予算皆無で「モノ」をどう売り込む?
IoTベンチャーが飛びつくべき5つの“無料マーケティング戦略”
多くの企業によってチャレンジが続くIoT市場。その中で自社の製品を売り込むには効果的なマーケティング施策が重要だ。無料で取り組むことができる施策を紹介する。
展示会の世界では、IoT専門のイベントが最もホットなトレンドになっている。そうした数あるイベントの1つで展示をしたり、近い将来、そのための予算を拠出したりする読者もいるかもしれない。そうしたイベントのベテランとしていえる確かなことが1つある。この種の展示会には、私が「10×10」と名付けた企業が詰めかけるという事実だ。どんな展示会でも出発点となる標準的な10フィート×10フィートのブースのことを、私は10×10と呼んでいる。この「ビギナー」用のブースがこれほど集中している業界は、モノのインターネット以外にはないかもしれない。
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この事実について多くの人は、展示会ビジネスの業界関係者にとってのみ重要な統計として片付けるだろう。だが実際のところこれは、IoTの現状をはっきりと物語っている。すなわちこれは、IoTというイノベーションの膨大なエコシステムの中で、自分たちの「モノ」に注目してもらおうとする数多くの非常に小さな企業で構成される。そうした「10×10」の展示企業は、社員2~3人足らずで予算も非常に限られる企業が相当数を占める。多くは1つの展示会に出展し、次の展示会の前に消えていく。それが現在のIoT業界だ。このイノベーションの貨物列車に乗り続けることは難しく、脱落するのは簡単だ。
例えばあなたもそうした10×10の一員で、業界や世界と共有すべき素晴らしい「モノ」の持ち主かもしれない。だが、ほとんどの10×10と同様に、その才能は、エンジニアリング、ソフトウェア、クラウド、機械学習といった技術をベースとしている。Webサイトやベーシックなソーシャルメディアの外で宣伝を行い、自分たちを正しく売り込む方法についての確固たるアイデアも経験もない。そしてもちろん、出資を受けていてもいなくても、資金は限られる。
では、予算が限られた、あるいは皆無の状態で、自分たちの「モノ」を効果的かつ効率的に分かりやすく宣伝し、売り込むためにはどうすればいいのか。何かを試みる場合、資金だけ費やして目に目える成果が出ないまま、予算が蒸発していく展開になっていないだろうか。競合他社はどうやって新市場に入り込み、注目を集めているのか考えたことはあるだろうか。
10×10企業が破綻することなく自分たちの「モノ」の宣伝や売り込みを行い、認識を高めてもらうため、そしてビギナーブースから抜け出すために、以下に5項目の助言を紹介する。
1. ロールモデルを見つける
人生の中で何かを達成したい場合、何の助言も求めないまま手探りで進むことも可能だ。私たちは誰もが、自分のアイデアを成功する製品や会社へと進化させたいと思っている。IoTにとって最大級の課題は、このエコシステムに内在する複雑さを克服し、非技術者を含めてあらゆる人に理解してもらえるやり方で、自分のメッセージを伝えることだ。
自分よりも前にそれを成功させ、ツールや技術を駆使した経験の持ち主をみつけない限り、何度も過ちを繰り返す公算は大きい。それはまねではなく、何が成功をもたらしたのかを分析し、自分のビジネスにもそれが活用できないかどうかを見極めることだ。ロールモデルはCisco SystemsやIBMやVerizonでも、10×20に昇格した他の10×10企業でも構わない。
例えばBoschのキャンペーンを例にとると、同社は楽しく分かりやすいやり方で、IoTの数多くのメリットを紹介している。このCMを見れば、Boschがなぜ、IoTを主導する企業になったのかが分かる。Boschに学んで楽しくクリエイティブなビデオを制作すれば、顧客を魅了して、もっとかかわりたいと思わせることも可能だ。
ロールモデルが見つからなくても、他社が自分たちの製品をどう宣伝しているのかは、YouTubeで検索できる。Boschを手始めに、真に「枠組みにとらわれない」流れをつかみたい。
2. ネットワーク作り
