基本構造と価格、安定性、利用シーンを紹介
NANDフラッシュメモリ基礎編:SLC、MLC、TLC NANDは何が違うのか(1/2 ページ)
NANDは最も一般的な種類のフラッシュだ。だが、さまざまな種類があり、それぞれ役立つ目的が異なる。NANDフラッシュメモリの基礎について、本稿を参考にしてほしい。
企業のデータセンターで使用されているSSDの大半はNANDフラッシュメモリを基礎にしている。だが、全てのNANDストレージが同じわけではない。特にパフォーマンス、耐久性、コストが異なる。NANDの購入を検討している企業は、NANDフラッシュメモリの基礎を理解しておく必要がある。
NANDには複数の種類があり、それぞれ若干の違いがある。こうした差異の中心にあるのは各セルに格納されるビット数だ。本稿執筆時点のフラッシュドライブでは、1セル当たり1~3ビットを格納できる。ドライブの機能を決定付ける上では、補助機能も他のアーキテクチャと同様の働きをすることを忘れてはならない。だが直接的にも間接的にも、ビット数が最も重要な要素であることは変わらない。
NANDフラッシュメモリの基礎概要
NANDフラッシュは不揮発性メモリの1種だ。つまり、ドライブが電源に接続されているかどうかに関係なく、電荷を保持できる。フラッシュストレージには他の種類もある。だが、本稿執筆時点のSSDストレージで使用されているアーキテクチャはNANDが主流だ。
NANDドライブは1つ以上のフラッシュチップで構成される。各チップには複数のダイが含まれ、各ダイには複数のプレーンが含まれている。通常は2プレーン構成だ。このプレーンはブロックに区切られる。整理すると小さい方からブロック、プレーン、ダイ、フラッシュチップというまとまりになっている。
さらにブロックはページに、ページはセルに分けられ、このセルにビットが格納される。データの読み書きはページレベルで行われるが、消去はブロックレベルでしかできない。この結果、書き込み消去プロセスが複雑になる。
NANDドライブには、データ操作を管理し、書き込みと消去の複雑さに対応するコントローラーも付属する。コントローラーは、ファームウェアの実行と高度な操作の処理を行うドライブ固有のプロセッサだ。高度な操作には、ウェアレベリング(フラッシュの書き換え操作が特定のブロックに集中しないようにする仕組み)、ガベージコレクション(プログラムで不要になった領域を自動的に解放する機能)、暗号化、不良ブロックマッピング(書き込み不良のブロックにデータを書き込まないようにする仕組み)、誤り訂正符号(ECC)などがある。
Single Level Cell(SLC)フラッシュメモリの基礎
データの読み取り、書き込み、消去を行う場合、NANDドライブは該当セルの電圧の状態によってビットの状態を判断または設定する。最も基本的なNANDチップはセル当たりのデータが1ビットのみに制限される。結果として、セルは常にプログラム済み(0)または消去済み(1)という2つのいずれかの状態になる。コントローラーは、セルに適用されている電圧のレベルによってその状態を判断する。
セル当たり1ビットのみを格納するNANDチップはSingle Level Cell(SLC)フラッシュメモリと呼ばれる。セルごとにビットを1つしか格納しないため、コントローラーはセルの状態を素早くかつ簡単に判断できる。セルごとに複数のビットを格納するアーキテクチャのようなエラーが生じることはない。その結果、SLCチップは複数ビットのチップよりもパフォーマンスに優れ、信頼性も高くなる。
全てのフラッシュチップでは保証されている書き換え操作回数に限りがある。SLCフラッシュの場合、書き換え回数は約10万回だ。それを超えると障害が発生する可能性がある。複数ビットのチップでは、各セルでの摩耗が増えるためしきい値が大幅に低くなる。
SLCフラッシュベースのドライブが成功しているのは、コントローラーとそのファームウェアに組み込まれた高度な機能によるところが大きい。また、キャッシュとオーバープロビジョニング(SSDの耐久性向上のために余分に確保している容量)も貢献している。とはいえ、SLCアーキテクチャこそがSLCフラッシュのパフォーマンスと耐久性を実現している。残念ながら、こうした機能は当然高額になる。
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