インフラだけでなくアプリのニーズで
AWSだけではないIaaSプロバイダー選び、使用アプリで変わる“最適解”(2/2 ページ)
クラウドネイティブのアプリか従来のアプリか
IaaSプロバイダー評価時の根本的な要因となるのは、使用しているアプリケーションの種類である。この事実は、選定プロセスで開発者が担う必要のある役割を示している。クラウドは単に新しい展開場所というだけの存在ではないのだ、
「クラウドネイティブ」「第3のプラットフォーム」など、どう呼ぼうとクラウドサービスは、アプリケーションの設計の新しい方法をもたらしてきた。クラウドネイティブのアプリケーションは、ほぼ完全なモジュール式だ。これらはクラウドサービスやアプリケーションプログラムインタフェース(API)の呼び出しを中心に開発され、共有インフラ向けに設計されているため、迅速に展開できる。その一方、従来型のクライアントサーバアプリケーションは、OS全体の所有権を前提に開発され、ハイパーバイザとVMを経由して共有インフラに組み込まれる。つまり、実行はできるがクラウド向けに開発されてはいない。
このアーキテクチャ上の差異は、特定の企業に最適なクラウドサービスとIaaSプロバイダーの種類について重大な影響を持っている。社内データセンターのVM環境を模倣している製品もあれば、任意の種類のアプリケーションに組み合わせることができるRESTfulサービスとAPIを単に寄せ集めただけのものもある。これらの対照的なアプローチの典型的な例が、EMCとVMwareのプライベートクラウド製品ラインの分岐だ。VMwareの「vSphere」をベースにしたEMCの「Enterprise Hybrid Cloud」は従来のアプリケーション向けに設計されている。一方、EMCの「Native Hybrid Cloud」は、次世代のモジュール式マイクロサービスベースの設計をターゲットにしている。
この二分法はパブリッククラウドにも当てはまる。例えば、基本的なコンピューティングやストレージ容量、ファイルシステム、プライベートネットワークを提供することで、AWSはプライベートデータセンターで動作する大量のVMとネットワーク接続ストレージのように見せることができている。これはレガシーデータベースとサーバベースのアプリケーションにとって完璧な状態だろう。その一方で、AWSはインフラに依存せず、高いレベルのサービスをベースとするアプリケーションのプラットフォームとなることもできる。高いレベルのサービスには、NoSQLデータベース、BI処理、「Hadoop」のようなクラスタ、メッセージキュー、プッシュ通知サービス、メディアトランスコーダー、検索エンジンなどが含まれる。
IaaSプロバイダーを選ぶ際には、展開するアプリケーションの種類と、そのアプリケーションが従来型とクラウドネイティブの間でどの範囲に収まるのかを考慮しよう。従来型の方に大きく振れるアプリケーションなら、従来のVMインフラに似たvCloudやSoftLayerのベアメタルサーバで最適に動作する。クラウドネイティブ寄りのアプリケーションなら、AWS、Azure、Googleなど、IaaSとPaaSを組み合わせたプロバイダーが向いているだろう。
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