2017年08月02日 05時00分 UPDATE
特集/連載

もう「シンクライアント」として使えない?「Chromebook」でAndroidアプリが使えることを素直に喜べない人々

2017年以降に発売される「Chromebook」の全モデルでAndroidアプリを使えるようにする――。Googleのこの判断は、Chromebookのユーザー企業にとっては必ずしも歓迎できるものではないようだ。

[Ramin Edmond,TechTarget]
画像 ChromebookのAndroidアプリ対応は良いことばかりではない

 Googleはノート型デバイス「Chromebook」の2017年以降に発売する全モデルで、同社のモバイルOS「Android」用のアプリケーションを実行できるようにする方針を掲げた。この方針は、セキュリティと管理性、そしてシンクライアントデバイスとしての総合的な有用性に関する懸念材料となっている。

 Chromebookは価格が安く、原則としてデータをローカルに保存しないため、シンクライアントデバイスとして広く利用されている。Androidアプリを利用できるようになると、シンクライアントデバイスとしての有用性を損なう可能性がある。

 企業の従業員がAndroid用公式アプリストア「Google Play」からChromebookに何をインストールし、何をアップデートするかをIT部門で管理するためには、エンタープライズモビリティ管理(EMM)製品をはじめとする管理製品が必要になる。そうなればIT部門の負担が増える。

 「新しいChromebookがもたらす問題は、アプリをそこで実行できること、そしてどのタイミングでソフトウェアをアップデートするかを管理できないことだ」。そう話すのは、調査会社Moor Insights and Strategyのプレジデント兼プリンシパルアナリスト、パトリック・ムーアヘッド氏だ。「これはセキュリティリスクとなり、Chromebookはこれまでより複雑になる」(ムーアヘッド氏)

セキュリティに関する「重大な懸念」

 仮想デスクトップインフラ(VDI)をはじめとするシンクライアントシステム最大の利点は、セキュリティの確保にある。データをローカルに保存しないことで、重要なデータの格納先を絞り込めるからだ。

 ChromebookにAndroidアプリをインストールできるようになると、事情は変わる。従業員がシンクライアントデバイスとして使っているChromebookにAndroidアプリをダウンロードすれば、企業情報をChromebook自体に保存できることになる。それを防ぐには、IT担当者がEMMソフトウェアを使わねばならず、VDIやWebアプリでは不要だった負担が増えてしまう。

 フロリダアトランティック大学で最高技術責任者(CTO)を務めるメヘラーン・バシラトマン氏は、こうした状況を「重大な懸念だ」と述べる。Androidアプリ自体もセキュリティ上の脅威になり得る。GoogleはGoogle Playに登録するAndroidアプリの審査を強化しているが、コンサルタントのローリー・モナハン氏は「審査は十分とはいえない」と語る。

EMMの出番となるか

この記事を読んだ人にお薦めの関連記事

注目テーマ

ITmedia マーケティング新着記事

news079.jpg

出版取次大手の日本出版販売が腐女子のポータルサイトと連携、書店への来店促進にARアプリを活用
日本出版販売は、ボーイズラブコミック専門ガイドブック「B+LIBRARY vol.3」にARアプリ「...

news077.jpg

月額9900円、Twitter広告の新たなメニュー「オートプロモート」の特徴を5つのポイントで解説
Twitter Japanは、月額9900円で毎日10ツイートとプロフィールを広告化できる「オートプロ...

news057.jpg

DACと博報堂アイ・スタジオがコンテンツマーケティング支援チームを組成
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムと博報堂アイ・スタジオは、コンテンツマー...