企業は成功のネットワークを通じて、似たような関心を持つ他の組織やグループや個人と手早く接触できる。読者は間違いなく、既にFacebookやLinkedInといったサイトを使っているだろう。そうしたサイトは、コストを一切かけずにスタートを切る素晴らしいチャンスを提供してくれる。
だが、このようなツールを最も効果的に使う真の手段をご存じだろうか。
的確なアドバイスをしてくれたり、同じような関心事を共有したりできるメンバーを集めるため、LinkedInに自分でグループを作ってはどうだろうか。または、IoTにフォーカスした既存のグループに参加して活発に活動するメンバーになり、他のメンバーと出会って一定の内容を共有しながら、そのグループから助言を引き出す。だが、もしこうした全てが自分にとって新しいことだとしたら、まずは1番目のアドバイスに従って、他の人たちがどのように人脈を築き、そうしたサイトをどう効率的に使っているかを知ることが望ましい。
3. Copybook
あまり知られていないプラットフォームだが、私が利用して素晴らしい成果があったのが「Copybook」だ。このグローバルビジネスネットワークでは、どんな会社でも、情報や写真、ビデオ、ソーシャルメディアへのリンクなどを無制限に掲載できる。実際の展示会や世界中のイベントに自分自身を登録することもでき、しかも全て無料だ。私たちは自分の会社を登録した瞬間から、ビジネスプロフィールがCopybookのネットワークを横断して共有され、即座に500を超すつながりができて、そのうちの一部は引き合いや新しいビジネスに結び付いた。
これは最もエキサイティングな発見だった(ここには1番目のロールモデル探しから行き着いた)。LinkedInが世界のビジネスユーザーを結び付けるのに対し、Copybookは世界中の企業を結び付ける。ぜひチェックしてみてほしい。登録と自分の会社のプロフィール作成は簡単で、手早くできる。それからこの貴重なツールを最大限に活用して、世界で自分の会社の知名度を高める方法を研究するといい。
4. 見込み客や顧客に尋ねる
人は多くの場合、見込み客や顧客に対して自分たちの製品への意見を求めたり、他に何を提供してほしいかを尋ねたりすることに二の足を踏む。だがそれはおかしい。相手は自分が満足させようとしている貴重な顧客なのだから。
相手のビジネスのことを知り、IoTについての理解度を知る。IoTとは、ただ単に「モノ」をつくれば出来上がった市場があって、製品を全て買うことで感謝を示してもらえるという場ではない。まずはターゲットとする市場やそのニーズを把握し、それをどう満たすことができるかを考えなければならない。
自分の会社についての意見を求め、他にニーズがある場合は、自分の会社がそのニーズを満たすために何ができるかを尋ねる。まずはコンサルタントになることだ。そうすれば、見込み客や顧客が教えてくれる方向性や展望に目を見張るだろう。
5. 出来事から学ぶ
企業がさまざまな手段を試しながら、どれがうまくいったかについて正確な記録を残していないこともありがちだ。それから数カ月たつと、また同じような状況に陥って、再び同じ過ちを繰り返すこともある。
どんな営業や宣伝の戦略を試すにしても、何をやって、結果がどうだったかに関する正確な記録を毎回つける必要がある。タイミング(曜日、週、時刻など)、聞き手(誰に向けたキャンペーンだったのか)、規模(聞き手がどれくらいいたか)、自分がしたことの正確な描写などを、詳細に記録する。「悪魔は細部に宿る」という言葉は、あらゆる宣伝キャンペーンに当てはまる。
展示会は10×10のブースでさえも高額だ。IoT展示会に出展して、その展示会で可能な限りの測定値を追跡していないということがあるだろうか。もしあったとすれば、今すぐ私をIoTコンサルタントとして雇う必要がある。そうすれば、あなたを軌道に乗せ、資金の浪費を食い止めさせることができる。全ての展示会から測定値を集めなければならないのは、自分の会社が使うあらゆるマーケティングや営業、販促プログラムに努力を注ぎ込まなければならないのと同じことだ。
時間は貴重だ。資金には限りがある。ビジネスの成否は、この両方をいかに賢く使うかにかかっている。10×10は出発点にすぎないことを忘れてはいけない。あなたの成功に向け、幸運を祈る。
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