最適な製品の選び方
チームコラボツール10製品を徹底比較 Slack、Microsoft Teamsを超えるのは?(2/2 ページ)
既存のベンダーツールとサードパーティー製ツールのどちらと統合するか
新しく導入したチームコラボレーションツールが既存のソフトウェアツールと統合するかどうかは、多くの企業が製品を選ぶ際に重要な決め手になる。大手テクノロジーベンダーには、自社製のツールやアプリケーションとの統合に注力する傾向が見られる。
例えば、Cisco Sparkには、同社の会議ソフトウェア「Cisco WebEx」に付加価値をもたらし、使いやすくする機能が多数盛り込まれている。また、Googleハングアウトは、「Googleドライブ」や「Googleドキュメント」など他のアプリとの統合によって、現在「G Suite」ツールを使用しているユーザーにとって理にかなった選択肢になるだろう。
それから、Microsoft Teamsは、Microsoftの「Microsoft Office 365」プラットフォームと統合される。なお、Office 365には、「Outlook」や「SharePoint」などのアプリケーションが同梱されている。つまり、これら3社のベンダーが提供するアプリケーションを導入済みで大きく依存している場合は、これらのアプリケーションとの統合を活用できるメッセージング中心のサービスは魅力的な選択肢となる。
統合するアプリケーションやハードウェアを自社で保有していない小規模なメッセージング中心のコラボレーションベンダーは、サードパーティー製アプリケーションとの統合に頼らざるを得ない。サードパーティー製アプリケーションの総合的なサポートを提供している3つの製品は、Slack、BroadSoft Team-One、Atlassian Strideだ。これら3つのツールでは各種アプリケーションおよびサービスとの十分な統合が提供される。そのため、Dropboxの「Dropbox」、Googleドライブ、Boxの「Box」など人気のクラウドストレージプラットフォームと統合する必要がある場合も、Salesforce.comの「Salesforce」、Zendeskの「Zendesk」、Atlassianの「JIRA Software」などのアプリケーションデータを統合する必要がある場合でも問題ない。
ユーザー認証と管理のオプション
チームコラボレーションツールとそのツールを使うユーザーを簡単に管理する最適な選択肢は、基盤となるインフラが大きく左右する。チームコラボレーションツールを選ぶ際に重要なのはセキュリティだ。これには、ユーザーを作成、認証、承認する方法が含まれる。
ユーザーの管理、承認、シングルサインオン(SSO)認証にMicrosoftの「Active Directory」を使用する昔ながらの企業にふさわしいツールは幾つかある。Microsoft TeamsがActive Directoryと適切に統合するのは言うまでもないだろう。
CiscoはCisco Sparkのプラットフォームを簡単にActive Directoryと接続する方法を用意している。また、メッセージング、会議、通話サービスについてSSOをセットアップすることもできる。それから、Amazon Chimeプラットフォームには、Active Directoryを統合してユーザーを管理するための管理者向けツールが多数用意されている。これらの管理者向けツールは大企業のIT部門で重宝するだろう。
チームコラボレーションツールの価格モデル
自社の予算と合う複数の価格帯を用意しているチームコラボレーションツールを選ぶことは重要だ。
例えば、Unify Circuitには1ユーザー当たりの月額使用料が3.95から14.95ドルまでの3つの有償パッケージが用意されている。料金プランの違いには、音声通話やビデオ通話に参加できるユーザー数、録音機能、クラウドストレージの容量、カスタマーサポートのレベルなどがある。また、Unify Circuitには、無料版が用意されている。パッケージを購入する費用に見合うほど使用頻度が高くない従業員は、無料版を使用すると良いだろう。
BroadSoft Team-Oneプラットフォームでは、2段階の価格モデルを採用している。Premiumパッケージは、最大ユーザー数が99人と中小企業向けのサービスだ。各ユーザーは毎月1000分のビデオ会議を利用して、基本的なサポートを受けることができる。
100人以上のユーザーを抱える企業には、BroadSoftから月額料金または年間料金の見積もりが提示される。Enterpriseパッケージを購入すると、各ユーザーは毎月4000分のビデオ会議を利用できる。また、きちんと定められたサービスレベル契約とエンドユーザーの優先技術サポートが付随している。BroadSoft Team-Oneに無料版は用意されていないが、30日間限定の試用版を利用できる。なお、試用版の利用にクレジットカード情報の登録は必要ない。余談だが、CiscoはBroadSoftの買収真っただ中だ。
それから、Microsoftは、Office 365クラウドパッケージの中核にMicrosoft Teamsを据えている。Office 365には、Outlook、「Word」「PowerPoint」「OneDrive」など好評を博しているアプリケーションが同梱されている。また、既にOffice 365を使用している企業は、追加費用なしでMicrosoft Teamsを利用できる。Office 365にMicrosoft Teamsが追加されたことは、Office 365の導入を検討している企業にとってOffice 365の価値を高める要因になるだろう。
最良のチームコラボレーションツールの選択肢
上述の全ての要素を考慮すると、今日多くの企業に最適なチームメッセージングツールとしてお薦めできるものは3つに絞られる。メッセージング中心のコラボレーションサービスを必要としている企業にとっては、Slackが最善の選択肢だろう。シンプルでサードパーティー製品と申し分なく統合され大規模なユーザー基盤があるSlackなら、どんな企業でも導入して使用することができる。
コラボレーションサービスと従来の音声/ビデオ通話のサービスを提供する単一の総合的なプラットフォームを希望する企業には、Microsoft TeamsとCisco Sparkを検討すると良い。音声/ビデオ会議プラットフォームに長い歴史のあるMicrosoftとCiscoは、エンタープライズクラスの音声/ビデオハードウェアのサポートを備えた信頼できる製品を提供している。斬新さや革新性には欠けるものの、Microsoft TeamsとCisco Sparkは企業向けの安定した技術サポートモデルを備え、きっちり仕事をしてくれるサービスだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
7
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
10
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー