デジタルトランスフォーメーション(DX)時代の大問題
「非構造化データ」が“爆増”しても困らないストレージの条件とは?(2/2 ページ)
柔軟性とコスト
非構造化データ用ストレージシステムの多様な用途に対処するには、セカンダリーストレージシステムに柔軟性が必要になる。その一例が、ファイルやオブジェクトなど多様なデータを保管できるようにすることだ。Linux用の「NFS」やWindows用の「SMB」「CIFS」といったファイル共有プロトコルを利用できたり、Amazon Web Services(以下、AWS)の「Amazon S3」をはじめとするオブジェクトストレージシステムと連携できたりするスケールアウト型ストレージシステムが重要になる。
真の柔軟性を手に入れるには、組み立て可能なアーキテクチャ、つまりモジュール方式であることも外せないだろう。
モジュール方式であれば、スケーラビリティとI/Oの柔軟性を実現できる。管理者は、高いIOPS(1秒当たりに処理するI/O数)やスループット(1秒当たりにやりとりできるデータ量)を要求し、大きな容量を消費するワークロード(アプリケーション)に対処するため、コンピューティング、ネットワーク、ストレージのリソースを迅速に変更できるようにする必要がある。
現在のセカンダリーストレージシステムでは、経済性も重要な要件になる。
スケールアウト型ストレージシステムは、標準の市販サーバを使用する「ソフトウェア定義ストレージ」(SDS)ソフトウェアを利用することで、ハードウェアコストを削減できる。管理もシンプルだ。データを別のシステムへ移行することなく、ノードを簡単にアップグレードしたり置換したりできるので、管理にかかる時間と運用コストを削減できる。
主要なスケールアウト型のセカンダリーストレージシステムは、コスト効率の良いパブリッククラウドサービスにデータを保存する選択肢を用意している。例えばAWSの同名サービス、Googleの「Google Cloud Platform」、Microsoftの「Microsoft Azure」といったクラウドサービスにデータを保存できる。
ストレージシステムのサイロ化(個別最適化)を招きにくく、ファイルストレージアプライアンスにあるような厳格な階層構造もないのが、スケールアウト型ストレージシステムの特徴だ。そのため管理にかかる時間を削減できる。主要なスケールアウト型ストレージシステムは、ファイルの保存場所を示すアドレスが連続した「フラットアドレス空間」を持つ、単一のストレージプールに、全てのデータを配置する。エンドユーザーが必要なデータを素早く見つけるのに役立つ、メタデータファイルの検索機能も組み込んでいる。
Cohesityなど一部のベンダーは、コンプライアンス(法令順守)に役立つフルテキスト検索機能を用意している。フルテキスト検索機能を使用すると、パスワードや米国の社会保障番号などの機密データを含むファイルを簡単に特定できる。これらの点を考慮すると、スケールアウト型ストレージシステムが、コスト効率の高い大規模ストレージ環境の管理に欠かせない理由は明確だろう。
データの管理
現在のセカンダリーストレージシステムにおける最後の重要な要素は、データを管理する上で必要なサービスを簡単に利用できるようにすることだ。非構造化データの増加に関して、IT部門にできることがある。アプリケーションの所有者に、データの全ライフサイクルを自動化するセルフサービスツールを提供し、ストレージ管理者の作業を楽にして、組織のアジリティー(敏しょう性)を高めることだ。
具体的にはポータルやマーケットプレースを用意して、適切なデータストレージの要素を定める、定義済みのサービス品質保証契約(SLA)のテンプレートを提供することだ。この要素には、企業の標準データポリシーに基づく目標復旧時点(RPO:どの時点のデータにまで復旧できるかを示す指標)や保持期間(データを保管する期間)、ワークロードの適切な割り当てを含む。セカンダリーストレージシステムは、Oracleの「Oracle Recovery Manager」をはじめとするデータベースバックアップ製品と連携できなければならない。
スケールアウト型オブジェクトストレージと、その仕組みを支える「分散ファイルシステム」(複数サーバによる分散ストレージシステムを構成するファイルシステム)が、現在のセカンダリーストレージ製品の主要部分を担っていることは、紛れもない事実だ。DX時代に企業が抱える非構造化データ用ストレージシステムのニーズに対処すべく、セカンダリーストレージシステムの製品ポートフォリオは進化している。ほぼ全ての大手データ保護ベンダーが、2018年後半~2019年前半にかけてスケールアウト型のセカンダリーストレージシステムを発売するだろう。ぜひ注目してほしい。
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