「Facebook BusinessとGoogleの合わせ技」が実現する可能性も
iPhoneで使えるAppleの企業向けメッセージ「Business Chat」が大注目の訳(3/3 ページ)
検索機能もGoogleからAppleへ移行するか
Googleは、今挙げたような機能を備えていない。近年、同社は「Google Jibe」や「Hangouts」「Allo」など、複数のメッセージアプリに投資してきた。こうしたアプリは、Android端末で、メッセージ機能として使用可能だ。
ただし、上に挙げたアプリは、どれもAndroidユーザーの間にそれほど浸透していない。独特の使いにくさもあり、日常の場面で十分に利用されていない。Facebookなどのソーシャルネットワークにとっては、このことは、「Android向け業務用チャット機能を提供し、顧客や企業の信頼得る時間が残されている」という意味で好都合だ。
Business Chatの利用がApple端末のユーザーに制限されたとしても、Appleは利益を増し、Googleの利益を減らすだけだろう。同制限により、Apple端末のユーザーは、GoogleからAppleへ検索機能をシフトするからだ。顧客行動データや購買活動から生じる利益なども、GoogleからAppleへ移動するだろう。こうした動きは、iPhoneの価値をAndroid端末から差別化する可能性もある。
こうした、Androidの“弱点”は、ソーシャルネットワーク企業が独自のビジネスチャットを開発し、一般ユーザーや企業の信頼を勝ち取る未来をもたらすだろう。Googleの敗北は明白だ。
Business Chatが音声通話と動画通話を搭載しない理由
Business Chatのデペロッパープレビュー版に、未実装の機能が1つある。それは、音声および動画による通話機能だ。Appleは、同様の機能を「FaceTime」で提供しており、Business Chatには盛り込まないことを決定した。これは、妥当な判断といえる。Appleが、Business Chatに新たな機能を追加するには、同アプリを通して知見を得る時間が必要だからだ。
Appleは、iMessageを介してBusiness Chatを提供するだけでなく、APIを追加し、同製品を企業向けの優れた統合サービスに作り上げた。
今後、Business Chatに音声や動画による通話機能を追加するためには、同社は、現段階で同製品のサービス対象とは呼べない開発段階のコンタクトセンター向けサービスも視野に入れるべきだ。同様の段階にあるコンタクトセンターがうまく軌道に乗るか、既存のオンプレミス型コンタクトセンターに組み込まれるまで待っていては、同社にとっては時間が足りないだろう。ただし、開発段階のコンタクトセンター向けに多種多様なサービス展開を可能にするには、今後さまざまな困難があるだろう。Appleは、時期が熟すまで、音声や動画の通話機能提供を待つのが賢明だろう。
Appleは、消費者に未来の世界を見せ続けている。同社は、未来型のコミュニケーションの姿を先導し、企業に対して必要な機能を隅々まで提供するだろう。消費者に対して、同社は洗練されたユーザーエクスペリエンスやプライバシー保護を続けると考えられる。
企業向けサービスにおけるAppleの勝利は明白だ。Business Chatの正式公開は、遅くとも2018年には開始するだろう。
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