AIを搭載すれば複雑な質問にも答える
「Alexa」「Google Home」で注目、音声アシスタント市場はどこまで広がる?(2/2 ページ)
VoiceBox Technologies:音声入力とIoT製品を自動車とモバイルデバイスに搭載
「2001年に設立し、コンテクスチュアル音声認識技術と自然言語理解(NLU)製品・サービスのプロバイダーであるVoiceBox Technologiesは、音声認識技術分野で自動車、スマートフォン、ウェアラブルデバイスのメーカーと提携してきました」と、同社の共同設立者兼会長のマイク・ケネウィック最高経営責任者(CEO)は述べた。
VoiceBox Technologiesは音声コントロール機能を統合しようとしているOEM企業に、IoT対応可能製品を通じてインテリジェント技術やコンテクスチュアル音声入力技術を提供する。
「当社では2008年に、コネクテッドカー向けに音声認識技術の供給を開始しました。今日では、『レクサス』と『サイオン』を含めてトヨタが北米で生産する全ての車両にこの技術が採用されています。当社とNuance Communicationsが自動車分野では最大のシェアを占めています」(ケネウィック氏)
VoiceBox Technologiesは、2016年にWindows、LinuxおよびAndroidプラットフォーム用の「VoiceBox Automotive Software Development Kit(バージョン5.0)」を発表した。組み込み型自動音声認識エンジンとコンテキスト管理を完全統合し、VoiceBox Technologiesは自動車メーカーに対して車載音声システムを強化する単一製品を提供している。
IoT製品の登場以来、VoiceBox Technologiesはコネクテッドカー用プラットフォームを携帯電話に拡大適用した。例えばVoiceBox Technologiesは、Appleの「Siri」の競合製品である、Samsung Electronicsのハイエンドスマートフォンに搭載されている「Bixby」の自然言語処理を担っている。
「異なるデバイス間にまたがってユーザーエクスペリエンス(UX)を提供する、という私たちのビジョンが現実のものになりつつあります。それらのデバイスとやりとりする方法は、音声と自然言語理解によるものです」とケネウィック氏は語った。
VoiceBox Technologiesは、Samsung ElectronicsのIoT用オープンデータ交換プラットフォームである「Artik Cloud」などの標準ブリッジングプラットフォームを採用することで、そのビジョンを拡大している、とケネウィック氏は述べた。Artikクラウドプラットフォームを追加することで、多くのIoT製品に相互接続性を提供する。VoiceBox Technologiesのツールと機能をArtikプラットフォームに公開することで、同社はさらに多くのアプリケーションや製品に接続できる方法を得るのだ。
ケネウィック氏によれば、VoiceBox Technologiesは自然言語理解(NLU)技術を提供した最初の会社であり、現在も、市場で最も堅牢な産業用NLUを所有している、と考えている。
「私たちは進化し続けており、現在はNLUへの人工知能(AI)導入に取り組んでいます。これを『音声AI』と呼んでおり、2017年中の出荷を予定しています。私が知っている限りでは、当社が『音声AI』製品を最初に出荷することになります。これにより、今まで誰もなし得なかった事が当社の技術で可能になります。AI技術を使えば、曖昧な質問に対しても適切な回答をすることが可能となるのです」と、ケネウィック氏は続けた。
音声AIは、さまざまなソースから構造化/非構造化されたデータを取り出し、ユーザーからの日常会話程度の質問だけでなく複雑な質問にも答える。例えば、ドライバーは車載システムに対し、メインストリート沿いにあるChevronのガソリンスタンドの横にあるすし屋を探すよう命令できる。
「これは、実際にタクシー運転手やコンシェルジュへ話し掛ける際と同様の話し掛け方になります。だからAIを使うと、このすし屋は『銀座』という店名であることも分かります。ユーザーは、そのお店の住所と電話番号を他の2人にも送信するように車載システムに命令することもできるのです」とケネウィック氏は説明した。
この場合、2つのタスクを実行することになるため、より複雑な処理となる。システムは情報を取得し、それを両人にどのように送信するのかを見つけ出さなければならない。
「ユーザーの使い方から学習を重ね、そのような曖昧な要求の解決に役立つ推論機能が実装されています」とケネウィック氏は述べた。「私たちは、IoT製品に対するUXをより一層人間に近づける、という意味で変革をもたらすと考えています。つまりコネクテッドカーは、IoT製品の1つの節目にすぎないのです」
音声入力技術の基盤である構成単位の提供
Nuance Communicationsのデバイスおよびエコシステム担当バイスプレジデント、ケン・ハーパー氏にとっては、IoT製品に搭載できる音声入力技術の可能性は無限だ。企業や消費者向けのクラウドベースの音声および言語製品を提供する同社は、「ドラゴンスピーチ」という音声認識・音声入力ソフトウェアを展開している。
「自動車やスマートホーム内のデバイスにIoTを組み込むことができます。ロボティクス、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)などの新しい技術分野に組み込むこともできます。これら全てのデバイスに共通するのは、話し言葉が主要なインタフェースになりつつあることです」とハーパー氏は語った。
例えばスマートホームの場合、利用時には直感的なインタフェースが必要であり、携帯電話のコンパニオンアプリに頼ることなく、さまざまなスマートデバイスと対話できる共通した方法が必要である。音声や自然言語はテレビ番組へのアクセスを可能とする一方で、テレビはスマートホームの主要なユーザーインタフェースとしても機能する。
同社が想定する次のような状況を考えてみよう。ユーザーは「ウィル・フェレルが出演しているコメディー映画を探して欲しい」と言ってテレビの動画コンテンツを検索する。そしてしばらくして、ユーザーはドアをノックする音を聞き「どなたですか」と尋ねる。ドアの外の様子は、統合型ホームセキュリティシステムからのライブビデオストリームで確認できる。この時点で、彼は友人が到着したことを知り、スマート照明システムを制御するためにテレビに向かって「照明を薄暗くする」ように命令し、映画の開始に合わせて適切な環境を作る。
「このような状況において音声、会話、そしてAIは大きな役割を果たし、幅広いニーズに対応する」とハーパー氏は述べた。「長い間、このことは私たちの活動の中心でした。これからも、活動の中心であり続けます」
Nuance Communicationsのアプローチは、スマートホーム、自動車、ロボティクス基盤のような、自社ブランドを反映し顧客が注目するサービス群のために、カスタマイズ可能な対話型インタフェース構築で不可欠な要素を顧客に提供することだ。
「私たちのアプローチは、提供する製品の幅広さで他社とは一線を画しています」とハーパー氏は述べた。「私たちは顧客に、1社と取引するだけで事足りるように、基盤となる構成単位を提供します。顧客は、さまざまなベンダーから提供される数多くの技術をつなぎ合わせる必要がありません」
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