「仮想」「物理」の選択で鍵となる要素は
仮想デスクトップインフラ(VDI)導入に失敗した企業は、何を見落としていたのか?(2/2 ページ)
アプリケーション要件
アプリケーションは多くの組織にとって必要不可欠だ。従来の物理デスクトップ環境では、IT担当者がアプリケーションをインストールまたはアップデートする時、全てのユーザーは自社のLANに接続している必要がある。アプリケーションのアップデートは思わぬ問題に直面することがある。例えば会計担当者が幾つかのアプリケーションを開きつつ四半期末のレポートを作成している場合や、マーケティング担当者が緊急ミーティングに出席するため不意にコンピュータをシャットダウンしてしまう場合などだ。
アプリケーションの利用やメンテナンスに関するこうした課題の解決に、VDIは役立つ。IT担当者がアプリケーションのアップデートをしたり、変更を加えたりすることが必要な場合でも、ユーザーのデバイスには影響がない。IT担当者は単に仮想デスクトップのイメージ(テンプレート)をアップデートするだけだ。ユーザーが次にログインしたときには新規の、または更新されたアプリケーションが利用可能になっている。さらにVDIはアプリケーションを集約するため、ユーザーは使用しているエンドポイントの種類に関わらず同一のアプリケーションを利用できる。
ユーザー目線
一般的にユーザーは環境変化を好まない。VDIか物理デスクトップのどちらにするかの決定においては、ユーザー目線を忘れてはいけない。自分のスマートフォンで会社のメールを使用しているユーザーはすでにたくさんいる。そのためBYODへの抵抗は通常、ほとんどない。ユーザーは多くの場合、さらに一歩踏み込んで、遠隔からの業務用リソースの利用を望んだりしている。
自分のコンピュータに固執する従業員がいると、場合によってはVDIに移行する前にユーザー教育が必要になる。仮想化はユーザーの働き方に大きな変化をもたらす。こうした変化に対するユーザーの抵抗が強いと、VDI導入の正当化に暗い影を落とすことになる。
VDIはユーザーにとって簡単なものであるべきだ。質の良いユーザーエクスペリエンス(UX)を実現するには、IT担当者は舞台裏でのさらなる尽力が必要となる場合がある。また複雑な周辺機器が多数関与するため、まれにユーザーはパフォーマンスの低下を感じることがある。例えば古い周辺機器は、新しいクライアントOSでは正常に機能しない場合がある。IT担当者が古い周辺機器を最新版にアップデートしたり、スクリプトを記述してユーザーの手動操作を可能にしたりすることが必要な場合もある。
仮想デスクトップおよびVDIは、必ずしも全ての組織に適しているわけではない。事業要件やコスト、アプリケーションに加え、ユーザーがVDIを受け入れているかどうかが、正しい選択をするための重要な基準になるのだ。
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