調査から見えるユーザーの本音
ソフトウェア定義ストレージ(SDS)でも、やっぱりSSDとHDDの性能は大事
ソフトウェア定義ストレージ(SDS)は、ベンダーロックインに対する万能薬と位置付けられている。しかし、ある調査によると、ITインフラのベンダーロックインは、一時期ほど重視されなくなってきているという。
ITプロフェッショナルは、これまで何年もの間、ハードウェアとソフトウェアの決定に悩まされてきた。両者の間の適切なバランスを見つけるのが難しいためだ。一見簡単な方程式だが、解くのは難しい。ハードウェアはホストしているソフトウェアを強化し、ソフトウェアは、ハードウェアが提供する機能を余すところなく引き出すためのものだからだ。
皮肉なことにストレージベンダーは、この状況では救世主になれそうもない。両者が合理的に最大の効果を発揮するように、ハードウェアとソフトウェアを極限まで微調整した(製品を発売した)からだ。また、そのサービスは、実は(ユーザーにとって)かなりの犠牲を伴うものだった。世間で広く恐れられている、ベンダーロックインだ。ソフトウェアは順調に動作し、ハードウェアの動作も軽快だ。しかし、このように最高の調和を見せるのは、両方を同じベンダーから購入した場合に限られる。
ただしこれは今に始まった話ではない。だからIT業界で長く働く者たちは皆、特定のベンダーに縛られてしまうという恐怖は、とっくの昔に乗り越えていた。「ベンダーロックイン? これがIT業界の現実だ」と割り切っていたのだ。
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ハイパーコンバージドとSDSの関係
ハードウェアとソフトウェアの綱引きは続く
ソフトウェア定義ストレージ(SDS)製品は、他分野のソフトウェア定義製品と同じような進歩を遂げてきた。SDSは、ハードウェアとソフトウェアを緊密に組み合わせるベンダーロックインを回避するための救済策として位置付けられている。プロプライエタリなハードウェアをかみ砕き、自由な方法でデータセンターを構築するための方策だ。
SDS製品に対して、世間の期待は高まっている。ストレージソフトウェアを特定のハードウェアコンポーネントから切り離すことで、自由度が増し、コストが削減できるはずだ。そう言える場合も確かにある。ただし、そうでない場合もある。
世論調査:SDSの功罪
ストレージ仮想化市場に早くから参入し、現在はその製品をSDSに転換させた企業であるDataCore Software(以下、DataCore)は、このほど調査を実施し、 同社の年次市場調査レポートの最新版で、SDS製品の購入者の期待に関する知見を紹介している。
DataCoreの調査によると、サーバ仮想化は大抵の場合、より広範な仮想化データセンター実現への第一歩だが、これを実施することで新しいインフラの弱点が露呈する場合もある。興味深いことに、そしてハイパーコンバージド装置の狙う方向とは対照的に、回答者の31%は「仮想化アプリケーションでは高可用性を確保するために共有ストレージが必要だ」と答えている。同様に、29%の回答者は「仮想化後にアプリケーションのパフォーマンスが低下した」と感じている。また、これは驚くに当たらないが、同じく29%が「仮想化によって、アプリケーションのためのストレージの最適な設定が難しくなった」と指摘した。
それでもユーザーは、SDS製品に対して多くの希望を抱いている。DataCoreのアンケート調査回答者の55%は、SDSを導入すればストレージの管理を簡素化できると期待している。53%はインフラストラクチャの「将来(の拡張性)を心配する必要がなくなる」と答えた。また「既にインストールしているストレージリソースの寿命が延びることを期待する」と答えた者は47%に上った。さらに(ベンダー)ロックインの問題は、今回の調査でも浮上した。自社のIT環境が特定のベンダーの製品に縛られるのを回避する手段としてSDS製品に期待する回答者は52%だった。
こうした調査結果の中で目を引いたのは、ソフトウェア制御の世界の中では全てが稼働中なのだから、ハードウェアは(事実上)老朽化しないと考えるユーザーが現れたことだった。
SDSアプライアンスとは:皮肉なのか、それとも巨大な鉄の塊か
従来のストレージベンダーはほぼ全社が、そして多くの新興企業がSDS製品を発売している。そして想像の通り、そのほとんどの企業が、自社で構築した、または自社製品向けと認定したハードウェアにソフトウェアを搭載して販売している。ソフトウェアはハードウェアから切り離されているかもしれないが、両者は完全に分離しているわけではない。これは少しベンダーロックインの雰囲気が感じられないだろうか。
加えて、SDS製品はハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)というよりむしろサーバSAN(Storage Area Network)に近いが、大多数の人が、SDSはHCIと同じものだと考えている。再びDataCoreの調査結果を引用すると、ハイパーコンバージドにも高い期待が寄せられている。HCIに管理の簡素化を期待する者が回答者の約半数(48%)を占め、次いでスケールアウト拡張(39%)とハードウェアコストの削減(35%)も、重要な考慮要因として挙げられていた。
HCI実装の成功例はそうでない例の数をはるかに上回ることは疑いようもなく、スケーラビリティと管理の容易さはゆるぎない事実だ。ただしハードウェアのコスト削減は、想像ほど容易にできることではない。SDSベンダーは、Frys(米国のPC・家電量販店チェーン)の廉価版コンポーネントを搭載した安価なホワイトボックスサーバをベースにしたアプライアンスを出荷している可能性もあるが、それでもこれは各社の看板となる、トップクラスのパーツを搭載した高度なサーバシステムだ。ソフトウェアが本来の力を発揮するには、実行するための強固なプラットフォームが必要だ。そして、ハイエンドで、認定を受け、テストも済んだ、事前設定済みのサーバは、HCIを語る場合にしばしば使われる「コモディティサーバ」というフレーズ(から想像するもの)よりは随分高価なものになる可能性がある。
アプリが定義するストレージ
最近、データセンターインフラストラクチャに関する議論の論点はかなり、「ストレージ」からデータ中心のモデルに移りつつある。しかしこの状況は、ストレージのプロフェッショナルにとって目新しいことではない。コントローラー、HDD、SSDなどと長い間付き合ってきた人々には周知のことだが、ストレージはデータの単純な保管場所ではなく、記憶域をアプリケーションの明示的なニーズに合わせるのは芸術性が要求される技だ。SAN、NAS、オブジェクトストレージ、SDS製品の中からどれを選ぶにせよ、大切なのは、社内用アプリケーションに適切な種類と量のストレージを配置することだ。
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