Googleのセキュリティ研究員が主張
Windows 7継続利用派の心が折れる“Windows 10パッチ優先問題”とは
まだまだWindows 7のシェアは高いと思われるが、Googleのセキュリティ研究員によるとMicrosoftが推進している自動パッチ適用によりWindows 7の継続利用に赤信号がつくようだ。
Googleのゼロデイ攻撃撲滅に取り組む専門チームProject Zeroのセキュリティ研究員であるマテウシュ・ユルチク氏は、Microsoftの最新バージョンに対するパッチ適用を優先する方針に対し、新たな問題を引き起こしかねないと注意を促している。最新バージョンつまりWindows 10用のソフトウェア修正パッチを優先するあまり、古いバージョンのパッチ提供が遅くなるかもしれない。その場合、悪意のあるユーザーが古いバージョンのWindowsに脆弱(ぜいじゃく)性を発見してしまう危険性があるというのだ。
ユルチク氏はProject Zeroの2017年10月5日ブログで、syscallのmemset関数の呼び出し不具合についてWindows 10にのみパッチが適応され、Windows 7とWindows 8.1ではパッチ適用されていない問題について述べた。
「この記事の執筆時で、Windows 7は依然としてデスクトップ市場で約50%のシェアを持っているにもかかわらず、Microsoftが多くの構造的なセキュリティの改善や通常のバグ修正さえも最も新しいWindowsバージョンのみにしか提供していないのは周知の事実だ。古いシステムのユーザーはセキュリティが守られていると誤解し、ソフトウェアの欠陥、脆弱性を抱えてしまう。しかもその脆弱性は異なるバージョンのWindowsを比較するだけで検出することができる」とユルチク氏は語る。
悪意のある攻撃者は、パッチをリバースエンジニアリング(プログラムを逆解析する手法)することでまずパッチが修正する不具合を特定する。さらにシステム間のコード比較(パッチ比較)または異なるバージョンの製品間のコード比較(バイナリ比較)を行うことで、脆弱性を特定する。
Windows 10のパッチにより古いシステムの欠陥が露見
ユルチク氏は、Project Zeroがどのようにして古いWindowsの脆弱性を見つけることができたのかを説明した。
「このパッチで修正された不具合がWindows 10において問題だったことを考慮すると、古いバージョンのOSにも同じような問題が他にも潜んでいた可能性がある。その問題は、新しいバージョンでのみMicrosoftによってひっそりと修正されたのではないかと怪しんでいた」。
ユルチク氏は2017年5月にWindowsパッチ適用に潜む問題について調査し、その不具合がWindows 10以前の古いバージョンのシステムでは解消されていないことを証拠として示した。
アップデートに関するMicrosoftの思惑
Microsoftは、法人ユーザーに対し、月例アップデート(Security Update Guide)を待つのではなく、3つのアップデートオプションを利用するWindows 10の自動アップデートに切り替えてほしいと発表した。だがユーザーはパッチ適用で新たな問題が生じることを恐れてためらっている。
Windows 7は2020年1月まで、Windows 8.1は2023年1月までサポートを受けられる(どちらも条件付きの延長サポート)。だが本稿で触れたようにWindows 10以前のバージョンでは思わぬ不具合に遭遇しかねない。Microsoftの自動アップデートについては引き続き注意が必要だが、企業はサポート切れを待たず早めにWindows 10への移行が必要なようだ。
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