戦略を立てるために理解すべきこと
IoTのビジネスチャンスはどこにある? 素通りできない「5つの戦場」とは(1/2 ページ)
IoTは「1つの市場」ではない。独自のチャンス、課題、キープレーヤーが存在する「5つの重要な戦場」と見るべきだ。まずは戦場の力学を知っておきたい。
ロボットは多くのヒューマンエラーをなくすが、他のテクノロジーと同様に完璧なものではない。自動車の製造に数千台ものロボットを使用しているGeneral Motors(GM)は以前、組み立てラインが停止し、多額の損害をもたらしたことがあったが、生産の遅れが発生するまでロボットの故障に気付かなかった。
同社は最近「Zero Down Time Application」というツールに解決策を見いだした。このツールは、Fanucの工業用ロボットシステム、Rockwell Automationのソリューション、Cisco SystemsのIoTとクラウドソフトウェア、クラウドインフラを利用して開発されている。また、このツールはGMのロボットから生産データを収集して分析することで、必要な修理を予測して部品を注文し、問題の肥大化を防いでいる。GMはこのシステムを5カ国27か所の工場に導入している。
このような革新に触れたときに経営幹部が考えるのは「私たちはIoTテクノロジーによって何を目指しているのか。また、どのくらいの期間でその目的を達成できるのか」ということであろう。
IoTベンダーと分析ベンダーが提供するソリューションの市場は、2020年までに4500億ドル以上に拡大することが見込まれている。アニメ「宇宙家族ジェットソン」さながらに多くの新しいデバイスがウェアラブルツールやアプリベースのツールになるのは間違いないだろう。だが、恐らくそれよりも多く見られるようになる革新的なツールがある。これらのツールは、製造業がアルゴリズムを利用して製品の欠陥を検出できるようにしたり、自治体がセンサーによって交通システムを管理できるようにしたりする。
IoTの世界における覇権争いは大手テクノロジー企業には避けられない。多くの企業は買収によって市場を積極的に占有しようとしている。Ciscoは2016年2月にJasper Technologiesを14億ドルで買収している。Jasper Technologiesは、企業がIoTサービスを管理しやすくするサービスプラットフォームを開発したベンダーだ。また、IBMは2015年にThe Weather Companyの気象データテクノロジー事業を買収し、同社のIoT開発者が開発中の製品に気象予報データを統合できるようにしている。
IoTの周辺が勢いづく一方、多くのテクノロジー企業は黎明(れいめい)期にあるため、この複雑な市場にどう参入すべきかを考えあぐねている。筆者が働くBain & CompanyではIoTを「1つの市場」ではなく、独自のチャンス、課題、キープレーヤーが存在する「5つの重要な戦場」と見なしている。慌てて参戦する前に、この戦場の力学を知っておくことが肝要だ。
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