クラウドとのコーペティションを実現
“最適解”が見えてきたハイパーコンバージドインフラの活用(2/2 ページ)
クラウドとのコーペティション
レディング大学の事例からHCIテクノロジーとクラウドが競合している状況はお分かりいただけただろう。だが、この2つのITモデルは、常に対立するわけではない。進化するHCIとクラウドの関係は、「コーペティション」を象徴している。コーペティションは、Competition(競争)とCooperation(協調)をつなぎ合わせた造語で2つのテクノロジーが競合しながら共存する状態を表す。
米ノースカロライナ州の町、Caryの例を紹介しよう。Caryは、市民サービスと内部の業務プロセスを向上するために、クライアントとサーバ型のレガシーシステムを廃止して、クラウドとHCIテクノロジーの組み合わせを導入しようとしている。既に同町では、SalesforceやSamanageといったクラウド型IT資産管理サービスとMicrosoftの「Office 365」を導入している。
ただし、同町が使用している全てのアプリケーションをクラウドに移行できるわけではない。例えば、公衆の安全を管理するシステムはクラウドに移行できない。そのため、現在、同町は、クラウドに移行できない他のオンプレミスのシステムを管理できるインフラの選択肢を検討しているという。HCIは、その選択肢となる用意ができている。
Caryで最高技術責任者(CTO)を務めるピーター・ケネディ氏は次のように話している。「私たちが何を選んでも、これまでと同じやり方は通用しなくなる。私たちは、CaryのデータセンターにNutanixのクラスタを導入して試験運用を行っている。Nutanixのクラスタを導入したことで、職員によるハードウェアの維持管理は簡略化されている」
米テキサス州フォートワースで油圧機器を製造販売しているHydradyneは、異なるアプローチを採用している。同社はHCIを導入して数年になるが、現在クラウドへの拡張を検討している。
Hydradyneは、2012年にVMwareの製品を使用して自社サーバの仮想化を検討していた。だが、最終的にはHCIテクノロジー企業であるScale Computingの「HC3」を採用することになった。現在、同社は5台のHC3ノードでERPや金融システムなどのビジネス基幹システムを運用している。HydradyneでIT部門のディレクターを務めるマイク・オニール氏によると、同社は近いうちに米アトランタに8ノードの災害復旧クラスタを展開する予定だという。この災害復旧クラスタがあれば、地理的に離れた場所でもレプリケーションが可能になる。これは、竜巻が多発する米国南部で事業を展開する同社にとって重要課題だ。
クラウドは、Hydradyneに新たな災害復旧の選択肢をもたらす可能性がある。2017年9月にScale Computingは「当社はGoogleと協力して、ハイブリッドクラウドサービスを作成している。このサービスにより、オンプレミスのシステムとGoogle Cloud Platformの間でワークロードを移行できるようになる」と発表している。なお、この新サービスは「HC3 Cloud Unity」という名称で、2017年第4四半期にリリースが予定されている。
オニール氏は、クラウドの追加によって災害復旧クラスタをもう1つ上のレベルに引き上げることができると見ている。このGoogleのクラウドとHCIの組み合わせは、物事を柔軟に移動できる必要があるユーザーに全く新しい状況をもたらす。
一方、レディング大学もクラウドの使用を計画中だ。ライアン・ケネディ氏のチームはHCI基盤からクラウドバーストする機能に取り組んでいる。コンピューティング能力を短期的に強化する必要があるジョブは、オンプレミスよりもクラウドで実行した方が安価になると同氏は語る。
クラウドと連携するオンプレミスのHCIソリューションは、IT部門にとってますます一般的なアプローチになる可能性がある。カトウ氏が実施した調査によると、パブリッククラウドは以前と変わらず魅力的ではあるが、クラウドだけの世界が快適だと答えたのはアンケートに回答したIT管理者のうち12%にとどまった。
「ハイブリッドクラウドは依然として需要があり、一方でオンプレミスのインフラも求められている」(カトウ氏)
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