“全員野球”で取り組むデータ活用
Airbnbはこのツールで超高速な意思決定を実現、「データ民主化」とは(2/2 ページ)
データの民主化を目指す老舗企業へのアドバイス
人工知能や深層学習など、データ主導の最先端テクノロジーを一気に導入しようとする企業もある。だが結局、「後退せざるを得なくなる。こうした分野に対応するには、事前に対処すべきことが他にもたくさんあるのが分かる」とフェン氏は述べる
アナリストのダグ・ヘンシェン氏によると、データの民主化を目指す企業は、それに付随する問題に取り組む準備が必要だという。
「適切なツールと機能を整えることになる。従業員にベストプラクティスについての指針を示すことも必要だ」とヘンシェン氏は指摘する。同氏はConstellation Researchで統括責任者兼主席アナリストを務める。
既存のレポートや分析を調整、拡張して、専門家以外が利用できるようにしている企業もある。例えば、ダッシュボードが組み込まれているツールがある。こうしたダッシュボードを使えば、普通の社員が業務を行うためのデータを確認し、データの利用方法を理解するための最初のハードルが下がる可能性がある。
データリテラシーを伸ばす場合、企業のビジネスインテリジェンスチームが重要な役割を担うこともある。こうしたチームは特定の状況でユーザーに警告を送ることができる。具体的には、ユーザーが作成しようとしているレポートが既に存在している場合や、使おうとしているツールが不適切な場合などを警告できる。また、プロセスやデータ接続を変えることにより、解決しようとしている問題を上流工程で簡単に取り除くことができる場合にも対応できる。この種のガイダンスは自然に発生するものではないとヘンシェン氏は説明する。IT部門は、従業員がデータにアクセスし、そこから円滑に洞察を引き出せるプロセスを考案する必要がある。
データへの取り組みに対するビジネス成果
フェン氏によると、より多くのデータを扱えるようにするAirbnbの取り組みは成果を挙げているという。成功事例を1つ挙げると、従業員が、顧客向けの新機能に対するA/Bテストや実験にデータツールを使用するようになっている。また、人事部門ではデータツールを使用して採用活動のコストを追跡、分析している。それにより、人材を見つける上で最もROIが高い取り組みを詳しく把握できていると同氏は説明する。
Airbnbのデータ民主化の取り組みは、データサイエンティストを含む全従業員の「スキルアップ」を実現している。つまり、より高い水準の専門能力を業務に発揮できるようになっている。従業員にデータツールを提供することで、情報を見つけ出すことではなく、意思決定に集中できるようになると同氏は説明する。同じことはデータサイエンティストにもいえる。データサイエンティストは、ビジネス部門の同僚向けにレポートを作成するのではなく、もっと複雑な問題に専念できる。
ヘンシェン氏は、セルフサービスデータのメリットとして最も早く表れるのは生産性の向上だと述べる。だが、こうした戦略によりROIが向上することも確認している。
「データの専門家や上級ユーザーは、既存のレポートを実行して調整を加え、データを収集するという業務から開放される。代わりに、ビジネスで革新的な新規分野を実現し得る新たな分析の構築に注力できる」(ヘンシェン氏)
データを民主化すると、ビジネスユーザーが順番待ちをした揚げ句に、IT部門が自分たちの要求を果たしたときにはもう要求が変わっているという事態には見舞われなくなる。そうではなく、自らデータを調査しながら新たな疑問を問いかけ、その疑問に対する答えを探すことができる。
また、このようなセルフサービスのデータ探索には見返りがあるとヘンシェン氏は述べる。「データを使って疑問を解決し、意思決定が可能なビジネスユーザーが増えれば、データに裏付けされた適切な意思決定によるメリットが蓄積される。その結果、計り知れない成果と優位性が企業にもたらされる」
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