体験版で知るWindows Server 2016操作テク【第8回】
Windows Server 2016評価版をインストールする──Active Directory設定編(2/2 ページ)
フォレストとドメイン
Active Directoryは、「ドメイン」という単位でユーザーやPCを管理する。多数のユーザーやPCがあり、地理的にも離れた場所にあって、単一のネットワークを構成するのが難しい場合には、ドメインを複数作ることもできる。ドメインは必ず後述する「フォレスト」に属している。始めてドメインを作成した場合には、同時に新規のフォレストも作成する。
フォレストは信頼関係を持つ複数のドメインが所属している仮想的な領域だ。ただし、フォレストは複数のドメインを独立して作成し、複数のフォレストを作った場合に意識する必要があるだけで、ドメインを1つないし2つ作っただけの場合はそれほど意識する必要はない。覚えておく必要があるのは、全てのドメインは、必ずフォレストに属していて、ドメインが存在しないフォレストはありえない点だ。
ドメインは、Active Directoryの管理単位だが、インターネットのドメインネームシステム(DNS)との混同を避けるため、「Active Directory ドメイン」(以下、ADドメイン)などと表記する場合もある。
ADドメインには名前を付ける。基本的には、組織が使っているインターネットドメイン名(DNS名)の使用を推奨している。これは、インターネットとは関係なく開発したActive Directoryが、インターネットの普及でその一部を取り入れたためだ。ドメインに組織のDNS名に準じた名前を付けることで、DNSやDHCPといったインターネット由来のネットワークサービスとの親和性が高くなる。インターネットが必須の現代企業では、DNSやDNS名の管理は必須のはずだ。このような場合、組織内ネットワークにDNSサーバを設置する必要があるが、Windows ServerにはDNSサーバという“役割”があって、これを利用できる。このような場合にADドメイン名をDNS名と関連付けておくことでWS16のDNSサーバの管理が容易になる。
例えば、「example.org」というルートDNS名を持つ会社では、ADドメインに「corp. example.org」などの名前を付ける。Active Directoryの名前なので、作っただけではLANの外(つまりインターネット側)から、このDNS名でアクセスできないが、社内のLANでActive Directoryを使う場合には、WS16で動作する社内向けのDNSサーバ(という役割)を使ってドメインコントローラー(その機能については後述)のアドレスが分かる。なおActive Directoryの設定では、組織のDNS名とは無関係の名前を付けることもできる。
Active Directoryによるユーザー管理では、ネットワークに存在する「ドメインコントローラー」という役割を持つサーバが情報を持つ。WS2016で、Active Directoryを設定することは、WS2016に「ドメインコントローラー」という役割を持たせ、その設定として自らのADドメインを設定する意味に等しい。
ドメインコントローラーは、ユーザー情報を管理するため、クライアントマシンからログオンする場合には、ドメインコントローラーにログオンしようとしているユーザーについて問い合わせをする。このときドメインコントローラーが応答できないと、クライアントではログオンできない。ハードウェア故障などに備え、ドメインコントローラーは、複数用意しておきたい。ある時点でメインに使っているドメインコントローラーを「プライマリードメインコントローラー」(Primary Domain Controller。PDC)という。PDC以外のドメインコントローラーは全て「セカンダリー・ドメインコントローラー」(Secondary Domain Controller。SDC)となる。
次回は、Active Directoryの設定を具体的に見ていくことにしよう。
この連載ではWS16の期限付き評価版=体験版を実際のPCにインストールして、その新機能を実際に検証しながらその使い方を紹介している。インストールして検証するPCには、ドスパラ法人事業部の協力を得て、「DP EXPERT WS1」を使用している。 主な仕様は次の通りだ。
| CPU | Intel Xeon Processor E5-1620 v4(4コア8スレッド、動作クロック3.50GHz、キャッシュ10MB)1基 |
|---|---|
| チップセット | Intel C612 Chipset |
| システムメモリ | 16GB(ECC、Registered機能搭載、容量8GBのDDR4-2400×2枚) |
| ストレージ | 1TB(データ転送速度6Gbps、回転数7200rpmのSerial ATA準拠HDD) |
| グラフィックスカード | Quadro K620(グラフィックスメモリ2GB) |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー