Gartner「文明アーキテクチャ」構想への反応
「世界を変えるCIO」が今考えていること(2/2 ページ)
「1つの集合体になる」
ジム・マクデード氏が最高執行責任者(COO)を務める企業Aware360は、人と監視装置をつないでその人に異常がないかを監視する「人間IoT」システムを販売している。 このシステムはヘルスケアなどの業界で認知症のような認識障害のある人を対象に使われている。例えば石油、ガス業界でも、現場で単独作業する労働者を追跡するのに使えるかもしれない。
Aware360は技術系ベンダーとしてテクノロジーに関しては他社をリードしている。だが、同社は従業員35人ほどの小企業で、その規模が長年の課題だという。この課題に立ち向かうため、同社はビジネスパートナーのエコシステムを拡大している。警告や通知に対処する監視センター、衛星利用測位システム(GPS)と自己診断ツールを使用して移動体を追跡するテレマティックスプロバイダー、クラウドインフラとIoTプラットフォームをホストするテクノロジープロバイダーなどがそのパートナーだ。「販売高に応じてパートナーの利益になる。これは多面的流通戦略だ」とマクデード氏は話す。
エコシステムという考え方はこのカンファレンスでも大きく取り上げられた。成功を望むなら、リスクを承知の上、大胆にこのような大規模なネットワークに足を踏み入れる必要があるというのがGartnerの見解だ。
以前CIOを務めていたマクデード氏は、自社システムを運用して社内の問題を解決してきた従来のITチームの多くにとって、こうした取り組みは簡単ではないことを理解している。
「これはビジネスにすぎない。現在は相互のつながりが急速に広がり、経済も相互に結び付いた状態になっている。つまりグローバルな集合体になっている。当社にとって、この戦略はごく自然なものだった。だが、IT部門にとってはとても驚くべきことだろう」と同氏は語る。
デジタルビジネス: 異なる視点
CIOはデジタルビジネスの変革を背後で支える力になるべきだというのが、Gartnerのこれまでの考え方だ。カンファレンス開催中にオーランドに集まったGartnerアナリストの少なくとも1人は、この考え方に異を唱えている。トーマス・ニールセン氏は、ビジネス部門が達成しようとするプロジェクトのためにITシステムを構築、サポートし、ビジネス部門の担当者もこの変革に携わらせるよう、IT部門の責任者にアドバイスした。Gartnerが「型破り」と評したニールセン氏の研究は、ブラジルのサンパウロにある保険会社Porto SeguroでCIOを務めるイタロ・フラミア氏にとって大きな意味のあるものだった。
企業を変革する責任は、CIOだけが負うものではなく、企業全体で負うものだと同氏は言う。だが、IT部門の責任者は、ビジネス部門からの指示を待っていてはいけない。「ビジネス部門を刺激し、新しいアイデアを提案し、社内の他部門の責任者として洞察を与えることもできる」(フラミア氏)
フラミア氏は、CIO以外の立場からも、デジタルビジネスを推し進めている。同氏は、Porto Seguroの子会社で新興企業を支援するOxigeniでイノベーションディレクターも務める。同社は概念実証プロジェクトで、人工知能、仮想現実、ブロックチェーンなどの新しいテクノロジーをテストしている。
フラミア氏は、2つの職務を掛け持ちすることが、双方の仕事にメリットがあるという。同氏はイノベーションディレクターとしての経験を生かして新しいテクノロジーや新しい手法を取り入れることで、IT部門に「揺さぶり」をかけている。
「CIOはデジタル変革の一翼を担っているにすぎない。革新的な人間で、革新的なCIOなら、生まれたばかりの新しいテクノロジーを活用し、新たな役割を得て会社を革新できるだろう。だが、それはCIOにとって必須ではない」とフラミア氏は語る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
9
AIで人を減らした企業がもう心変わり 「AIブーメラン現象」の実態
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー