オンプレミスとクラウド、どっちを選ぶ?
ビデオ会議に必要なのは“堅牢さ”か“柔軟性”か、最適サービスの見極め術(2/2 ページ)
大きな成長が見込まれるハドルルーム
従業員が100~1000人の中規模企業は、社内会議が多く、正規の会議室と、少人数で作業する小さなミーティングスペース「ハドルルーム」を多く有している場合が少なくない。こうしたスペースで使うテクノロジーは、通常基本的なものだ。例えば、モニターやハイエンドカメラをクライアントPCにつないでグループ通話をする使い方である。
ハドルルームはビデオ会議市場で大きく成長するきっかけになっており、クラウドプロバイダーがバドルルームに関連するビデオ会議市場を大きく占めている。
Zoomはこの分野に参入し、小規模なサービスから始めて、規模を拡大していけるようにしている。だが同社は会議室用のハードウェアを製造していない。代わりに、「Zoom Rooms」という特別仕様のクラウドソフトウェアを提供している。このソフトウェアは、会議室のサードパーティー製のクライアントPCや周辺機器と連動できるように設計されている。
LifesizeとStarLeafは、自社のクラウドビデオサービスを、ハドルルームで使用するビデオ会議用ハードウェアに統合している。ベンダーがクラウドサービスとハードウェアの両方を提供している場合、高度な統合が魅力だ。だがクラウドを利用しないでこれらのサービスを利用しようとすると、柔軟性に欠ける。導入を検討する企業は、クラウドサービスに縛られ身動きできなくならないように気を付ける必要がある。だがこの両社のクラウドサービスは、サードパーティーのエンドポイントと連係し、Microsoftの「Skype for Business」との相互運用も可能にしている。
Microsoftのユニファイドコミュニケーションソフトウェアを検討している企業は、Skype for Businessを検討項目に入れるべきだ。同サービスの動画と音声の品質は他のサービスほど優れていない。だがメッセージングやドキュメントの共有機能を重視する企業は、Microsoftの他ソフトウェアとSkype for Businessの密接な統合の方がより重要になるだろう。
オンプレミスとクラウドの橋渡しを目指す大手企業
大手企業は、伝統的な社内コミュニケーションを重視する。そのため、オンプレミスのサービスを検討することが多い。大手企業ユーザーはビデオ会議やテレプレゼンスルームを求めることも少なくない。
CiscoとPloycomは、こうした要求に強いサプライヤーとして検討の対象になることが多い。両ベンダーは経験豊富で、グローバルにサービスを展開しており、会議室の大きさに応じた多くの製品を用意している。こうしたサービスは高品質のエクスペリエンスを提供するが、柔軟性に欠ける。
以前なら、多くの企業がこうした柔軟性の欠如を受け入れていた。だがオンプレミスとクラウドの製品が進化した現在、多くの企業が両方のサービスを合わせた環境を実現している。
オンプレミスのサービスを利用している多くの企業は、サプライヤーや顧客などの外部企業に自社の環境を公開することに苦労している。このような状況から、Blue Jeans Networkは、CiscoやPolycomの既存の顧客に外部との接続を提供することで発展している。Blue Jeans Networkのサービスは、社内コミュニケーションにオンプレミスのテクノロジーを使い、他社とのコミュニケーションに社外の環境を利用する混在環境に最も適している。
WebExとGoToMeetingは大手企業で広く利用されている。だがこうした製品は会議でデータを共有し、共同編集すること(データ会議)を主な目的にしているため、純粋なビデオ会議用サービスと見なされない。こうしたサービスは、ハイエンドな会議室サービスと同時に利用されることが多い。というのも、ハイエンドな会議室サービスは相応の高度なデータ会議機能がない場合があるためだ。
Skype for Businessは、Microsoftが積極的に市場に売り込んでいることから、大企業の中で1つの大きな選択肢になりつつある。Microsoftは、Skype for Businessを通じてインスタントメッセージングと、データやドキュメントの共有を提供する。だがハイエンドな会議室サービスを提供しておらず、会議室向け製品のビデオの画質は最高とはいえない。Microsoftはこの市場に新しい製品やサービスを定期的に公開しそうだ。
柔軟な姿勢を持つ
各企業にとってどのビデオ会議用製品が最適かは、求める結果に大きく左右される。Zoom RoomsやWebEx、GoToMeetingは大規模企業の事業部門に適したオプションかもしれない。エンタープライズプロバイダーのPolycomは、既にテクノロジーに投資している大手クライアントとのコミュニケーションをユースケースとする中小企業に適しているかもしれない。
本稿で取り上げた全てのサービスは、それぞれビジネスの特定の問題を解決できる。簡単に言ってしまえば、どのサービスが適しているかは、ユーザーが最も重視する基準によって決まる。市場は急速に変化しているので、先入観に捉われず柔軟なアプローチを取る必要がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
8
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
9
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー