「TravelMate Spin B1」との組み合わせで見えた可能性
「Windows 10 S」はChromebookから“学校一押しデバイス”の座を奪うか?
Microsoftが教育市場に向けて発表した「Windows 10 S」は、適切なデバイスとの組み合わせで、教育機関からの支持を集める「Chromebook」に取って代わる可能性がある。
Microsoftは、同社の新たな簡略版OSである「Windows 10 S」の照準を教育機関に定めている。このWindows 10 Sは、Acerが最近発表した、ノートPCとしてもタブレットとしても使える2-in-1デバイス「TravelMate Spin B1」(国内販売は未定)に適したOSのようだ。実際にAcerは、Windows 10 S搭載モデルのTravelMate Spin B1を市場投入する考えだ。
TravelMate Spin B1は、11.6型ディスプレイを搭載したノートPCで、360度フル回転するヒンジを備える。学習者であれば、スタイラスペンとWindows 10の手書き機能「Windows Ink」を活用して、例えば学期末のレポートをキーボードで入力する操作から、授業中に手書きでメモを取る操作へと素早く切り替えることができる。
オンラインストアによっては300ドル未満で購入できるTravelMate Spin B1は、手頃な価格によって教育分野で優位に立つGoogle「Chromebook」の現実的な代替品になる可能性がある。
併せて読みたいお薦め記事
「Windows 10 S」と教育機関のWindows活用
「Chromebook」はなぜ学校に支持されるのか
Chromebookを“模倣”するWindows 10 S
MicrosoftがWindows 10 Sで意図していることは明確だ。それは、Googleの軽量なChromebookに真っ向から勝負できるデバイスを作ることである。
Windows 10 Sのコンセプトは、Chromebookが搭載するGoogleの「Chrome OS」に似ている。Windows 10 S搭載デバイスは、購入時点でMicrosoftのアプリケーションを実行することが可能だ。サードパーティーのアプリケーションについては、Microsoftの「Windowsストア」からのみダウンロードできる仕組みになっている。このようにアプリケーションを限定することで、OSを軽量化して、デバイスが最大限のパフォーマンスを発揮できるようにしている。教員や管理者にとっては、多数の学習者のデバイス利用を管理する作業も容易になるはずだ。
特定のアプリケーションへのアクセスを制限する一方で、Windows 10 Sにはプリインストールされているアプリケーションもある。USBメモリを使用したアプリケーションのインストールも可能であり、大量のノートPCにWindows 10 Sを導入する作業も簡略化できる。なおWindows 10 Sを実行しているデバイスは、教育関係者であれば「Windows 10 Pro」に無料でアップグレードできる(一般ユーザーの場合は有償)。
TravelMate Spin B1は状況を変えるか
TravelMate Spin B1は、教育機関での利用に配慮した設計となっているようだ。TravelMate Spin B1のヒンジは、クラムシェル型のノートPCモードとタブレットモードを簡単に切り替えることができ、360度フル回転する設計になっている。付属のスタイラスでメモを走り書きできる他、1920×1080ピクセルのディスプレイでは10点マルチタッチが可能だ。
プロセッサにはIntelの「Intel Celeron」を採用。RAMは4GB、内蔵ストレージは64GBであり、スペックが特別優れているわけではない。価格面から考えても、高スペックを期待すべきではないだろう。セールスポイントは、バッテリー持続時間が長いことにある。Acerによると、TravelMate Spin B1のバッテリーは最大13時間持続する。そのため教室で終日利用したり、大勢の学習者が使用したりした後でも問題なく稼働する。
TravelMate Spin B1は、衝撃を吸収するミドルフレーム(ベゼル)と、最大で約60キロの衝撃に耐えられる耐圧ディスプレイによって耐久性を確保している。さらには最大325ミリリットルの液体に耐えられる、防滴仕様のキーボードを搭載する。キーボードの下にある側溝によって、水などの液体が内部コンポーネントに入り込まないようにしている。
教育分野でMicrosoftが、Googleの対抗馬になれるかどうか見ものだ。「教育用ノート型デバイスといえばChromebook」という時代がしばらく続いたが、TravelMate Spin B1のようなデバイスが状況を変える可能性がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
2
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
高額な「AI PC」を一般従業員も使えたら? 費用のハードルを一気に下げる方法
-
5
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
6
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
7
「コピペ運用の限界」に直面するAI活用 7割超が“別画面”のまま使う理由は?
-
8
IT調達担当者が知るべき「IT機器 大インフレ時代の前向きな選択肢」
-
9
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
10
パナソニックが国内製造26拠点のERPを「SAP S/4HANA」に統一 アドオン7割削減
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
4
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
5
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
6
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
NTTドコモが実践したクラウド統合監視 業務量2倍でも残業削減を実現できた理由
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー