サーバ、ストレージ向けに「根強い購入意欲」
東芝が考えるHDDとSSDの“住みわけ”、新型高性能HDDの狙いとは
テープはまだ役割を終えていない。1万5000rpmのエンタープライズ向けHDDも同様だ。少なくとも、今のところは。
東芝は最近、ミッションクリティカルサーバおよびストレージシステム向けに1万5000rpmの新型HDD製品「AL14SX Series」の出荷を開始した。だが今、パフォーマンスの高いエンタープライズクラスのストレージドライブ市場では、高速なソリッドステートドライブ(SSD)が勢いづいている。
Toshiba America Electronic Componentsのディスクドライブ製品マーケティングディレクターを務めるスコット・ライト氏は、1万5000rpmのHDD製品セグメントは、「攻撃を受けている」と認める。だが同氏は、高密度のトリプルレベルセル(TLC)方式の3D NAND技術への移行が、こうしたドライブのビジネスチャンスを生み出しているとも語る。
AL14SX Seriesは、12GbpsのSASインタフェースを備え、1万5000rpmで高パフォーマンスを提供する。エントリーレベルのSSDの容量が増え、NANDフラッシュ不足が続いていることを背景に、AL14SX Seriesは、サーバの起動およびロギングや、小さな書き込みを多数行う必要があるストレージの処理をターゲットにしていると、同氏は説明する。
AL14SX Seriesは2.5型で、900GB、600GB、300GBのモデルをラインアップしている。前世代の「AL13SX」は最大容量が600GBで、AL14SXの最大容量モデルはこれより容量が50%増えている。AL14SXは旧モデルと比べて、最大サステインド転送速度も19%向上し、エネルギー消費効率(W/GB)も28.7%改善している。
「AL13SXをひいきにしてくれた顧客は皆、AL14SXの評価を行う計画だ。この種の製品の需要は全体として減少しており、その主な理由はSSDに押されているからだ。だが、こうしたモデルの購入意欲は、サーバ管理者を中心に根強い」とライト氏は語る。
ライト氏によると、ストレージベンダーは、1万5000rpmのHDDを搭載した従来型のSANストレージアレイをほぼ作らなくなっている。オールフラッシュアレイや、より低速な1万rpmや7200rpmのHDDを採用したハイブリッドストレージシステムに力を入れているからだ。だがライト氏は、2.5型で1万5000rpmの新しいAL14SX HDDには、まだ大きなレガシー市場において、ストレージベンダーからのアップグレードや予備の需要があると見込んでいる。
1万5000rpm HDDにはどれだけの需要が残っているのか
IDCのHDD市場担当のリサーチバイスプレジデント、ジョン・ライドニング氏は、業界では2020年まで、1万5000rpm HDDへの「ロングテール需要」が見られるが、この需要は減少傾向をたどると予想している。1万5000rpm HDDの2015年の出荷実績は約850万台、2016年は約580万台だったという。
HDD市場には3社のベンダーが残っているが、東芝とSeagateだけが、1万5000rpmおよび1万rpmドライブを含むエンタープライズ向けカテゴリーでHDDの新製品の開発を続けていると、ライト氏は説明する。Seagateは既に900GB HDDを出荷しているが、Western Digitalの子会社HGSTは、900GBの1万5000rpm HDDや2400GBの1万rpm HDDの投入を計画していないという。
ライト氏によると、東芝の新世代の1万5000rpm HDD製品は、300GBモデルが1プラッタ、600GBモデルが2プラッタ、900GBモデルが3プラッタを使用している。前世代の1万5000rpm HDDでは、300GBモデルが2プラッタ、600GBモデルが3プラッタだった。
東芝は現在、AL14SX HDDの評価機を出荷しており、次世代Intelプロセッサを搭載した新型サーバのリリースに間に合うように、2017年第3四半期から量産に入る見通しだと、ライト氏は話している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[富士ソフト株式会社] 受注業務は既に変革のステージ 出遅れて競争力を失わないためのDX戦略 -
市場調査・トレンド
[富士ソフト株式会社] 受注業務でありがち 「今は困っていない」と見直しを先送りにすることの弊害 -
製品資料
[富士ソフト株式会社] 「B2B EC」選定を製品比較から始めると迷走する理由 -
技術文書・技術解説
[SB C&S株式会社] 「Everpure FlashArray」技術詳細解説資料:概要から認証、サイジングまで解説 -
市場調査・トレンド
[セコムトラストシステムズ株式会社] EDR導入を成功に導くロードマップ:選定/稟議/運用のつまずきを防ぐコツ
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
2
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
-
3
IT業界の女性は9割が10年で消える 人材枯渇を招く“見えない壁”の正体
-
4
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
5
ChatGPTの「GPT」とは? 仕組みや用途など“ChatGPTの基本”を解説
-
6
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
7
生成AIのルール整備が進む一方で活用は遅れがち? 日本企業のAI利用状況
-
8
脱VMwareの真実:データセンター大手がNutanixを選んだ「コスト以上の理由」
-
9
ライオンが挑む「守りのIT」脱却:Google Cloudで加速させるデータ駆動型経営
-
10
人間のせいでAIエージェントの生産性が上がらない
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
4
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
5
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
6
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
7
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
-
8
サイバー脅威「トップ50」完全解説ガイド、新たな攻撃手法に対抗するには
-
9
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
10
生成AIの活用を阻む「5つの壁」とは? AIネイティブ組織へ変革を遂げる方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー