正統派2-in-1の頂上決戦
徹底比較: 2017年モデルの「12.9インチiPad Pro」vs.「Surface Pro」、決め手は“どっちのOSが好きか”?(3/3 ページ)
ソフトウェア
Surface Proと12.9インチiPad Proの比較では、全く異なるそれぞれのOSが非常に重要な領域になる。その違いは次のようにまとめられる。WindowsはデスクトップPCの原動力となるために作られたが、マウスと物理キーボードのないタッチスクリーンコンピュータで実行されるように長い年月を掛けて修正されてきた。一方iOSはスマートフォンで実行するために作られたが、もっと大きなディスプレイと物理キーボードで使用するために修正されてきた。つまり、もっと簡単に比較すると、iOSの方がシンプルで、Windowsの方がパワフルだということだ。
Windowsは多くのユーザーに愛用されており、それには相応の理由がある。Windowsは膨大なアプリを使用できる非常に優秀なOSだ。Windowsを長年使ってきたユーザーは、Windowsの問題にあまりにも慣れてしまい、もはやそうした問題に目を向けなくなっている。例えば、大半のサードパーティーアプリは指で操作できないため、スタイラスペンやトラックパッドが必要になる。さらに厄介なのは、どのようなWindows搭載PCでも基本的にはウイルス対策アプリが必要になることだ。その上、こうしたアプリを毎日更新することが欠かせない。
iOSにはWindows並みのパワフルさがない。だが多くのユーザーにとってそれは弱点ではなく、長所になっている。iOSは多くの人が必要としている作業に対応できる。その上、扱える領域を限定することで複雑さを減らしている。セキュリティ面も非常に優秀だ。2016年には連邦調査局(FBI)がiOSデバイスのセキュリティを突破できなかったことが世界的に報じられた。だが、もっと機能を必要としているユーザーがいるのも事実だ。機能は着実に追加されているが、それによってiOSのまとまりがなくなってきている部分もある。
一例として、異なるバージョンの「Microsoft Word」を取り上げよう。Windowsバージョンは極めてパワフルで、非常に複雑だ。企業の年次報告書をまとめるためにMicrosoft Wordを使用するビジネスユーザーにはうって付けとなる。しかし、これだけ機能が豊富だと、5つの段落で構成するレポートを作成したいだけの学生は圧倒されるだろう。一方でiOSバージョンは、ビジネスユーザーと学生がレポートや報告書を作成するのに必要な全ての機能を搭載する。だが高度な機能を一部用意していないため、経営幹部や研究者の中にはあまりにも物足りなさを感じるユーザーもいる。
提供されているiOSの最新バージョンは「iOS 10」だが、「iOS 11」も既に発表されている。iOS 11では、アプリ切り替えの改善やファイルシステムのアップグレードなど、iPad Proが大きく強化されることになる。
ワイヤレス
12.9インチiPad Proは無線LAN規格のIEEE 802.11a/b/g/n/acに準拠している。Surface Proも同様だ。そのため、どちらも公衆無線LANに同じくらい素早く接続できる。なお、どちらもイーサネット端子は搭載していないが、アダプターを提供している。
Surface ProはBluetooth 4.1を利用できる。対して12.9インチiPad ProはBluetooth 4.2を利用できる。Bluetooth 4.2の方が高速かつ省電力だが、対応アクセサリーがほとんどない。そのため、平均的なユーザーにとってはどちらでも変わらないだろう。
本稿執筆時点では、12.9インチiPad ProユーザーのみがLTE回線を利用可能な「Wi-Fi + Cellular」モデルを選択できる。ほぼどこでもインターネットにアクセスできるため非常に便利だ。Microsoftによると、LTE対応のSurface Proは2017年後半に登場する予定だという。
バッテリー持続時間
Intelはプロセッサの消費電力の削減において飛躍的な進歩を遂げている。Surface Proに搭載されている「Kaby Lake」チップは、以前のバージョンのIntel製チップより省電力でありながら高速化もされている。そのおかげで、Core i7モデルのSurface Proでさえ、実際の用途で6時間ほどバッテリーが長持ちする。少し節約しながらであれば、1日の業務時間に十分対応できる持続時間だ。Core m3モデルなら普通の使い方で8時間持続すると考えて問題ないだろう。
Appleの「A」シリーズプロセッサは常に省電力だ。12.9インチiPad Proもその恩恵を受けている。実際にテストしたところ、1回の充電で12時間以上も持続した。長時間の業務をした後で映画を鑑賞するのにも十分な時間だ。
結論
Windows 10の全機能を利用するデバイスとして、Surface Proよりも優れたものは存在しないと考えている。強力なサードパーティーアプリの充実度は12.9インチiPad Proを上回り、間違いなく利点となる。それに加え、キックスタンドのおかげで設計的にも優れており、より大容量なストレージオプションも用意している。Surfaceペンも便利で、端子の使い勝手の良さでも勝っている。
12.9インチiPad Proは、移動が多いユーザー向けの超軽量デバイスとして、十分な大きさと速さを備えている。一方で、ほとんどメンテナンスを必要としない。Surface Proよりもディスプレイが大きく、大抵の場合はパフォーマンスも高速だ。バッテリー持続時間でも著しく上回っている。またサードパーティーのiOSアプリは、タッチスクリーンで使用するのに適しており、キーボードとケースのオプションも多い。
価格(原稿執筆時点の米国公式オンラインストア価格)については、799ドルのSurface ProはCore m3プロセッサ、4GBのRAM、128GBのストレージを搭載する。同価格の12.9インチiPad ProはA10X Fusionプロセッサ、4GBのRAM、64GBのストレージを搭載する。12.9インチiPad Proの方がずっと高速なプロセッサを内蔵しているが、Surface Proの方が、ストレージ容量が多い。そのため、どちらも他方に比べて大幅に価値が優れているとはいえない。
Surface Proは、Windowsファンにとっては間違いなく最善の選択肢だ。Windowsとその関連アプリの性能を余すところなく必要とするビジネスユーザーにも向いている。そのようなユーザーなら、複雑さが増したり余計な手間が掛かったりしても我慢できることだろう。
Appleの「iPhone」やもっと小さいサイズのiPadを何年も使っているヘビーユーザーは、12.9インチiPad Proをメインデバイスにすることを真剣に考えるべきだ。簡単に使えるデバイスを求めるユーザーやビジネスユーザーにも適している。ただし「その制約を理解していれば」というただし書きが付く。
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