフトウェア、サービスの広範なポートフォリオを展開している。
キング氏によると、EMCはソフトウェア分野へも好調に事業を拡大し、傘下の米Pivotalを通して開発サービスにも進出しており、これらはDellにとって貴重な資源になる。また、PivotalおよびEMCのパートナー企業とのパートナーシップ「EMC Federation」はソフトウェア産業において順調に事業を進めている。EMCがDell所有の非公開企業になれば、外部グループの干渉を受けずに傘下の製品とサービスを管理できるようになる。
「Dellは、EMCの製品とサービスのみならず、EMCが有する膨大な数の大企業との関係も手に入れることができる」(キング氏)
一方、この合併の危険性を指摘するアナリストもいる。
米調査会社Interarbor Solutionsの主席アナリストのダナ・ガードナー氏は、DellとEMCの中核市場は厳しい状況にあると話す。Dellの事業の中心であるサーバ市場は既に縮小傾向にあり、米HPや中国Lenovoとの激しい競争を戦わねばならない。EMCの方も、ストレージ市場で新旧のライバルと競い合っている。
「今回の合併は非常に危ない。どちらの会社もそれぞれの市場で苦戦している。参入しようとしている新しい市場で実質的に地位を確立しているのはVMwareだけだ」と同氏は語る。
「両社が前進するにはVMwareが先鋒(せんぽう)を務めなければならない」(ガードナー氏)
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