それぞれのメリットとデメリット
「Windows 10」移行手法を比較、クリーンインストールとアップグレードのどちらがいい?
Windows 10への移行を進めるに当たり、IT部門はアップグレードによるインストールとクリーンインストールのどちらを実行するかを決断しなければならない。どちらの方法にも一長一短がある。
Windowsの旧バージョンから「Windows 10」への移行を検討する際、IT部門にはアップグレードによるインストールとクリーンインストールの2つの選択肢がある。
アップグレードによるインストールの場合は、Windowsの旧バージョンを搭載するPCを使ってWindowsインストーラを実行することになる。旧バージョンのWindowsに対してアップグレードを実行すると、デバイスにインストールされているプログラムとユーティリティーは全て、デバイスの環境設定やカスタマイズ情報とともにWindows 10に引き継がれる。一方、クリーンインストールはブートドライブとシステムドライブを再フォーマットし、従来のWindows環境の痕跡を全て消去した上で、新しいOSを一からインストールする。
Windows 10への移行準備を進める企業が増えつつある。どちらの移行方法が自社に適しているかの見極めは重要だ。
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Windows 10移行の成功事例
アップグレードによるインストール
アップグレードによるインストールの長所は何よりもまず便利であることだ。Microsoftが提供するアップデートツール「Windows 10 Update Assistant」を使用するか、更新管理機能「Windows Update」の設定を変更してアップグレードが提供されるのを待てばいい。Windows 10へのアップグレードはほとんどの場合、1時間ほどで完了する。アップグレードにかかる時間は2つの要素で決まる。1つはアップグレードファイルのダウンロード速度、もう1つはアップグレードを実行するハードウェアプラットフォームの性能だ。
アップグレードによるインストールには主に以下の3つのメリットがある。
- 利便性
- アップグレードによるインストールには、特別な起動ディスクや起動可能なインストールメディアは必要ない。
- シンプルさ
- アップグレードはUpgrade Assistantを起動するか、Windows Updateの設定を変更するだけで実行できる。残りの作業はほぼ自動的に処理されるので、IT部門が操作や指示をする必要はほとんどない。
- 環境の保持
- アップグレードによるインストールは、互換性のあるアプリケーションを全て保持し、移行後に使えなくなるアプリケーションがある場合は、インストール前のチェック段階でIT部門にその旨を警告する。この点はアプリケーションの他、全てのファイルと設定とカスタマイズにも当てはまる。
アップグレードによるインストールの最大の欠点は、Windowsレジストリへの変更とともに、古い設定やカスタマイズが全て新OSに継承される点にある。そのため使用していない古いファイルやアプリケーションも全て、古いWindows環境から新しいWindows環境へと引き継がれる。不安定で一貫性のないWindows環境の場合、恐らくWindows 10もそうした性質を受け継ぐことになる。
クリーンインストール
Windows 10をクリーンインストールすれば、古いWindows環境に時間とともに蓄積されてきたであろう不安定さや不具合を一掃することが可能だ。クリーンインストールは基本的にブートドライブとシステムドライブを消去し、白紙の状態でインストールを実行する。そのため以前のWindows環境の影響を一切受けずに完全に新しいWindows OSでフレッシュなスタートを切ることができる。これがWindows 10をクリーンインストールする最大のメリット(唯一のメリットとの意見もあるだろうが)だ。
Windows 10のクリーンインストールについて知っておくべき3つの主要事項は以下の通りだ。
- 手間がかかる
- クリーンインストールは全てのデータを削除するので、IT部門は事前にしっかりと計画を立てて準備を整え、インストール後に設定やカスタマイズをやり直す必要がある。
- 時間と費用がかかる
- クリーンインストールの終了後、IT部門は社内で引き続き使用したいアプリケーションを全て再インストールしなければならない。ライセンス情報の登録も必要だ。ライセンスが期限切れまたは失効しており、一括払いでライセンスを購入しなければならない場合は、費用が高くつく可能性がある。
- 起動可能なインストールメディアが必要
- クリーンインストールを実行する場合、PCの再起動が必要となる。BIOSまたはUEFIの設定を変更し、Windows 10インストーラを含む起動可能なインストールメディアからシステムを起動する。
クリーンインストールを実行する場合、事前に確実なイメージバックアップを作成しておく必要がある。Macrium Softwareのバックアップソフトウェア「Reflect」などのツールを使えば、イメージファイルを仮想ディスクドライブとしてマウントし、所在不明のファイルやその他のデータを回復可能だ。Windows向けの自動アップデート管理ソフトウェア「Ninite」やパッケージ管理ツール「Chocolatey Windows Package Manager」を使えば、クリーンインストール終了後のアプリケーションの再インストール作業を可能な限り自動化できる。さらにIT担当者はクリーンインストールによって削除された設定を再度設定できるよう、システム設定やカスタマイズを全て文書化しておく必要がある。
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