マクロやアドオンからの卒業
次世代“Excel職人”も注目? 「Office 365」向け開発環境の可能性とは
Microsoftは、「Office 365」の普及拡大するために開発者向けにさまざまな取り組みをしている。本稿では、取り組みの詳細を紹介する。
「Office 365」の普及拡大を目指すMicrosoftにとって、Office 365の開発者向けプラットフォームの重要性が高まっている。Office 365はMicrosoftの企業向けオフィススイートプラットフォームだ。企業は自社開発アプリケーションをこのプラットフォームに組み込むことで、Office 365と連係する使いやすいアプリケーションを開発できる。
Microsoftは、Office 365のさらなる普及拡大のため、新しいビジョンを打ち出した。調査会社Gartnerの調査によれば、回答者の78%がOffice 365を既に使用しているか、使用する予定であることが分かった。利用者をさらに拡大するには、「Microsoft SharePoint」などのOffice 365サービスでビジネスプロセスへの拡張性を高める必要がある。だが開発者の間ではOffice 365向け開発に関する理解がなかなか浸透していない。
併せて読みたいお薦め記事
Office 365に関する記事
Microsoft Officeのライセンス大全
そこでMicrosoftは、Office 365向け開発に対する開発者の認識を何とかして変えようと努めてきた。開発者に使いやすい環境としてPaaSの「Microsoft Azure」を提供し、APIやその他の機能を使ってユーザーフレンドリーかつ収益創出につながるアプリケーションを開発できるようにした。
かつて「Microsoft Office」向け開発といえばマクロとカスタムアドオンが中心だった。だが今は違う。Office 365ワークロードと連係して高い付加価値をもたらすコンポーネントを開発すれば、そこから受けるメリットは大きなものになる。Microsoftは、プラットフォームのさまざまな分野に多大な投資をすることで開発者を呼び込もうとしている。Office 365向け開発によって開発機会を高めるために、どのような取り組みをしているのか、幾つか紹介しよう。
Office 365プラットフォームの普及拡大
Office 365が提供するさまざまなサービスを採用する企業が増えれば、ビジネスプロセスの自動化や効率化の機会も増えることになる。開発者はどうすれば課題を解決できるか検討するようになり、Office 365の開発者向けプラットフォームを使う合理性も高まる。
利益創出につながるOffice 365対応アプリケーション開発
自社のビジネス課題を解決するためのアプリケーションを開発するだけでなく、MicrosoftのマーケットプレースでそのソリューションをOffice 365ユーザー向けに販売できれば、開発意欲は高まる。アプリケーション開発者は、Office 365向け開発が収益につながると認識するようになる。
オープンソースコミュニティーへの貢献
オープンソースが開発者にとって魅力的であるのには幾つかの理由がある。その1つは、アプリケーションコミュニティーに参加する多くの開発者がコードを提供して機能を拡張したり追加したりできることだ。Microsoftは近年、オープンソースコミュニティーへの参加を続けており、同社の.NET Frameworkモジュール形式バージョン「.NET Core」をLinuxに対応した。またモバイルアプリケーション開発プラットフォームと「Windows PowerShell」コマンドラインをオープンソース化した。
強力なAPIとデータアクセシビリティ
開発者が利用できるオプションは増えている。例えば、下記のようにさまざまなことができるようになってきている。どれもビジネス課題の解決に大いに役立つ。
- ファイルにアクセスするアプリケーションの開発
- 「REST API」を使ったOffice 365カレンダーアイテムの追加
- Officeアプリケーション用ネイティブアドインの作成
- SharePoint内で使えるWebアプリケーションの作成
Microsoftとその他による豊富なサンプルコードの提供
ソリューションを作成する開発者にとって、機能を紹介するドキュメントやサンプルコードはとても重要だ。そのようなドキュメントやサンプルコードを活用する手段として、Microsoftが同社の製品やサービスに対応する開発者のためにサンプルコードのポータルとライブラリを継続的に提供している「Office Dev Center」やGitHubが運営する「GitHub」がある。
高度な機能を提供するクラウドサービス
Azureは機械学習や「SQL as a Service」(サービスとしてのクラウドデータベース)などの開発機会を提供する。Azureは開発環境やソース管理、ホスティングサービスなど開発者に不可欠のサービスを提供している。
Microsoftはアプリケーション開発者にとって魅力的な機能をプラットフォームに追加し続ける一方で、ソリューションやアプリケーションの開発を極力簡素化する取り組みも進めている。コードの記述が一切不要な「Microsoft PowerApps」もその1つだ。この新しいプラットフォームは、アプリケーション開発スキルが全くない人でも1時間以内でモバイル対応アプリケーションを作成して、スマートフォンやタブレットで使えるようにすることができる。Microsoftは、プラットフォームをユーザーフレンドリーで機能豊富なものに向上することで、アプリケーション開発者によるOffice 365やAzure対応の追加技術とアドオンの開発を促進している。また同時に、企業やユーザーが製品を好きなように構築、カスタマイズできるようにする努力を続けている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
5
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
6
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
9
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
10
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー