連載「最新のOpen Compute Projectで何が変わった」第4回
Open Compute Projectが目指した「データセンター電力効率99%超」、その成否は?(2/3 ページ)
DC48ボルトの採用で電力効率を高める
消費電力の抑制で重要なもう1つの要素が冷却設備だ。先にIDF Fall 2007でPUEが2.0程度になっていた例を紹介したとき、サーバと電源ユニットに限った話しかしていなかった。だが実際には、これに冷却設備の消費電力が加わる。この冷却装置の分も無視できず、これを計算に入れるとPUEが3.0程度となるのが一般的であった。
この解決法として、データセンター事業者は冷却用に外気を直接導入するという方法まで真剣に検討していたほどだ。真剣に検討したがために「データセンターを寒冷な場所に設置しよう」という動きが始まったわけだが、だからといって寒冷な場所以外では外気を利用して冷却コストを下げる方式が使えない、ということでもない。例えば東京では、外気を使えば真夏以外ならそれなりに冷却効果がある。ただし、この方式は建物の構造からサーバ構成の選択まで全てに影響を及ぼすので、簡単に導入できるものでもなかった。
OCPでは、冷却設備でも規格を用意した。サーバ関連の分科プロジェクト「Server Design」とラック関連の分科プロジェクト「Open Rack」では、ラックに対してAC100ボルトではなくDC48ボルトでの供給を取り入れた。とはいっても、最初から完全なDC48ボルト化はFacebookの財力と組織力でも無理だった。
ラック規格の第1世代「Server Chassis and Triplet Hardware v1.0」の構成では、ラックのメイン電源が3相のAC480ボルトで、そこから収納したサーバそれぞれに内蔵した出力700ワットの電源ユニットに供給する。DC48ボルトはこれとは別に供給する。用途はバッテリーバックアップで、AC480ボルト側が何かの理由でダウンした場合に利用するためのUPSに供給する。電源ユニットは、複数の電源モジュールを収納する専用ケース1基に出力700ワットの電源モジュール6個+1個(予備機)で構成する。Facebookの説明では、この構成でACベースのUPSを利用した場合で、効率は99.75%に相当するという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー