想像の翼を広げてみよう
2018年のストレージ業界を大胆予測 まさかの「4D NANDフラッシュ」登場なるか?
毎年恒例の「未来予測」だ。真実、現実、正当性にとらわれず、怖いもの知らずの思い切った視点で、2018年におけるデータストレージのトレンドを考察してみよう。
アナリスト、ベンダー、コンサルタントなど、時間を持て余した誰もが、昔から毎年恒例の儀式に関心を寄せている。2018年に登場が期待されるテクノロジーを予測する儀式だ。
過去にはこのような予想を一笑に付したこともあった。だが必要とあらば、エンタープライズストレージの今後について独自の予測を立てることに抵抗はない。本稿の予測に現実味が足りないのは確かだが、それを少しばかり楽しんでいただければ幸いだ。とはいえ、大胆にも未来を見通して何が起こるかを広く伝えようとする者は、真実、現実、正当性という制約に縛られることはない。その展望がどれだけばかげていて、不気味だとしてもだ。
では、早速始めよう。
東芝は新たな次元へ
SANにつないだ水晶玉で占うと、東芝が原子力発電でつまずいている様子が見える。それが引き金になり、数十億ドルというIT関連資金が跡形もなく消えうせる。その結果、同社は最も収益力が高く、最も不安感のない事業を売り払わざるを得なくなる。それは半導体の研究所と工場だ。いや、ちょっと待ってほしい。これは既に起こったことではないだろうか。このような半導体事業売却に関するニュースは、もう7、8年前くらいから目にし続けている。
本当の予測は、Western Digitalが東芝との共同開発契約に必死でこだわる理由がついに判明するというものだ。それが、4D NANDフラッシュだ。平凡な従来型フラッシュや3D NANDフラッシュに飽き飽きしている東芝の研究員が、新たな次元を発明するかもしれない。この次元では、フラッシュセルを左右に並べることも、上下に積み重ねることもできる。さらに今後のエンタープライズストレージでは別の次元に配置することも可能になる。4Dは容量が無限で、際限なく拡張できる。単なる3Dに搭載されるチップでは、その寿命を延ばすためにウェアレベリングや書き換えなどの手法が使用されている。しかし、4Dではこうした従来型の手法は不要になるだろう。
分離するDell EMC
2018年第2四半期頃までには、Dellの会長兼CEOのマイケル・デル氏は蜜月期間が終わったことを悟るかもしれない。由緒あるDell EMCブランドは、ストレージテクノロジーのトレンドに重大な影響を与える大改革を必要としている。相談や議論の相手がいないデル氏は、長い時間をかけて活発に自問自答することになるだろう。なお、その様子はきっと、自身のDell製「XPS 15」ノートPC(8GBのRAMと256GB SSD搭載モデル)に内蔵されたWebカメラで録画されている。
自らとの交渉は数週間に及ぶかもしれない。その中では、むっとして怒鳴り出すことも何度かあるだろう。その交渉の末に同氏は、Dell EMCを2つの株式公開企業に分離すると発表することになる。DellはノートPCやサーバを販売し、ほとんど聞いたことがないようなストレージ企業を買収する。しかも、その企業にはユーザーも少ない。一方、EMCはストレージハードウェアに注力する。買収を記録するだけのチームを編成しなければならなくなるほど非常に多くの中小企業を買収して多様化を図ることになる。
Nutanixのスーパーエクストラメガハイパーコンバージドシステム
ここ数年、ストレージとシステムに関する議論で圧倒的な存在感を見せているのが、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)の大流行だ。そのパイオニアであるNutanixは、同社のHCI製品ラインに新たなサービスを追加することで、成長し続ける競合企業に一歩先んじるのではないか。Nutanixの「Acropolis」「Prism」「Enterprise Cloud」に加えて、「Norman」が追加されるかもしれない。単一の製品にストレージ、サーバ、ネットワーク、仮想化をまとめることで、データセンターインフラの大変革が後押しされた。だが、2018年はNormanによってそれが一変することになりそうだ。
全てのインフラが1つのパッケージに詰め込まれているのは実に素晴らしい。また、非常に便利でもある。だが、Nutanixのエンジニアは何かが足りないことに気付いた。それはインフラ全体を運用し、ユーザーから新しい仮想マシンやディスク容量のリクエストがあれば尊大に対応する、そんな人物だ。そこでNormanの出番だ。Nutanixの新しい各HCIシステムに搭載されるのは、ストレージ、サーバ、ネットワーク機器だけではない。そのどこかに、息を潜めた人間の管理者も挟み込まれることになる。2018年後半までには、Nutanixの競合企業も巻き返しを図ると予想される。マンマシンインタフェースを隔てていた境界線を取り払うべく、各社が全力を尽くす。それを実現するのが、各社独自の究極的なコンバージドソリューションなのだ。
LTO-142のデビュー
HDD容量が増え続け、フラッシュシステムでは世界中の情報を1つのPCI Express(PCle)カードに保存できるようになっている。このような状況に直面し、LTO Consortiumは競合メディアに後れを取らないために、製品開発の速度を上げることを決断する。つまり、 次世代テープ規格「LTO-8」が最近導入されたが、その後に続くのはなんと「LTO-9」ではない。IBM、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Quantumが支えるLTO Consortiumは、代わりに思い切った手段を取る。過去に発表したLTO製品の開発ロードマップをショートカットし、一足飛びに「LTO-142」製品をリリースするのだ。
LTO-142の仕様上では、圧縮容量が最大12YB(ヨタバイト)となり、転送速度は計測不可能なほどに高速になる。なお、ネイティブ容量は3YBだ。テープテクノロジーにおけるこのような急進的な開発が今後のエンタープライズストレージにどう影響するのかは、現時点ではまだ不明だ。また、注目されるかどうかさえ定かではない。
より身近になる今後のエンタープライズストレージ
2018年には、より多くの容量が必要になるが、コストもより少なく済むようになるだろう。ストレージを購入しようとすると、目まいを覚えるような大量のストレージの選択肢が提供される。従来型の共有システムから、ハイパーコンバージド機器、オブジェクトストレージ、クラウドなどさまざまだ。
ここまでに述べた、エンタープライズストレージに対する怖いもの知らずの予測が現実にならないとしても、さまざまなことが実現しそうな気配がある。2018年もいい年でありますように。
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