「SSD/半導体ストレージ/フラッシュストレージ」の市場動向、業界動向をチェック(1/6 ページ)
SSD/半導体ストレージ/フラッシュストレージに関する業界&市場動向の記事を紹介します。製品/サービス選定の参考にご覧ください。
SSDとは何か HDDとの違いは?
「SSD」(ソリッドステートドライブ)は、コンピュータで使用できるストレージハードウェアの一種だ。SSDは、電源を切ってもデータを失わず、永続的にデータを保存する不揮発性メモリを記憶媒体に採用する。SSDは「HDD」(ハードディスクドライブ)と比較して、データの読み書きが高速な傾向がある。SSDを使用すると、デバイスのOSの起動やプログラムの読み込み、ファイルの保存を高速化しやすい。(続きはページの末尾にあります)
記事一覧
SSDの主な用途
HDDは、磁気ヘッドを搭載したアクチュエーターと呼ばれる機械式アームと、回転する磁気ディスクで構成されており、磁気でデータの読み書きをする。この構成は、各部品の故障につながる可能性がある。
SSDは、破損の可能性がある可動部品が存在しない。SSDは、NAND型フラッシュメモリと、データの読み書きを処理するコントローラーで構成されている。この構成は、連続したランダムなデータ読み書き要求に対して、高速な応答を実現しやすい。ただしSSDは、HDDに比べると高価になりがちだ。例えばSSDは、デスクトップPCやノートPC、コンピュータゲーム機、デジタルカメラ、デジタル音楽プレーヤー、スマートフォン、タブレット、USBメモリなどに搭載されている。
より高速なI/O(データ入出力)が可能なストレージへのニーズは衰えることはない。こうした中、SSDの開発やユーザー企業への導入が進んでいる。SSDはHDDよりも低遅延で、大量の読み取りやランダムアクセスを実行するアプリケーションのデータ処理を高速化しやすい。
高性能なサーバやデスクトップPC、ノートPC、リアルタイムでデータをやりとりする必要があるアプリケーションには、SSDが適している。企業向けのSSDは、例えば以下の目的で利用できる。
- 大量のトランザクションがあるデータベースからの読み取りをオフロード(負荷軽減)する。
- VDI(仮想デスクトップインフラ)の利用時に、仮想デスクトップの起動集中による混雑の影響を緩和する。
- オンプレミスインフラとクラウドサービスを併用するハイブリッドクラウドインフラで、頻繁に使用するデータをオンプレミスインフラに保存するために、ストレージアレイで使用する。
HDDの代替としてのSSD
SSDは近年、企業向けストレージの改善手段として注目が集まっている。この傾向はSSDの容量当たりの価格の低下や、コンピュータの性能の向上が要因となっている。CPUのデータ処理速度は時代を追うごとに向上しているが、HDDの読み書き時間は大きな進展がない。現代のCPUは、HDDの読み書き速度をはるかに超えてデータを処理する。これによって生じる遅延を低減するために、HDDをSSDに置き換える動きがある。
HDDのユーザー企業は、ストレージを高速化するために、ショートストロークという手法で対処してきた。これは、磁気ディスクの最外周のみを使用することで磁気ヘッドの移動距離とトラック数を減らし、シーク時間(読み書き位置を移動させるのに必要な時間)を短縮する手法だ。ただしショートストロークで通常と同じ容量を確保しようとすると、より多くの磁気ディスクを積み重ねる必要がある。要求される性能は確保できるものの、経済的な解決策とは言えない。
一方でSSDはシーク時間が存在しないため、その分の遅延が抑えられる。特に記録媒体の特定の位置を指定してデータを読み書きするランダムアクセスでHDDより高速になる。ただし連続するデータを読み書きするシーケンシャルアクセスでは、SSDとHDDでランダムアクセスほどの差はない。
ユーザー企業で進むSSDの応用
SSDと比較して容量当たりの価格が安い傾向にあるHDDは、アーカイブデータや大容量データの保管に広く使われている。一方でSSDベンダーは大容量のSSDを市場に投入しており、SSDは上述の用途でもHDDと競合する可能性が生じている。
SSDの進歩は容量の増加だけにとどまらない。ストレージインタフェースの「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)は、データ転送規格「PCI Express」(Peripheral Component Interconnect Express)に準拠したインタフェースを使用して、SSDとサーバのCPU間の通信経路を短縮する。これによってNVMeは、従来のSATA接続のSSDよりも低遅延で、高速なデータ転送を可能にし、アプリケーションのIOPS(1秒当たりの入出力処理数)を向上させる。
ソリッドステートストレージシステムの種類
可動部(機械的な部品)を持たず、半導体メモリを使用してデータを保存するストレージ技術がソリッドステートストレージ(SSS)だ。SSSには、不揮発性のフラッシュメモリを使用するタイプと、揮発性のDRAM(Dynamic Random Access Memory)/SRAM(Static Random Access Memory)をキャッシュメモリや一時ストレージとして使用するタイプがある。フラッシュメモリにはNAND型フラッシュメモリとNOR型フラッシュメモリの2種類が存在する。
NAND型フラッシュメモリは、NOR型フラッシュメモリと比較して大容量で、シーケンシャルアクセスによるデータの読み書きが高速なため、一般的な企業向けストレージで使用される。NOR型フラッシュメモリはランダムアクセス方式によるデータの読み書きが高速で、産業用ロボットや家電などの特定の機能を搭載した組み込みシステムに主に利用される。両方とも不揮発性で、電源を切ってもストレージメディアのデータは保持される。
一方でDRAM/SRAMは揮発性で、データを保持するため常に電源供給が必要だ。DRAMはSSDのキャッシュメモリとして使用され、書き込みの速度向上や寿命延長に役立つ。SRAMは一般的にストレージ用途ではなく、CPUのキャッシュメモリとして使用される。
Storage Class Memory(SCM)と呼ばれる新しい種類のメモリも登場している。SCMはDRAMに近い高速なデータの読み書きが可能でありながら、不揮発性メモリであることが特徴で、SSDとDRAMの中間的な性能を持つ。SCMは大量のデータを高速で処理しなければならないアプリケーションに適する。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
4
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
BMWも導入 78兆円市場に化ける「フィジカルAI」の衝撃
-
9
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
10
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー