モバイル管理は、もはや大企業だけのものではない
EMM導入を検討するIT担当者は約4割、中堅規模の組織にも拡大
IT担当者は、自分たちの環境にある多数のモバイル端末を管理し、セキュリティを守るニーズを認識する必要がある。多くの組織が2017年にEMMの導入を計画しているのも、それが1つの理由だ。
機能の高度化や選択肢の増加を受け、2017年は多くの組織がエンタープライズモビリティ管理(EMM)製品の導入を計画している。
EMMは導入組織の大多数を大企業が占める状況が続いていたが、この技術は中堅規模の組織にとっての魅力も増してきた。ベンダー各社はEMMを人気の高いソフトウェアライセンスの対象とし、ボリュームディスカウントを提供し、スタンドアロンのモバイルアプリ管理機能を提供して中堅企業の注目を引き付けている。組織の側も、自分たちを守り、ユーザーの全エンドポイントのセキュリティを守る必要性を認識している。
「自社の環境に幅広いデバイスが存在すれば、企業はそれが不安になる。BYOD(私物端末の業務利用)環境があるのにこうした技術を導入していないとすれば、危険性は非常に大きい」。米ITコンサルティング企業Five Nines IT Solutionsのダグラス・ゴスフィールド最高経営責任者(CEO)はそう語る。
TechTargetのIT Priorities Surveyでは、IT担当者の39%が、2017年は自分の組織にEMMを導入したいと回答している。
EMM製品を導入する理由
EMM市場では2015年にMicrosoftが「Windows Intune」を「Office 365」のライセンスに含めたことで大きな変化が起きた。この戦略がきっかけとなり、Intuneの導入を検討するOffice 365使用組織が増えた。こうした組織は既にそのための料金を支払っていることになるからだ。Microsoftの波及効果は業界全体に及び、EMMの競合他社はさらに手ごろな選択肢を提供せざるを得なくなったと、米VDC Research Groupのモバイルソフトウェア担当ディレクター、エリック・クレイン氏は言う。
例えば「VMware AirWatch」は2016年、料金を引き下げたモバイルデバイス管理オプションを打ち出した。このオプションでは端末1台当たり月額2.50ドルで、ユーザーの端末に手早くWi-Fiを設定してアプリをインストールできる。それまでのAirWatchは、フル機能のEMMを搭載したエントリーレベルの料金で端末1台当たり月額4.50ドルだった。VMwareとCitrix Systemsは、自社のデスクトップやアプリケーション仮想化製品を使っている顧客にEMMを割引料金で提供することでも知られていた。
一方、モバイル アプリケーション管理(MAM)のような魅力的な機能も急伸している。MAMではIT部門がデバイス全体を管理することなく会社のコンテンツをアプリレベルで保護できる。これは業務委託先や非正規従業員、BYODユーザーに最適だ。
「アプリ層の管理では、端末そのものの管理と同じような効果が期待できる」とクレイン氏は言う。
EMM製品は、ユーザーを参加させてその端末を登録するのが難しかった初期の頃に比べると、目覚ましく進歩したという。これはモバイルOS大手のAppleとGoogleが、EMMプロバイダーとの連携を強化してそのソフトウェアをサポートしたことによる。
EMM市場は大企業や中堅企業の間では成長した。だが、小規模組織ではEMMを必要と見なさないこともある。梱包管理を手掛ける米OngweowehのIT担当ディレクター、ジム・デイビース氏は、モバイルユーザーが50人に満たないので、EMMを採用する計画はないと話している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー