課題の1つはセキュリティ
企業のドローン利用が急拡大中、IT部門の役割は?(2/2 ページ)
CIOの役割
ビジネスシーンにおけるドローンの使用事例は、Shellyの例が最も一般的な事例の1つだが、FAAが定めた新しい規制によって、ビジネスでの活用時に多くの面倒な手続きが不要になったとバン・ホイ氏は考えている。例えば、石油およびガス業界では、ドローンを導入している。人間が検査を行うときよりも、石油やガスの供給を中断させることなく、より迅速かつ安定した状態で調査を行うために、時に多額の費用をドローンに投じている。
「機械であるドローンと人間の大きな違いは、私たち人間は同時に一連のセンサースキャンを行えることだ。一方のドローンは、目視検査に加えて、熱、音波、超音波による検査もできる。それから、X線やライダースキャンを行うことも可能である」(バン・ホイ氏)
バン・ホイ氏は、個人用および商業用のドローン市場は成長すると予想し、2017年のグローバル市場規模は34%増の6億ドルになる見込みだと語る。共著者の1人として、『世界における個人用と商業用のドローンに関する予測(2016年版)』の中でそのように述べている。それから、FAAが制定した新しい規制の経過観察期間が終わっていることから、ドローンはイノベーション期に突入する用意ができているとして、バン・ホイ氏は「企業は、いかにしてドローンをビジネスに活用していくかを考え、誰も思い付いていないアイデアや活用法を編み出すようになるだろう」と話している。
IT部門の役割は状況によって異なってくる。「その条件はデータが格納される場所とデータが処理される場所だ」とバン・ホイ氏は言う。データがオンプレミスで処理される場合は、IT部門が関与することになる。しかし、Shellyのように外部機関がクラウドでデータを処理する場合、IT部門にできることはないに等しい。
それでも、ドローンへの投資話にCIOを巻き込むのは企業にとって戦略上プラスに働く。バン・ホイ氏は、各種業務を遂行するセンサーを搭載した「飛行型プラットフォーム」としてドローンを見なすことをCIOに勧めている。しかし、他の新興テクノロジーと同様、ドローンに投資する前に、ドローンで自動化するのが適切なプロセスを特定することが重要だ。
企業は確実に共通のドローンプラットフォームを使用するようになる。「このようなテクノロジーでは、全てに適合する1機を探すようにいつも勧めている」とドローンの機体についてバン・ホイ氏は言う。共通の機体を使えば訓練は少なく済み、柔軟性が高まる。企業は、さまざまなモジュールをドローンに搭載して各種業務を遂行できるようになる。
また、バン・ホイ氏は、新たな規制によってBYOD(私物端末の業務利用)のような動きが生じる可能性についても警告している。具体的には、従業員が趣味のドローンを職場に持ち込んで、特定のプロセスでドローンを活用する方法を試すといったことだ。
ドローンの活用方法を模索するという点では、私物のドローンは企業にメリットをもたらすが、問題を引き起こす可能性もあるとバン・ホイ氏は次のように指摘する。「理想の世界では、従業員が私物のドローンを飛ばすことは誰も望まない。このような状況で本当に必要な法的な支配権がないからだ。私物のドローンはどこに飛んでいくか分からない」。バン・ホイ氏は、CIOに対して状況別にルールを作成することを推奨している。例えば、ドローンが交通事故の現場を捉えたら、その情報をどのように扱うのかを明確にするなどだ。
CIOが立ち向かわなければならないもう1つの懸念事項はセキュリティだろう。「ドローンは接続機器だ。そのため、ネットワーク上にある他の接続機器と同じように取り扱わなければならない」とバン・ホイ氏は話す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
9
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
10
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー