ディスプレイサイズは決定的だが、総合力では……
徹底比較:大型スマホの頂上決戦、「iPhone 7 Plus」 vs. 「HUAWEI Mate 9」(2/2 ページ)
パフォーマンス
Mate 9のプロセッサはHUAWEIの自社製だ。HUAWEIの子会社Hisiliconのオクタコア「Kirin 960」には、ARMの2.4 GHzの「Cortex-A73」コア4基に加えて、1.8 GHzの「Cortex-A53」コアを4基搭載している。また、ARMのオクタコア「Mali-G71 MP8」グラフィックサブシステムと4GBのRAMも備えている。メモリストレージの選択肢は64GBしかないが、この容量はmicroSDカードを使って拡張できる。
Mate 9には、機械学習用のアルゴリズムという特殊な機能を搭載している。このアルゴリズムにより、Mate 9はユーザーの作業習慣を記憶して分析し、プロセッサリソースを調整して優れたパフォーマンスを実現している。これは革新的な機能だが、実際のところ、このような機能はiPhone 7 Plusでは必要ない。というのも、全てのiOSデバイスに付随する突出した特徴があるからだ。それは、パフォーマンスの問題が発生することなく、複数バージョンに渡ってiOSのアップグレードを利用できることだ。iPhone 7 Plusを購入したら、最低3年間は同じレベルのハイエンドパフォーマンスを享受できると考えて差し支えないだろう。
これは、Appleが個々のデバイスでiOSを最適化して、適切に実行できるようにしている成果だ。iPhone 7 Plusは、2.34 GHzのクアッドコアチップ「Apple A10 Fusion」と、ImaginationのヘキサコアGPU「PowerVR Series7XT Plus」を搭載している。また、3GBのRAMも装備している。メモリストレージはmicroSDカードを使って直接拡張することはできないが、32GB、128GBまたは256GBの内蔵ストレージを搭載したモデルが用意されている。
iPhone 7 PlusとMate 9のどちらも、それぞれのOSを実行する機種の中で最上位機種であるのは明白だ。最先端のパフォーマンスを求めているなら、どちらを購入しても間違いはない。
この領域については互角といえるだろう。
カメラ
主力機種には背面にダブルレンズカメラを搭載することが求められるようになっている。そのため、Mate 9とiPhone 7 Plusの両機種にダブルレンズカメラが備わっているのは、ごく自然なことである。ただし、この2機種では全く異なるコンセプトが採用されている。
Mate 9は、HUAWEIがLeicaとブランド提携したカメラを採用している。このカメラは1200万画素のカラーセンサーと2000万画素のモノクロセンサーを搭載している。どちらのセンサーも光学手振れ補正に対応しているが、F値は2.2とぱっとしない。このモノクロセンサーにより撮影時の創造性の自由度が大きく向上している。暗がりでの撮影に関しては、Androidスマートフォンに搭載されているセンサーの中でも最高のセンサーの1つだ。だが、カラー画像を撮影したいユーザーにとってモノクロセンサーはそれほど役に立つものではない。Mate 9に搭載されている1200万画素のカラーセンサーは、Androidスマートフォンのものとしては平均以上である。だが、本稿執筆時点で利用できるものの中で最高と呼べる代物ではない。撮影時の設定値を手動で調整することは大いに役立つ。だが購入を考えているユーザーは、Mate 9がデジタル一眼レフではなく、スマートフォンだということをしっかり認識しておく必要がある。
そのため、iPhone 7 Plusを選ぶ方がはるかに適切だ。少なくとも、弱光環境で撮影する場合はそうなるだろう。iPhone 7 PlusのカメラはMate 9に比べてダイナミックレンジが大幅に優れており、ノイズが少なく、細部の再現度も高い。また生き生きした色を表現できる。だが次の点を考えれば、これは当然のことだ。iPhone 7 Plusには1200万画素のセンサーが2台搭載されており、一方のセンサーは、光学手振れ補正に対応した、現代的なF値1.8の28ミリレンズなのだ(35mm判換算)。また、もう一方のセンサーでは、F値2.8の56ミリレンズが採用されている。後者のレンズは、Mate 9のモノクロセンサーほど創造的な自由度は高くないが、被写体をズームインする場合や、被写体にフォーカスを合わせながら背景をぼかしたボケ写真を撮影する場合は非常に重宝する。
iPhone 7 Plusのカメラの方がスマートフォンのカメラとしてはずっと優れている。また、iPhone 7 Plusで撮影した写真(左)の方が、Mate 9で撮影した写真(右)よりも奇麗なものになることが多い。
この領域ではAppleの勝利だ。
バッテリー
多くのユーザーが大型スマートフォンを購入するのは、大容量のバッテリーが搭載されているからだ。仕様上では、Mate 9の勝利に疑問の余地はなさそうに見える。というのも、Mate 9には4000mAhのバッテリーを搭載しているのに対して、iPhone 7 Plusのバッテリーの容量は2900mAhと大幅に小さいからだ。ただし、実際の使用状況は仕様と大きく異なる。iPhone 7 Plusの方が、使い方にかかわらず常にバッテリーが長持ちする。これは全てiOSがソフトウェアプラットフォームとして実に効果的に最適化されているおかげだ。
だが、Mate 9はバッテリーが少なくなったときに省電力化を図るためのソフトウェアツールを用意している。また、「超高速充電」機能を使えるため、20分充電するだけでバッテリーは丸1日持続するとHUAWEIは主張している。だが実際に使ってみると、充電にはもう少し時間がかかることが判明した。バッテリー残量を70%まで回復させるには40分ほど必要になった。iPhone 7 Plusではこうしたことに頭を悩ませる必要がない。そのため、バッテリー持続時間を重視するならiPhone 7 Plusを選ぶことをお勧めする。
この領域もAppleの勝利といえる。
結論
機能に関して言えば、HUAWEI Mate 9は最高の大型Androidスマートフォンに仕上がっている。同様に、iPhone 7 Plusも最高の大型iOSスマートフォンだ。この2機種の間には非常に多くの違いがあるものの、一方のエコシステムに肩入れしているユーザーが、もう一方のエコシステムに乗り換えたいと思う根拠は見いだせない。
とはいえ、特定のソフトウェアプラットフォームに対して愛着がない場合、iPhone 7 Plusの方が良いと感じるユーザーが多数派を占めるだろう。その理由は、バッテリー持続時間の長さと優れた背面カメラに加えて、防水の本体や指紋が付着しづらい画面などの特徴が備わっていることにある。
少しでも大きなディスプレイが必要な場合はMate 9の方が良いだろう。ただし、Mate 9がiPhone 7 Plusに匹敵するという結論を下すには、画面が大きいことだけでは十分とは言い難い。
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